マーガレットの栽培中、茎が茶色くて硬い木のようになり、心配になっていませんか?
茎が木のように硬くなるのは「木質化」といってマーガレットに必ず起こる現象なので心配はいりません。
でも、見た目も悪くこのまま育てていって良いのか、不安に思いますよね?
結論から言うと、マーガレットを木質化させないことは不可能です。
木質化させないことはできませんが、木質化を遅らせることと、木質化したマーガレットから新たな株を増やすことができます!
マーガレットの木質化対策と育て方のポイントを解説していきます。
最後には、マーガレットとの寄せ植えに向いている植物も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
目次
マーガレットを木質化させないのは不可能!対策を紹介
マーガレットの木質化は、自然現象で成長の証でもあります。
マーガレットを何年も、木質化させないで育てることはできません。
しかし、木質化したマーガレットを放っておくことは見た目上も、マーガレットの成長のためにも良くありません。
マーガレットの木質化に対処する方法を解説します。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
マーガレットは木だった!木質化は成長の証
マーガレットは毎年花を咲かせる多年草で、その茎は成長していく過程で必ず木質化します。
木質化とは?植物の茎が、茶色に変色して木のように硬くなること
植物の組織内で「リグニン」という物質が増えることが原因である
リグニンには、細胞の隙間を埋めて強固にする働きがあるので、草を木のような頑丈な組織に変化させてしまう
写真は、木質化したマーガレットの茎です。
マーガレットの日本名は木春菊(モクシュンギク)といいます。
これは茎に木質化する性質があり、若葉が春菊に似ていることからきているそう。
マーガレットの他にも木質化する植物は多く、菊やポインセチア、ラベンダーなどがあります。
マーガレットは「常緑性低木」で、放っておくと茎は太く木のようになり、背丈も50~100cm程まで伸びます。
木質化はマーガレットの特性であり、病気ではありません。
茶色くなってしまったからといって、その部分を全て切り落とすと、枯れてしまう場合もあるので注意しましょう。
そうはいっても、可愛らしい花に茶色くゴツゴツした茎は似つかわしくないもの…。
できれば木質化させないで、緑の若々しい状態をキープしたいですよね!
木質化したマーガレットは放っておくと、上の方の木質化していない部分にしか花が咲かなくなり、見た目も悪いです。
木質化させない方法はありませんが、木質化を遅らせたり、株を更新したりする対策があります!
【マーガレットの木質化に有効な対策】
- 木質化を遅らせる
- 新たな株を作ってリセットする
詳しくお伝えしますので、ぜひやってみてください。
【対策①】切り戻しで木質化を遅らせる
木質化があまり進んでいない状態であれば「切り戻し」で木質化を遅らせることができます。
切り戻しは木質化を遅らせますが、木質化を防ぐものではありません。
切り戻しとは?伸びた茎や枝を、途中まで切り詰める作業(剪定)のこと
木質化したマーガレットの茎を切り詰め、株の下の方から新たな茎葉を芽吹かせて、木質化の進行を遅らせます。
マーガレットの株をかき分けて下の方を見てみると、新芽がたくさん出ています。
この新芽を残すようにして、切り戻しを行いましょう。
株の下の方にある枯れ葉は、全て取り除いてください。
マーガレットの切り戻しを行う時期は、5~6月の梅雨入り前までがベスト!
この時期に切り戻しをすることで、梅雨に蒸れがちな株元の風通しが良くなります。
切り戻しをした後は、一時的にマーガレットが弱った状態になっているので、メネデールなどの活力剤を与えると良いでしょう。
【対策②】挿し木で株をリセットする
マーガレットの木質化していない若い茎を使って、挿し木をすれば株をリセットできます。
挿し木とは?株の一部を切り取り、発根させて新たな株を増やす方法
前項の切り戻しを行った際に、切り取った株を使うと良いですね。
- 下の方の葉をカットする
- 花や蕾がある場合はカットする
- 挿す部分の茎を斜めにカットする(これで「挿し穂」が完成!)
- 挿し穂を1時間ほど水に浸けておく
- 挿し木用の用土を園芸ポットなどに入れて、水をかけよく湿らせておく
- 5の土に割りばしなどで穴をあけ、4を挿してならす
- 最後にたっぷり水をあげる
挿し木をしてから2~3日は、水を張った桶などにポットごと入れて、水切れを起こさないようにすると良いでしょう。
挿し木用の用土は、保水性に優れたバーミキュライトなどがおすすめです。
3週間前後で発根するので、発根が確認できたら鉢や花壇に植え付けましょう♪
100%発根するとは限らないので、挿し穂は何本か作ってみると良いですね。
毎年切り戻しごとに挿し木をして株を増やせば、常にフレッシュなマーガレットを育てられます。
マーガレットを夏越しさせるためのポイントと育て方
マーガレットを栽培していると、夏越しの難しさという壁に直面することがあるのではないでしょうか?
難しいといわれている、マーガレットを夏越しさせるポイントをお伝えします。
上手に夏越しできれば、また秋にも開花が見られますので参考にしてくださいね!
マーガレットの育て方もおさらいして、元気なマーガレットを育てていきましょう♪
夏越しのポイントは風通しと温度管理!
マーガレットは乾燥気味を好むので、夏の高温多湿には注意が必要です!
冬の寒さにも弱い傾向がありますが、寒冷地でなければ外での越冬が可能です。
そのため、マーガレットは夏越しの方が難しいといわれています。
基本的には丈夫なので、上手に夏越しできると、毎年たくさんの花を楽しめますよ♪
鉢植えは、直射日光や雨が当たらないような軒下など、半日陰の場所に移動して管理しましょう。
夏の高温多湿で枯れてしまうことが多いマーガレットは、半日陰で風通しの良い涼しい場所で育てることで夏越しできます。
地植えの場合は、移動させることが困難なので、前述した切り戻しで多湿の対策をします。
株元の風通しを良くすることが蒸れを防ぎ、また病害虫の予防にもつながります!
マーガレットの育て方をおさらいしよう!
マーガレットの育て方を4つのポイントで確認していきましょう!
- 植え付け
- 水やり
- 肥料
- 病害虫の予防と対策
マーガレットの苗は、主に春と秋に販売され、植え付け適期は3~6月、または9~10月です。
マーガレットの苗は、根元がしっかりしていてグラグラしないものを選びましょう。
鉢植えの場合は、鉢底石を入れてから、草花用培養土を入れたところに植えます。
土に元肥が含まれていない場合は、必ず元肥を混ぜましょう。
1株の苗を植える鉢のサイズは、8号(直径24cm)~10号(直径30cm)くらいがおすすめです。
土は鉢いっぱいに入れず、縁から3cm程までにして必ずウォータースペースを取りましょう。
地植えの場合は、排水性を高めるために、少し土を盛ったところに植え付けるのもひとつの方法です。
ビニールポットから苗を取り出し、ポット苗と植えこんだ土の表面の高さを揃え、グラグラしないように土をならします。
マーガレット栽培では、水の与えすぎに注意しましょう!
水やりの目安としては、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと行ってください。
春・秋 | 夏 | 冬 |
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夏は成長が止まるので、肥料を与えると株が弱る原因になってしまいます。
マーガレットは、夏に肥料を与えないようにしましょう!
春・秋 | 生育期のため、追肥を与える
水で薄めた液体肥料を1週間に1回程度与えると良い |
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夏 | 成長が止まるため、肥料はストップする |
冬 | 水で薄めた液体肥料を、2~3週間に1回程度与える |
マーガレットがかかりやすい病気として、立ち枯れ病があります。
また、害虫はアブラムシが発生しやすく、注意が必要です。
害虫対策としては、植え付け時にオルトラン粒剤などの殺虫剤をまいておくことが有効ですよ!
病名・害虫名 | 立ち枯れ病 | アブラムシ |
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症状 | 株の地面付近が褐色になり、茎が腐って枯れてしまう | アブラムシにより、栄養が吸い取られ株が弱る |
対策 | 水はけをよく、乾き気味に管理する | 見つけ次第、薬剤で駆除する |
切り戻しを行いながら大きく育てるマーガレットと、挿し木で増やすマーガレットの両方を上手に育てたいですね♪
マーガレットを寄せ植えにしよう!相性の良い草花は?
マーガレットの栽培に慣れてきたら、寄せ植えをしてみませんか?
寄せ植えは華やかさがあり、小さなスペースでも楽しめる点が魅力です♪
マーガレットを寄せ植えにするときのポイントと、相性の良い草花について解説していきます。
マーガレットを寄せ植えにするときのポイント
マーガレットを寄せ植えにするときのポイントは3つあります。
- 寄せ植えする時期
- 鉢の選び方
- 生育環境の確認
マーガレットの寄せ植えを作る時期は3月頃が良いでしょう。
3月~6月頃を鑑賞期間として、マーガレットは夏前には寄せ植えからばらして単体で管理しましょう。
前述のとおり、高温多湿に弱いので、他の植物と一緒に植えられた状態だと生育環境として良くないためです。
マーガレットと同じ春の花と一緒に寄せ植えを作るのが良いですね♪
鉢のタイプは色々なものがあるので、寄せ植えでは鉢選びも楽しみの1つですね♪
主な鉢のタイプを素材別にご紹介します。
素材 | 特徴 | メリット | デメリット |
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素焼き |
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陶器 |
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プラスチック製 |
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ブリキ製 |
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木製 |
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自然素材のバスケット |
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マーガレットのナチュラルで可愛らしい印象には、素焼き鉢や木製鉢、バスケットなどが向いていますね♪
置く場所の広さや、背景との調和なども考慮して気に入った鉢を選んでみてください。
マーガレットが成長しやすい環境を確認し、同じような生育環境を好む植物と組み合わせることがポイントです。
【マーガレットの基本情報】
原産国 | スペイン |
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水やり | やや乾燥気味を好む |
日当たり | 日向を好む(夏は半日陰に移動する) |
暑さ | 弱い(高温多湿で枯れてしまう) |
寒さ | 弱い(寒冷地でなければ外で越冬が可能) |
植え付け | 3~5月 |
開花時期 | 3~6月、10~11月 |
水やりと日当たりは特に重要で、乾燥気味で日向を好む植物と一緒に植えるのがベストです!
マーガレットと相性の良い草花を紹介♪
マーガレットと相性の良い草花をいくつかピックアップしてご紹介します♪
色合いを合わせたり、高低差をつけたりしてあなただけの寄せ植えを作ってみてくださいね。
開花時期や生育環境が同じネメシアは、マーガレットとの寄せ植えにぴったり。
色もオレンジやピンク・淡いピンクなどがあり、マーガレットの花色に合わせて選ぶのも良いですね。
可愛くて優しいイメージなので、柔らかい雰囲気の春の寄せ植えになります。
主に2月~5月に開花するアネモネも、マーガレットと相性が良い花のひとつです。
花の色も白・赤・ピンク・青・紫など種類豊富で、はっきりした色もあるのでアクセントになりますね!
花に存在感があるので、マーガレットと共に寄せ植えのメインになります♪
アリッサムはかすみ草のように控えめで愛らしい花で、寄せ植えの引き立て役としてよく使われています。
乾燥に強く丈夫であるところが、マーガレットと似ています。
ピンク、白、紫、オレンジなどの花色があるので、好みの色を選んでみてくださいね♪
コリウスは葉を鑑賞する草花で、葉の色が美しく、寄せ植えに加えると一気に華やかになります。
丈夫で初心者でも育てやすい品種で、寄せ植えに使われているのをよく見かけますよね。
タイムはハーブですが、マーガレットと生育環境が似ているので、一緒に寄せ植えにするのもアリですよ!
小さな葉が、可愛らしいマーガレットの雰囲気に合いますね♪
ハーブは害虫よけにもなるので、一石二鳥です!
まとめ
- 木質化はマーガレットの特性であり、木質化させずに育てることはできない
- 切り戻しで木質化を遅らせ、挿し木で木質化したマーガレットから新たな株を増やすことができる
- マーガレットを夏越しさせるためには、半日陰で風通しの良い場所で育てることが重要
- マーガレットの育て方のポイントは、多湿を避け、夏に肥料を与えないことなどがある
- マーガレットの寄せ植えは①時期②鉢③生育環境に注意して作ると良い
- マーガレットと相性の良い草花には、ネメシアやコリウスなどがある
木質化は、マーガレットの特性であり、心配いらないことが分かりましたね。
切り戻しや挿し木を行って、木質化へ適切に対処していれば、毎年元気なマーガレットの開花が見られます♪
ぜひ、あなたの育てているマーガレットからも新しいマーガレットを増やして楽しんでみてください!