使用期限が書いていないアルコールジェル、開封してからしばらくたっているようだから処分したい。
アルコールジェルの容器が破損してしまったので、中身を使いたくない。
アルコールジェルはめったに処分することがないので、捨て方を迷いますよね。
まず、燃えるゴミに捨てることを考えますが、アルコールジェルは強い殺菌効果があるので、何か危ないものなのかも?という心配が出てきます。
実はアルコールジェルの捨て方は、水に流す方法だったのです。
私も記事を書くまで全く知らなかったのですが、アルコールジェルには知らないと損な秘密がたくさんあるのです。
この記事では、アルコールジェルの捨て方を中心に、使用期限、アルコールジェルの性質、アッと驚く再利用方法を説明します。
捨てるよりもリサイクルが断然おすすめですよ。
目次
アルコールジェルの捨て方は水に流すが正解
アルコールジェルは、中身のアルコールジェルと容器では捨て方が違います。
別々に説明していきます。
中身は水に流しながら排水溝やトイレに捨てる
アルコールジェルメーカーのホームページによると、アルコールジェルの捨て方は、大量の水で薄めて、捨てます。
水質を汚染しないために水で薄めて流します。
もっとも簡単な捨て方は、トイレにアルコールジェルを流すことです。
もちろん排水溝で水を流しながら、アルコールジェルを捨てる方法もあります。
ただし、注意点があるので気を付けてください。
手袋をして、換気扇を回すことです。
手袋で手肌が荒れないようにします。
ビニール手袋や台所用手袋が良いでしょう。
換気扇は、揮発性の高いアルコールジェルの危険性を減らすためです。
ちなみにアルコールから発生する可燃性蒸気は空気より重いので、下にたまります。
ただし、大量に捨てる場合は、危険ですので、水に流して捨てないでください。
必ず自分で処理せず、廃棄業者に頼みましょう。
私も古いアルコールジェルがあったので、水で流しながら、お風呂場の排水溝に捨ててみました。
少量だったので、私は手袋をしませんでしたが、手が荒れている方、手肌が弱い方は、手袋してくださいね。
換気扇は回したのですが、それでも普段は気にならないアルコールジェルの匂いを感じました。
アルコールジェルを流すだけで排水溝のカビが落ちるかな?と少し期待したのですが、流すだけではカビを漂白する効果はなかったです。
アルコールジェルの容器の捨て方
中身を出した後の捨て方は、容器を水で洗うことです。
アルコールジェルは水に溶けやすいので、すぐに落ちます。
洗った容器は、自治体の指示に従って捨ててください。
プラスティック容器の場合、私の自治体では、まずシールなどプラスティック以外のものがついていればはがします。
そして残りはプラスティックゴミです。
ディスペンサーやスプレー容器の場合は、上部にはコイルが入っているので、プラスティックでなく燃えるゴミに捨ててください。
実はアルコールジェルの成分は、シールはがしの成分なのです。
もし容器にシールが貼ってあって、はがしにくい場合はアルコールジェルを使ってみてください。
アルコールジェルを燃えるゴミに捨てられないワケ
アルコールジェルは、燃えるゴミにそのまま捨ててはいけません。
なぜならば、アルコールジェルの主成分エタノールは引火するからです。
もちろん容器は自治体のプラスティックなので、燃えるゴミとは捨て方が違う場合があります。
同じようにウイルス対策に使える次亜塩素を含む、台所用漂白剤と比べると扱いやすいですが、ちょっと危険な成分ですね。
アルコールジェルは火気厳禁であることを忘れないでください。
可燃性蒸気を発生させるので、直射日光に当てたり、高温のところで保管したり、落とすなどの衝撃を与えてはいけません。
火災につながる場合があるからです。
私は燃えるゴミの捨て方ではないなんて、全く知らなかったのでびっくりしました。
アルコールのつめ替えなどをするときも、換気に気を付けて行ってください。
以下は消防庁の消毒アルコールについての注意喚起のお知らせです。
参考になさってください。
アルコールジェルの正体はエタノール
アルコールジェルはアルコールの一種であるエタノールでできています。
エタノールとは一体どんな成分なのでしょうか。
エタノールは抗菌・消毒・消臭効果があり、便利な成分です。
他の特徴は以下のとおりです。
- 着火温度が低く、引火しやすい
- 透明無色
- 芳香がある
- 蒸発しやすい特性、揮発性がある
- アレルギーを持つ人がいる
- 水にも油にもよく溶ける
- インフルエンザなどウイルスを不活性化させる
エタノールの濃度について
エタノールはその濃度によって、使用目的、用途、名称が違います。
私たちがエタノールに期待する効果は消毒です。
アルコールジェルは主にエタノールが76.9~81.4vo%濃度で構成されています。
エタノールの特性により、100%のものはすぐ蒸発してしまうのです。
80%前後の濃度が、一番ウイルスの消毒能力があるとされています。
これ以上の濃度だと、ウイルスを殺菌する前に蒸発してしまうのです。
エタノール濃度が高いものは、無水エタノールとして薬局などで販売しています。
洗浄するのに水を使いたくない場合や、精製水と混ぜて掃除などに使う人もいるようです。
ちなみに厚生労働省ではウイルスに効果がある濃度を70%以上としています。
ウイルス対策なら消毒用アルコール(濃度76.9~81.4%)は3~4mL、15秒で不活化・消滅できるそうです。
調べましたら、製品によってまちまちで、エタノール濃度が60%程度の消毒アルコールもありました。
もしウイルス対策のために購入しているのであれば、適切な濃度のものを購入してください。
もちろん60%でも全く効果がないわけではありません。
消毒用アルコールにはどんなものがある
消毒用アルコールには、2つのタイプに分かれます。
手指用のものと、キッチン掃除用のような人体以外に使うのものです。
高いアルコール濃度で肌を荒れさせてしまうので、手指用のものは、ヒアルロン酸やグリセリンなど保湿成分が入っています。
キッチン用や掃除用のアルコールスプレーは保湿の必要はないので、そのような成分は入っていません。
手指用アルコールも、ジェル状のもの、スプレーのもの、泡のものがあります。
アルコールジェルと言ったら、通常はこの、ジェル状のものです。
ウイルスに対抗するためには、アルコールをスプレーしたら、15秒ほど手をもみこまなくてはなりません。
そのためのエタノール70%程度の濃度で、手に刷り込みやすくする用途のために、とろみが付いています。
ジェル状のものと他のものの違いは、ジェル状にするために、とろみがつく成分が入っているだけです。
またスプレー式のものは、液状で、それに比べてジェルはドロっとしているので、持ち運びに便利です。
アルコールジェルに使用期限はあるのか
使用期限は通常ボトルに記載してあります。
底の部分やパッケージに記載してあるので、それに従ってください。
私が持っていたアルコールジェルは、底に記載があったようなのですが、消えていました。
もともと記載していないようなものも、どうしたらいいのか困りますよね。
処分したほうがいいのか迷っている人もいるかと思います。
調べた結果、アルコールジェルに使用期限は最短で1年程度でした。
3年くらい日持ちするという意見もあったので、使用期限を過ぎても、エタノールの殺菌効果は残っているようです。
いつから使っているかわからない場合は、使用期間1年を目安に、アルコールジェルを廃棄するかどうかを決めましょう。
アルコールジェルは掃除や洗濯に使うと便利
せっかく捨てるものであるのならば、工夫して消費したいですよね。
私もお風呂場の排水溝に流して捨てるだけでなく、掃除をしつつ、再利用する捨て方がいいなと思いました。
実は掃除をはじめ、アルコールジェルを再利用できる、捨て方があったのです。
私は、日ごろから掃除用アルコールスプレーを使用して、その便利さを実感しています。
私のおすすめはキッチン周りです。
水拭き掃除と比べると、時間があまりたっていない油汚れなら、かなり落ちます。
ただし、くれぐれも火のそばでは使用しないでください。
冷蔵庫の中を拭くのも、除菌になっていいです。
使用期限切れアルコールジェルの再利用方法を探してみました。
掃除・洗濯に使う前に注意点
アルコールジェルはエタノールが主成分なので、以下のことに気を付けましょう。
- 火、高温のところに近づけない
- 手肌が弱い人は荒れてしまうので、手袋をする
- 換気する
- 塩素系の製品と混ぜてはいけない
- ワックスが溶けて白く変色してしまうのでフローリングは不可
- プラスチック製品は種類によっては、変質するので気を付ける
- 特にアクリル製品はひび割れの恐れがあるので不可
- 変色のおそれがあるので、革製品やスチール製品は不可
- 白木や桐製品はシミになるので不可
エタノール成分を含む消毒液は有機溶剤となります。
塗装面や樹脂を傷め、塗料や樹脂がアルコールに溶けて変色するおそれがありますので注意が必要です。
プラスチックはさまざまな種類があるので、要注意。
以下のプラスチック製品は変形の心配があるので、使用しないでください。
- ポリエチレンテレフタート(PE)
- アクリル(PMMA)
- ポリスチレン(PS)
- ABS樹脂(ABS)
- AS樹脂(SAN)
ちなみに使えるプラスチックは以下です
- ポリプロピレン(PP)
- ボリエチレン(PE)
- ボリカーボネート(PC)
- メラミン樹脂(MF)
たとえばトイレの便器。
便器の細かいパーツによって、プラスチックの種類が違っています。
実際、調べてみると、アルコールスプレーを使っていいというものと、ダメというものがあって迷いました。
トイレは、さまざまなプラスチックが使われているので、大丈夫なところもあれば、ダメなところもあるというのが正解のようです。
ちなみにうちのトイレを見ましたら、便座の部分にPPと刻印してありました。
PPつまりポリプロピレンでしたので、その部分は使えるということです。
一番除菌したいところはトイレなのですが、確実に使えることがわかっているところ以外は使用しない方が無難ですね。
掃除や洗濯に使えるエタノールの特徴とは
エタノールは以下のような特徴があるので、掃除や洗濯に使用すると便利です。
- 油を溶かしだす
- 除菌や防カビ、消臭、抗菌ができる
- 水で洗い落とさなくてもよい
油を溶かしだせるので、手垢汚れや油汚れ、油性ペンなどのシミに利用できます。
また多量に使わなければ、エタノールは蒸発するので、水で洗い流したり、そのあと水拭きをしたりという手間がないのです。
さらに掃除した後で防カビなどの効果があれば、一石二鳥ですね。
ただし、アルコールジェルは水だけでなく、保湿成分などはいっているので、気になる人は、水で最後に流せるところなどにしましょう。
私のアルコールジェルでの掃除方法
私は日ごろから、掃除用のアルコールスプレーを使って掃除をしています。
しかし、アルコールスプレーの注意事項を見ておらず、こんなに使っていけないものがあるとは全く気が付きませんでした。
今のところは何も怖いことは起こっていません。
ちなみに私が使っている物は、アルコール濃度が記載しておらず、調べた結果、40%の濃度でした。
ウイルスのために使っていたこともあり、あまりウイルスには効果がなかったことにショックです。
ただ、エタノールの濃度が低いので、掃除の時に問題が起こらなかったのかもしれませんが…。
プラスチックにも問題があるとは気が付かず、結構使っていました。
アルコールジェルはスプレータイプの消毒用アルコールよりもドロっとしています。
とろみが気になる方は水と混ぜてスプレーにしても簡単に掃除もできて、いいかもしれません。
濃度としてはエタノールの濃度40%程度のスプレー液が良いようです。
ただし、除菌にもっとも効果のある濃度なので、水で薄めるとその効果が薄くなってしまいます。
私はジェルを捨てたときに、アルコールジェルを流すだけでは、カビの漂白の効果がなかったと書きました。
しかし、深く根が張ったものは落とせませんが、落とせるそうです。
アルコールジェルをつけて、ブラシでこすった後に水を流せば、根があまり生えていないものは落ちます。
カビを落とせるうえ、防カビに効果があるなんて、試すだけの価値はある!
家にスプレータイプの消毒用アルコールがあったので、お風呂掃除に使ってみました。
家にあった使用期限が消えている手指用アルコール(65%)を使用しました。
たしかにゴムパッキンの、根の深いカビは確かに落ちません。
天井近くのカビを、アルコールスプレーで噴射し、こすり落としたのですが、きれいに落ちます!
通常天井近くの掃除は、自分に水がかかりやすいし、またカビが生えてしまわないようふき取らなくてはいけないません。
だからこの方法は楽です。
お風呂のフタも、エタノールが使えるプラスチックだったので、防カビを期待してアルコールスプレーを噴射しました。
保湿成分など入っていますが、お風呂場なので、私はあまり気になりません。
キッチンでも、スプレーを噴射後、キッチンペーパーでふき取りました。
ジェルタイプではなかったのもありますが、ふき取った後、べたつきなどあまり気になりませんでした。
いつもの掃除用アルコールスプレーと同じような使用感でしたよ。
キッチンでのアルコールスプレーの掃除は本当におすすめです。
なぜなら油が跳ねたら、すぐにふき取るのが、簡単な掃除の鉄則だからです。
アルコールスプレーだと、汚れたら時間をおかず、さっとキッチンペーパーでふき取るだけ。
ただし火がついているときに掃除をしたり、火のそばなど温度が高くなるところにアルコールスプレーを置いたりしないでください。
洗濯での使用方法
油を分離させるので、油性の食べ物のシミやボールペンで書いてしまった洋服のシミを浮かすことができます。
ボールペンのシミは、服の下にタオルを敷いて、アルコールジェルを付けた歯ブラシなどでこすりましょう。
そのあとで、普段どおりに洗濯します。
とても興味があったのですが、シミが見当たらず、お試しできませんでした。
まとめ
- アルコールジェルは、中身と容器に分け、中身は水に流し、容器は洗ってから自治体のルールに従って捨てる
- アルコールジェルは火気厳禁
- 捨てるときは、手袋をし、換気する
- 大量に捨てる場合は、必ず、自治体の廃棄業者に相談する
- アルコールジェルの使用期限は1年
- アルコールジェルは捨てるよりも、掃除や洗濯での再利用がおすすめ
- 床、スチール、革製品、プラスチックにはアルコールジェルを使わない
私たちがウイルス対策でよく使うアルコールジェルは、便利なところもありますが、危険なものでもあります。
今回、ウイルスに効く消毒方法、アルコールジェルの危険性を初めて知りました。
アルコールジェルの特徴を知って、有効に活用していきたいです。