そうめんやパスタなどの薬味に使ったり、天ぷらやささみに巻いて揚げたり、さまざまな料理で活躍するシソ。
そんなシソをおうちで育てて、すぐに食べることができたら嬉しいですよね。
シソを育ててみたいけど、植えてはいけないと聞いたことがあるし、「植えても大丈夫?」と悩んでいませんか?
シソを植えると大量に繁殖したり、害虫がついたりと、植えてはいけないといわれる理由があります。
しっかりと管理して植えさえすれば、シソの栽培を楽しむことができます。
シソを管理して育てる方法、また、シソの実のレシピや保存方法を紹介します。
シソを植えてみたいけど、植えてはいけないのかなと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね♪
目次
シソを植えてはいけないのはなぜ?3つの理由
シソはなぜ植えてはいけないのでしょうか?
主に3つの理由があります。
シソを植えてはいけない理由
- こぼれ種でシソが大量に繁殖してしまうから
- ヨトウムシなどの害虫が発生してしまうから
- 赤紫蘇と青紫蘇の交雑により質が落ちるから
こぼれ種でシソが大量に繁殖してしまうから
シソは生命力、繁殖力がとても強い植物です。
シソは、花が終わると大量の実がつき、実はやがて「こぼれ種」となります。
こぼれ種とは、意図して蒔いたわけではなく、植物から自然にこぼれ落ちる種のことです。
こぼれ種からまた芽が出て、どんどん成長しシソが育ちます。
シソが成長し種が落ち、そのこぼれ種からまたシソが成長し種が落ちる。
といった具合にどんどん繁殖し、気づいたらそこら中、シソだらけ、なんてこともあります。
生命力が強く、土があり日差しがよく当たる場所なら、どこにでも生えてしまいます。
アスファルトの割れ目から雑草が生えていると思ったら、シソだったことも。
シソの強い繁殖力と生命力で、大量に繁殖してしまう事がシソを植えてはいけない理由の1つです。
ヨトウムシなどの害虫が発生してしまうから
シソを植えてはいけない2つ目の理由は、害虫です。
シソにはさまざまな害虫が寄ってきます。
- ヨトウムシ
- アブラムシ
- ハダニ
- ハモグリバエ
- バッタ
特に厄介なのが「ヨトウムシ」です。
ヨトウムシは、夜に現れて葉を食べ、朝になると土にもぐって隠れてしまいます。
そのため「夜盗虫(ヨトウムシ)」と呼ばれています。
日中、虫がついていないのに、葉がごっそり食べられているような場合は、ヨトウムシがいる可能性が高いです。
ヨトウムシはシソのみならず、あらゆる野菜を好みます。
ヨトウムシなどの害虫が、シソから他の植物に移り、食い荒らしてしまう恐れがあることが、シソを植えてはいけない2つ目の理由です。
赤紫蘇と青紫蘇の交雑により質が落ちるから
ここまでシソ全般のお話しをしてきましたが、シソには大きく2種類あります。
梅干しや生姜の色付けに使われる赤紫蘇と、料理や刺身のつまなどに使われる青紫蘇です。
赤紫蘇 | 青紫蘇 | |
---|---|---|
花期 | 8~9月 | 8~9月 |
収穫期 | 6~7月 | 6~9月 |
特徴 |
|
|
それぞれの特徴を持つ赤紫蘇と青紫蘇ですが、なぜ一緒に植えてはいけないのでしょうか?
赤紫蘇と青紫蘇を一緒に植えてはいけない理由は、交雑してしまうからです。
赤紫蘇と青紫蘇を同じ場所に植えると、2つのシソが掛け合わさってしまい雑種となってしまいます。
赤紫蘇と青紫蘇が掛け合わさってできたシソは、本来のキレイな色味が無くなってしまいます。
色味がまばらになったり、葉の裏表で色が違ってしまったり、また、風味も落ちてしまいます。
もう1つ重要なのが、1度交雑してしまうと元に戻らないということです。
赤紫蘇と青紫蘇が交雑してしまうと、赤紫蘇、青紫蘇の本来の特徴が無くなります。
交雑により質が落ちてしまうというのが、シソは植えてはいけないといわれる3つ目の理由です。
シソを植えてはいけないといわれる理由は、シソ自体が問題なわけではありません。
こぼれ種による大量繁殖や害虫が寄ってくるという特徴と、赤紫蘇と青紫蘇の交雑が理由です。
上手に管理して育てれば、シソの栽培を楽しむことができます。
シソの育て方を解説!鉢で増殖させずに育てる方法
シソを育てるうえで大切なのは、しっかり管理してあげることです。
管理することで、こぼれ種による増殖を防ぎ、栽培を楽しむことができます。
この章では、シソの基礎知識、鉢植えでの育て方を紹介します。
シソの基礎知識!種まき時期・収穫時期
ここでは青紫蘇について紹介します。
青紫蘇は、シソ科シソ属の一年草で、蒔いたその年に発芽・花期・収穫期を迎え、種をつけ枯れます。
さわやかな香りがあり、和ハーブといわれます。
種まき時期 | 4月~5月が適しています。 |
収穫時期 | 6月~9月が適した時期です。 大きく育った葉から、葉元を切って収穫します。 |
シソを増やさず楽しむ鉢を使った育て方
シソを植えてはいけない理由を解決しながら育てることができる、鉢植えでの育て方を紹介します。
鉢植えは、土壌が狭く手入れがしやすいので、シソのこぼれ種を管理しやすいです。
鉢を移動できるので、土以外の場所に置いて、こぼれ種の繁殖を防ぐことができます。
害虫からの危機管理もできます。
鉢ごとに管理するので、害虫の発見・駆除がしやすかったり、他の野菜へ害虫が移らないよう隔離したりすることができます。
鉢植えは、培養土を使えば簡単に植えることができるので、初めての方も挑戦しやすい育て方です。
シソを植える手順
- 種をまく
- 植え付け
- 水やり
- 追肥
1.種まき
【準備するもの】
- シソの種
- ポリポット
- 土(育苗培土)
- ポリポットに土を入れます。
- 種を5粒ほど十字に蒔きます。
- 上からパラパラと土を掛けて覆います。(覆土)
- 水をたっぷりとあげます。
- 乾燥を防ぐため、軽く新聞紙をかけます。
シソは好光性植物と言って発芽に光がいるので、覆土は種が隠れる程度でOK!
発芽するまでに乾燥が気になったら水をあげましょう。
シソの種は、発芽率が60%と少し低めです。
ポリポット3つほどに、種をまいておくと安心です。
シソは、発芽にかかる時間が、7~14日と少し長めです。
完全に光を遮らないこと、乾燥に注意しながら発芽を気長に待ちましょう!
2.植え付け
発芽したら鉢に苗を植えます。
【準備するもの】
- 苗
- プランター
- 土(ハーブ・野菜用の培養土)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 肥料(土に含まない場合)
- 鉢に底から、鉢底ネット、鉢底石、土の順でいれます。
- 鉢の中央に少しくぼみを作り、そこへシソの苗を置き土を馴染ませます。
- ポットの土の表面と、鉢の土の表面の高さが同じになるようにします。
- 植えつけたら、苗の根本を軽く押さえて苗がグラグラしないようにします。
- 水をたっぷりあげましょう。
土は鉢いっぱいに入れず、鉢の淵から2割ほど空けて、ウォータースペースを作りましょう。
水をあげたあと、苗が傾いていないか注意しましょう。
傾いていたらまっすぐに直してあげてください。
3.水やり
土の表面が乾いてきたら、シソの根本にたっぷり水をあげます。
鉢の底から水が流れ出るくらいしっかりとあげて大丈夫です。
土の乾き具合は、鉢を置く環境によって変わりますので、よく観察し水をあげてくださいね。
4.追肥
最初の土に含まれる肥料「元肥」によって、追肥の量、タイミングが変わってきます。
培養土の袋に元肥の量や、追肥の量・タイミングが書いてありますので、確認して追肥しましょう。
苗の根元に蒔くタイプの肥料が、簡単であげやすくおすすめです。
鉢植えでシソを育てることで、シソの繁殖や害虫を管理して栽培を楽しむことができます。
シソのレシピを紹介!種が落ちる前に食べよう
シソの1番の悩みである大量繁殖を防ぐための工夫として、種が落ちる前に食べるという方法があります。
シソの穂先は、花の時期から実のなる時期まで、食卓で活躍します。
シソの実を料理する前に!あくを抜く方法
シソの実は、あくがあるので、調理前にしっかりあくを抜きましょう。
【準備】
- 穂先に花が少し残った位の穂先を収穫します。
- 穂先を下から穂先の方へ、爪でこさぐようにスーッと滑らし実を取ります。
【あく抜き】
あく抜きを2通り紹介します。
1.湯がく
鍋に湯を沸かし、塩を少々入れます。
シソの実をサッとくぐらせてざるにあげ、水をよく切ります。
2.水につける
シソの実をボールに入れ、水をしっかりかぶるくらいたっぷり入れます。
そのまま一晩水につけ、もみ洗いし、水をよく切ります。
あくをしっかり抜くことで、よりシソの実を美味しくいただくことができます。
シソの花はあくが強くないので、そのまま調理に使えます。
シソの実と花を美味しく食べられる万能レシピ
あくを抜いたら、準備完了です!
さっそく、作ってみましょう。
シソの実を使ったレシピを紹介します。
シソの実の醤油漬け
【材料】
- シソの実(あく抜きしたもの)
- 醤油
- 鷹の爪(お好みで)
【作り方】
- 清潔な瓶に、シソの実を入れます。
- 醤油をシソの実がかぶる程度入れます。
※お好みで鷹の爪を輪切りにして入れてください。 - 醤油に漬けてから2~3日したら完成です。
シソの実の塩漬け
【材料】
- シソの実(あく抜きしたもの)
- 塩 シソの実の10~20%
【作り方】
- シソの実をキッチンペーパーで拭き、水気をしっかり取ります。
- シソの実と塩を混ぜ馴染ませます。
- 容器に入れて2~3日置きます。
- 溜まった水を捨てて完成です。
※塩分が強すぎたら水抜きしてから食べても大丈夫です。
保存期間は、醤油漬け、塩漬けともに、1か月程度です。
とても簡単に作ることができます。
ご飯のお供や薬味として使うと美味しいです。
和え物に使ったり、ハンバーグに練りこんだりとアレンジレシピを考えるのも楽しいですよ♪
シソの花を使ったレシピをご紹介します。
シソの花の天ぷら
【材料】
- シソの花 お好きな量
- 小麦粉(まぶす用) 適量
- 小麦粉:水 2:1
【準備】
- シソの花を葉が1・2枚ついた状態で収穫します。
数分水に浸してから、ジャブジャブと軽く洗います。水を切って、軽く水気を拭いておきます。 - てんぷら粉を作っておきます。
小麦粉と水を2:1でよく混ぜます。
てんぷら粉を少し緩めに作るとサクッと美味しく作れます。
【作り方】
- シソの花に小麦粉を軽くまぶします。
- てんぷら粉に1.をサッとくぐらせます。
- 160~170度の低めの温度で揚げていきます。
- 目安は1~2分、衣に色がついたらできあがりです。
- 塩や天つゆなど、お好みの調味料で食べてください。
いつでも使えるシソの実を冷凍保存する方法
通常シソの実は、冷蔵庫での保存期間は2~3日です。
たくさん収穫できてもすぐに消費しきれない場合もありますよね。
シソの実は、冷凍保存することができます。
冷凍保存する方法
あく抜きをしたシソの実をキッチンペーパーでよく拭き、水気を取ります。
フリーザーパックに入れ平たくならし、空気を抜き冷凍します。
使うときは、自然解凍するか、冷凍のまま使用します。
保存期間は2ヵ月ほどです。
シソは葉や花、実も食べることができます。
美味しく食べながら、こぼれ種が落ちないよう管理しましょう。
まとめ
- シソを植えてはいけない理由は3つあり、大量繁殖、害虫、交雑による質の低下である
- しっかり管理すれば、シソの栽培を楽しむことができる
- シソは一年草で、春蒔き夏採りの和ハーブ
- 鉢植えで育てれば、増殖を防げて害虫対策もしやすい
- シソの実を収穫し食べることで、こぼれ種による増殖を防げる
- シソは葉や花、実も美味しく食べられる
いかがでしたか?
シソを植えてはいけないといいますが、実際はしっかり管理して育てることができます。
シソの葉、花、実を味わいながら成長を楽しみましょう♪