喪中はがきを出す準備ができずタイミングを逃したり、12月中旬以降に喪中になったりすると、寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出します。
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出す場合も、通常の寒中見舞いと同じ期間に出さなければいけません。
寒中見舞いを喪中はがきの代わりにするときは、これから説明する時期やマナーをしっかり確認して出しましょう。
寒中見舞いと喪中はがきは書く内容が違いますのでそちらも注意が必要です。
いくつか文例を紹介して説明しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに!出す時期を守ろう
喪中はがきを出せるなら出す方が望ましいですが、タイミングをすぎてしまうと相手に余計な気を遣わせてしまい迷惑になってしまいます。
ぎりぎりすぎて届く日が不明確な場合は、慌てずに寒中見舞いを喪中はがきの代わりに送ることにしましょう。
寒中見舞いは1月8日頃から2月3日まで
寒中見舞いを出す時期は、松の内(1月1日から1月7日)明けから立春前日の2月3日頃までです。
関西では松の内が1月15日までのところもあるので注意
寒中見舞いとは一年で一番寒さが厳しい期間に、相手の健康を気遣うために送るものですが、喪中はがきの代わりに報告することもできます。
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出す例
- 年賀状シーズン前に喪中はがきが準備できなかった時、またその為年賀状を受け取った時
- 喪中はがきを送る時期をすぎた12月中旬以降に喪中になった時
- 喪中はがきを送らなかった人から年賀状が届いたときの返事をする時
2月4日からは寒中見舞いではなく余寒見舞いとなるため、1月末ごろまでの投函が望ましいです。
2月4日を過ぎる場合は余寒見舞いとして送りましょう。
喪中はがきは11月から12月の上旬まで
喪中はがきは9月、10月など早く送りすぎても相手が忘れてしまう可能性がありますよね。
喪中はがきは11月から12月上旬の、相手が年賀状の準備をする前に送ります。
年賀状の受付は12月15日からなので、それまでに届くようにしましょう。
喪中はがきの正式名称は年賀欠礼状というものです。
年賀欠礼状喪中のため新年を祝う挨拶を控えることのお詫びを伝えるもの
前述のように喪中はがきが出せない場合は寒中見舞いで良いですが、準備をすることができるなら喪中はがきを出しましょう。
寒中見舞いと喪中はがきのマナーの共通点
寒中見舞いと喪中はがきには、共通する書き方の決まりやマナーがあります。
他の季節の挨拶なども同じような伝統の書き方がありますのでマナーとして知っておきましょう。
喪中はがきを準備して出す場合も、寒中見舞いで喪中をお知らせする場合も参考にしてください!
フォーマルなはがきは書き方を守り縦書きに
喪中はがきや喪中の寒中見舞いは縦書きにするのがフォーマルです。
現代のはがきは横向きのものもありますが、カジュアルな印象になってしまいます。
寒中見舞いと喪中はがきの書き方
- 頭語と結語を省略する
- 句読点を入れない
- 行頭一字下げをしない
- 縦書きの数字は漢数字にする
頭語と結語とは?「拝啓」「敬具」など決まった組み合わせで初めと終わりに使う挨拶
喪中はがきは「喪中のため年始の挨拶を控える」という要件を初めに伝える決まりがあります。
寒中見舞いも「寒中お見舞い申し上げます」が冒頭の挨拶となるため頭語と結語は必要ありません。
句読点と行頭一字下げの意味は?子供が文章を読みやすくするために使われ始めたもの
句読点は明治時代に学校で子供のために使われ始めました。
段落に文字を一字下げるのも同じく読みやすくするためにできた規則です。
大人に句読点や一字下げを使うことは失礼だと思われることもあるので伝統のお手紙などでは使われなくなりました。
数字は縦書きは漢字にするのが一般的で、手紙を書くときのマナーなので注意しましょう。
お祝いや悪い連想をする言葉は使わない
使ってはいけない言葉
- 年賀や謹賀など新年を祝う言葉
- 重ね言葉と忌み言葉
喪中はお祝いを控えるものですし、寒中見舞いも本来相手の健康を気遣うためのもので新年を祝うものではありません。
年賀や謹賀は新年のお祝いの言葉なので、年始や年頭などの言葉を使うように気をつけましょう。
忌み言葉とは普段使っている言葉でも、その場では縁起が悪いとされる言葉です。
重ね言葉は同じ言葉を繰り返すもので、「不幸が重なる」などこちらも悪い連想をしてしまうということから控えるべきとされています。
「去る」「去年」「失う」「倒れる」「病む」「枯れる」「別れる」など
重ね言葉の例「度々」「しばしば」「いろいろ」「重ね重ね」「くれぐれも」「わざわざ」など
デザインや切手は落ち着いた物を使おう
使ってはいけないもの
- 年賀はがき
- デザインは干支などのお正月を連想するもの
喪中はがきはもちろんですが、寒中見舞いも喪中かどうかにかかわらず年賀はがきを使ってはいけません。
郵便はがきかコンビニなどでも売っている私製はがきを使用しましょう。
郵便はがきの場合は胡蝶蘭のはがきを使用するのが無難です。
私製はがきを使用する場合は喪中はがきと喪中の寒中見舞いでは切手のマナーが異なるため注意が必要です。
喪中はがき | 喪中の寒中見舞い | |
---|---|---|
切手 | 弔事用切手を使用 | 弔事切手を使用しない |
寒中見舞いは、弔事用と慶事用の切手でなければ良いですが喪中の場合は落ち着いたデザインの切手を使用するのが良いでしょう。
デザインも干支や門松などのお正月特有のものや、お祝いのような派手な色味のデザインは使いません。
寒中見舞いと喪中はがきの文例とその違いを紹介
喪中はがきは年賀欠礼のことのみを簡潔に書くのに対し、寒中見舞いは相手の健康を気遣うことが本来の目的なので文構成が少し違います。
いくつか文例を紹介しながら確認しましょう。
喪中はがきの基本の文例
- 挨拶文
- 故人について
- お礼と結びの言葉
- 日付
喪中につき年始のご挨拶謹んでご遠慮申し上げます
○月○日に○(続柄)○(名前)が○歳にて永眠いたしました
本年中に賜りましたご厚情に深謝申し上げますとともに
明年も変わらぬご厚誼を心よりお願い申し上げます
○年○月
喪中はがきは新年のお祝いの挨拶を控えることを知らせるためのものです。
近況を伝えるような内容は書いてはいけません。
喪中に寒中見舞いを出すときの文例
- 挨拶文
- 喪中で新年の挨拶を控えたこと
- お知らせが遅くなったお詫びや
生前のお礼 - 相手の健康を願う言葉
- 日付
寒中お見舞い申し上げます
昨年○月に○が永眠し年始のご挨拶を控えさせていただきました
旧年中にお知らせするべきところ
ご通知遅れましたことを深くお詫び申し上げます
寒い日々が続きますがお身体を大切にお過ごしください
本年も変わらぬお付き合いのほど謹んでお願い申し上げます
○年○月
寒中お見舞い申し上げます
昨年○月○が○歳にて永眠いたしましたため
新年のご挨拶を遠慮いたしておりました
故人が生前に賜りましたご厚情に深謝し心よりお礼申し上げます
皆様のご健康と実り多い一年をお祈りいたします
○年○月
喪中はがきとの違いは、相手の健康を気遣う言葉を入れるところです。
通常の寒中見舞いは近況報告も書きますが、文例のように喪中の場合は基本的に書きません。
特に結婚や出産などのおめでたい近況を喪中と同時にお知らせすることは、お相手が返信をくれる場合に混乱させてしまうことになります。
どうしても良い近況をお知らせしたい場合は後日、寒中見舞いとは別に報告のはがきを出すようにし一緒に報告することはやめましょう。
喪中に受け取った年賀状に返信する文例
- 挨拶文
- 年賀状のお礼
- 喪中で挨拶を控えたこと
- お知らせが遅れたお詫び
- 相手の健康を祈る言葉
- 日付
寒中お見舞い申し上げます
このたびはご丁寧な年始のご挨拶をいただきまして
誠に有り難うございます
昨年○年に○が永眠いたしましたため年頭のご挨拶を
控えさせていただきました
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げますと共に
皆様のご健康と実りの多い一年をお祈りいたします
○年○月
喪中はがきが出せなかった場合、年賀状をもらうことがあると思います。
喪中でも年賀状を受け取ることは問題ありませんので、寒中見舞いでお礼と喪中で新年の挨拶ができなかったお返事を出しましょう。
「年賀状」とそのまま書くと「年賀」というお祝いの言葉を使ってしまうことになります。
文例のように年賀状のことは「年始の挨拶」や「お年始状」などと言い換えましょう。
まとめ
- 寒中見舞いは1月8日頃から2月3日までに送るもので喪中の報告もできる。
- 喪中はがきは11月から12月上旬までに送り、喪中のため新年を祝う挨拶を控えることを伝えるものである。
- 寒中見舞いと喪中はがきで使わないものは「頭語と結語」「句読点」「行頭一字下げ」で数字は漢数字にする。
- 使ってはいけない言葉は「新年を祝う言葉」「重ね言葉」「忌み言葉」がある。
- 年賀はがきや、干支などお正月をイメージするものは使わず落ち着いたデザインにする。
- 喪中はがきは年賀状を控える報告が目的のため近況は書いてはいけない
- 喪中の寒中見舞いは、喪中であることを報告しつつ相手の健康を気遣う文章を書く。
年賀状など送る枚数なども減ってきて、このような伝統的な決まりに触れる機会も少なくなっています。
はがきだけのやりとりをする関係であっても、伝統とマナーを守って相手のことを考えることを大切にしたいですね。