玉ねぎを水にさらす時間を知っていますか?
今まで玉ねぎを水にさらす時間を気にしていなかったあなた、要注意です!
玉ねぎをおいしく食べるためにしていた水にさらす方法は、逆効果だったなんてことがあるかもしれません。
まず玉ねぎを水にさらす理由は、玉ねぎには辛味の強い種類・辛味の弱い種類があることが関係しています。
辛味の弱い玉ねぎは、果肉が柔らかく生のまま食べることができますが、辛味の強い玉ねぎは、生で食べるには辛味が強すぎる傾向があります。
玉ねぎを水にさらす理由は玉ねぎの辛味を抜くためですが、5分以上さらすとデメリットもあるのです。
水にさらすのが逆効果とはどういうこと?
玉ねぎをおいしくたべる方法とは?
そういった疑問をすべて解決していきます。
目次
玉ねぎを水にさらす時間は5分程度が最適!理由も解説
結論、玉ねぎを水にさらす時間は短い方がいいということです。
私は今まで水にさらす時間をあまり意識せず調理をしていました。
しかし、調べれば調べるほど、今までしていた方法がおいしく効率よく栄養をとることを、半減させていたことに気づきました。
この章では、水にさらす時間は具体的に何分が適切なのか、その根拠を説明します。
玉ねぎを水にさらすのは辛味抜きと食感のため
①玉ねぎの辛味を抜くため
玉ねぎにはアリシンというイオウ化合物があり、このアリシンが辛味を生み出しています。
辛味成分アリシンは水に溶けやすい性質があり、水にさらすと溶け出して辛味が軽減します。
また水にさらすことで、玉ねぎのえぐみや臭みも抜け、甘みが感じやすくなるのです。
②玉ねぎがシャキッとする
(食感がよくなる)
水にさらすと玉ねぎの食感がよくなるのは、浸透圧が影響しています。
浸透圧は薄い方から濃い方に移動します。
玉ねぎの浸透圧濃度が水の浸透圧濃度より濃いため、水にさらすと玉ねぎの細胞内に水分が吸収されるのです。
浸透圧の影響で玉ねぎ内は水で膨らみ、みずみずしい状態になるため食感が良くなります。
このように玉ねぎを水にさらす利点が明らかになりました。
では、なぜ水にさらす時間は5分なのかを次に解説します。
水にさらす時間が長いと栄養が失われてしまう
こちらの表をご覧ください。
生たまねぎと水にさらした玉ねぎの栄養素の比較になります。
食品成分 | (生)玉ねぎ | (水さらし)玉ねぎ |
---|---|---|
たんぱく質 | 1.0g | 0.6g |
炭水化物 | 8.4g | 5.1g |
エネルギー | 33kcal | 24kcal |
ビタミンB6 | 0.14mg | 0.09mg |
葉酸 | 15μg | 11μg |
ビタミンC | 7mg | 5mg |
カリウム | 150mg | 88mg |
リン | 31mg | 20mg |
イソロイシン | 14mg | 8.4mg |
ロイシン | 25mg | 15mg |
リシン | 43mg | 26mg |
メチオニン | 8mg | 4.7mg |
シスチン | 9mg | 5.6mg |
フェニルアラニン | 24mg | 15mg |
チロシン | 22mg | 13mg |
トリプトファン | 11mg | 6.7mg |
バリン | 17mg | 11mg |
ヒスチジン | 16mg | 9.5mg |
アルギニン | 130mg | 80mg |
アラニン | 16mg | 9.7mg |
アスパラギン酸 | 70mg | 4.3mg |
グルタミン酸 | 250mg | 150mg |
グリシン | 26mg | 16mg |
プロリン | 17mg | 10mg |
セリン | 30mg | 18mg |
水にさらした玉ねぎは、生の玉ねぎに比べるとほとんどの栄養素が減少しているのがわかります。
表に記載している玉ねぎの栄養素は、水にさらすと20%~40%程度減少しています!
玉ねぎを水にさらすことで、辛味をとる・食感がよくなるメリットはありますが、栄養素が大幅に失われるデメリットがあったのです!
水にさらす時間が長いほど、栄養素はどんどん失われます。
玉ねぎを水にさらす時間はメリットとデメリットを考慮し5分程度が最適だと結論に至りました。
玉ねぎの栄養効果が失われるのはもったいない
玉ねぎを水にさらすと栄養が失われることがわかりましたが、実際どのようなデメリットがあるのでしょうか。
もともと玉ねぎには、辛味成分のアリシン・ミネラル・アミノ酸・ビタミンが含まれています。
それらの働きを確認することで、玉ねぎの栄養が失われたデメリットがより理解できます。
この章では具体的にどんなデメリットがあるのか詳しく解説していきます。
玉ねぎにある栄養成分はどんなもの?
栄養素 | 成分 | 働き |
---|---|---|
アリイン |
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必須アミノ酸 |
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非必須アミノ酸 |
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ミネラル |
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ビタミン |
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玉ねぎの中には、こんなに多くの栄養分と作用があるんです。
玉ねぎを水にさらすことでのデメリット4つ
①生活習慣病予防効果が低下
玉ねぎにあるアリナーゼという酵素と、玉ねぎを切る・つぶすことによって出るイソアリインが分解されることでアリシンは作られます。
アリシンの効果
- 玉ねぎの辛味成分
- 血液中のコレステロール値の上昇を抑制
- 動脈硬化や糖尿病引き起こす原因になる活性酵素の抑制
- 血糖値の上昇も抑え、より糖尿病予防につながる
アリシンが減少すると、生活習慣病予防の効果が低下することがわかります。
②疲労回復効果が低下
ビタミンの効果
- 糖をエネルギーに変えることで疲労回復効果がある
- ビタミンB1はアリシンと結合することで、疲労回復効果を持続させる
必須アミノ酸・非必須アミノ酸の20種類は、玉ねぎの中に含まれています。
アミノ酸は、ひとつでも欠けると人体を構成するたんぱく質を合成できないため、アミノ酸が減少しても疲労回復効果が低下します。
③心臓機能や骨・筋力の低下
ミネラル成分の効果
- カリウムやリンは、神経伝達や心臓や筋肉の調整をする
- リンは骨や歯の発達に重要な栄養である
不足すると心臓や骨、筋肉に重大な影響がでる可能性があります。
④がん予防・美肌効果低下
ビタミンやアミノ酸にはコラーゲンを生成したり、抗酸化作用を促し体の老化を抑制する効果もあります。
そのため減少するとその効果も低下します。
玉ねぎを水にさらしたため栄養分が減少することで、アリシンやビタミン、アミノ酸、ミネラルが全く摂取できないわけではありません。
20~40%程度減少しますが、水にさらした後でも摂取できます。
また他の食品からでも摂取することが可能です。
しかし、知識があれば十分とれたはずの栄養を知らなかったために、取り損ねることはもったいないです。
玉ねぎの辛味抜きの方法!おいしさと栄養を逃がさない
今までの内容を踏まえて、玉ねぎをおいしく栄養を逃がさない辛味抜きの方法を伝授します。
辛味抜きのため玉ねぎを水にさらすことは、栄養を逃がすデメリットがあるので推奨しません。
しかし食感をよくするために短時間行うことはよいです。
ここでは具体的な手順で栄養を逃がさない辛味抜きの方法を説明します。
玉ねぎのカットと放置が栄養維持と美味のコツ
- 玉ねぎを薄くカット
(料理によってはみじん切り) - 容器にうつしラップをし冷蔵庫に20分置く
- 料理に使用する
(シャキッとさせたいなら水にさらし5分以内に取り出す)
玉ねぎを切ってすぐ加熱はしないよう注意
アリシンには辛味成分がある反面、疲労回復・抗酸化作用・食欲増進など多様な栄養分があります。
アリシンはイソアリインとアリイナーゼが反応し、アリシンに変化します。
アリシンに変化させるために、玉ねぎを細かくカットして細胞を壊す必要があります。
そのためスライスやみじん切りを推奨しています。
そしてカットした玉ねぎをそのまま放置することで、アリシンに変化します。
玉ねぎをカットした後20分放置することで、水にさらさなくとも辛味成分は消失し、生のままでも食べやすくなります。
イソアリインとアリイナーゼは、熱に弱いため、玉ねぎをカットした直後に加熱すると、アリシンに変化することができません。
玉ねぎをカット後放置し出来たアリシンは、熱に強く栄養素を失いづらいため、20分放置した後に加熱調理をオススメします。
まとめ
- 玉ねぎを水にさらすのは、辛味をとる・食感をよくするため
- 玉ねぎを水にさらす時間は5分
- 玉ねぎを長時間水にさらすと栄養分が減少する
- 栄養分が減少すると生活習慣病予防低下・疲労回復効果低下・心機能、骨、筋力低下・がん予防や美肌効果低下のデメリットがある
- 玉ねぎをおいしく、栄養を逃がさない辛味の取り方は、カット後20分放置する
- カット後放置し出来たアリシンは熱に強いため、放置後の加熱調理がオススメ
この記事では玉ねぎを水にさらす理由と水にさらすことでのメリット、デメリットを主に栄養の観点からお話しました。
玉ねぎを水にさらす時間が長時間になれば、栄養素は失われてしまうことがわかりました。
このことを知らなかったことで、本来とれたはずの栄養分を今まで取り損ねていたかもしれません。
今回のお話をもとに、今後玉ねぎを調理する際にはおいしく食べること・栄養を丸ごととることに気を付けてほしいと思います。