近頃、近所を散歩していると、窓ガラスに「養生テープ」を貼っているおうちをよく見かけるようになりました。
2019年に起きた「台風19号」をきっかけに、雨戸の代わりになるものとして「養生テープ」を窓へ「米」の字に貼ることが普及したためです。
今回調査したところ、「養生テープ」を貼っていない部分に飛来物があたると、窓が割れるなど、安全面に不安があることが分かりました。
雨戸本来の役割を考えると、「後付け」の雨戸や、雨戸の代わりになるものを検討した方がいい場合があります。
今回は、雨戸を後付けしたり雨戸の代わりになるものを取り付けたりする際の、おすすめ方法や値段を調査!
「方法と値段」は、自分で対策を施す場合と施工業者に頼む場合の、二通りをご紹介いたします!
目次
雨戸の代わりになるものは?内側と外側に施そう!
台風の影響で窓が割れると、ガラスの破片が部屋中に飛び散り、それらを踏んでケガをしてしまいます。
割れた窓から暴風が吹きこむと、屋根を押し上げ、気圧が急激にかかり屋根が飛んでしまうこともあります。
そして、家具や家電が倒れて故障したり、ケガをしたりするかもしれません。
いざ、台風や暴風などが近づいてくると、ホームセンター等から対策グッズが買い占められてしまうこともあります。
雨戸や雨戸の代わりになるもので、早め早めに対策しておきましょう。
今回は、雨戸の代わりになるものとして対策する方法を、3つ紹介していきたいと思います。
自分でできる方法なので、ぜひご覧ください。
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「飛散防止フィルム」で内側への飛散防止!おすすめ3選
巷では雨戸の代わりになるものとして、養生テープを直接窓ガラスに貼るといいように言われています。
しかし私が調べたところによると、養生テープはおすすめしません。
養生テープを使った実験動画を複数観た結論から言えるのは、「飛散防止フィルム」を使った方が、確実に飛散防止になるということです。
内閣府の「防災情報のページ」でも、窓ガラスの安全対策として、飛散防止フィルムを貼ることが推奨されています。
「養生テープ」とは書かれていません。
養生テープを買うより費用はかかります。しかし、より安心して過ごしたいので、私は飛散防止フィルムを選びます。
そんな私が選んだ「飛散防止フィルムおすすめ3選」を紹介していきますね♪
リンテックコマース株式会社「防災フィルム50」
柄名 | 品番 | サイズ(cm) |
クリアー50L | HGS-05L | 92×185 |
クリアー50M | HGS-05M | 92×90 |
クリアー50SL | HGS-05SL | 46×185 |
クリアー50S | HGS-05S | 46×90 |
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詳しい貼り方はリンテックコマース株式会社公式HP「透明ガラス用フィルムの貼り方」(PDF)を参照してください。
標準の窓のサイズにカット済みなので、サイズが合えば、自分で切る必要がないというのがいいですね。
KTJ「マジックミラーフィルム」
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マジックミラーになっていて、室内から貼ります。昼間は外から見ると鏡に映っているように見えます。
室内から見ると、紺色の透明で外観を損なわずに自然な視界を保ちます。
断熱効果もあり、飛散防止の他にプラスアルファがあるのが嬉しい商品ですね。
ニトムズ「ガラス飛散防止シートM6120」
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各社の飛散防止フィルムのレビューを見てみると、「簡単に貼れた」という人もいれば、「器用な人向けだ」という人もいました。
自分に貼れるかどうか、小さな窓で試してから大きい窓用を購入するといいかもしれませんね。
多くのレビューに共通しているのは、大きいガラスに貼る場合は、二人で貼ることをお勧めしていたことです。
YouTubeには、飛散防止フィルムの貼り方を紹介している動画が多数あり、それらで貼るときのイメージをしておくといいでしょう。
以下は、私が観て一番わかりやすいと思った動画です。
引用 YouTube
飛散防止フィルムを自分で貼る自信がない場合は、プロに貼ってもらう方法もあります。
あなたのおうちの近くで業者さんを探すときには、「くらしのマーケット」などを使うと便利です。 「くらしのマーケット」における施工の相場目安
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飛散防止フィルムなどは、貼る手間があるものの、貼った後は数年そのままにしておけるため、毎年対策を施す必要がないのもいいですね。
以下にある「飛散防止フィルムをガラスに貼ったとき」の実験動画が参考になります。
引用 YouTube
動画を見て危機感を持たれた人は、飛散防止フィルムでの対策を検討してみてはいかがでしょうか。
「ダンボール」で窓の内側へのガラス飛散を防ぐ
ガラスが割れたときの飛散防止対策に、ダンボールを窓の内側から貼ることも有効です。
ダンボールの貼り方 |
※ポイントはダンボールの上から「米」の字に養生テープを貼り補強すること |
貼るイメージとしては、こんな感じです。
ダンボールを貼るときには養生テープを使うと、剥がしたあとが残らないのでおすすめです。
※養生テープがなければ、布のガムテープなどおうちにあるもので大丈夫です。 |
「プラダン」は窓の外側で飛来物からガラスを守る
「プラダン」は、「プラスチックダンボール」または「プラベニヤ」とも言います。
耐水性があるので窓の外側に貼って、飛来物から窓ガラスを守るのに最適です。
厚みが2.5mmである程度の物に対応できるとありましたが、心配であれば5mmぐらいのものを使うといいでしょう。
プラダンの貼り方 |
※プラダンを窓枠内のガラスにぴったりサイズを合わせて、養生テープで隙間なく貼ることが大事 |
♦プラダンを大量に購入するにはネット販売が便利 |
プラダンは、Amazonでも販売されています。まとまった枚数を購入するのであれば、ネット販売を利用するのもいいでしょう。
プラダンを実店舗で買うのであれば、ホームセンターなどに行けば1枚から購入できます。
「カインズホーム」で90cm×180cm、厚さ2.5mmのプラダンが1枚178円(税込み)でした。
♦自分で窓ガラスの暴風対策をするときは、次の2通りの方法をおすすめします。
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飛散防止フィルムとダンボールを貼るのは、割れたガラスが部屋に散らばることを防ぐためです。
プラダンを外側に貼ることで、飛んできた物が窓ガラスを割るのを防ぎます。
外側に貼れる状況であれば、プラダンは貼っておくことをおすすめします。
飛散防止フィルム、ダンボール、プラダンではなくても、「ベニヤ板・ブルーシート・レジャーシート」を使うこともできます。
以上の情報を参考にして、あなたが手に入れやすいもので、しっかりと安全対策をしてください。
それでは、次に雨戸の代わりになるものを業者さんに頼む場合、どんなものがあるか紹介していきます。
雨戸を後付けする方法!もし後付けできなかったら?
気象庁によると、飛来物で窓ガラスが割れるときの、風速は20~25m/s以上とされています。
小石ほどの小さなものでも窓ガラスにヒビが入り、強風によって割れてしまうことがあります。
次の動画を観ると飛来物に、どのぐらいの威力があるかわかります。
あなたのおうち周りの状況によっては、同じようなことが起きる可能性があります。
引用 You Tube
こういったことが起きたら、自分で台風対策をしている程度では、防げないということがわかります。
では、どうしたらよいのでしょう?
思い切って、雨戸を後付けしたり、ガラスを強化ガラスに変えたりと、本格的な方法を考える必要があります。
雨戸やシャッターを後付けするときの選び方
雨戸やシャッターは、台風や暴風時には飛来物から窓ガラスを守ってくれ、その他に外の騒音を軽減させたり、日差しを遮ったりしてくれます。
雨戸の種類・特徴・選び方
■単板引き戸(横引き戸・引き違い戸) |
引用 リフォームおたすけDIY
昔ながらの日本家屋に使われているタイプです。
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以上の理由から、最近ではあまり使われなくなっていますが、価格が安いため後付けの費用を抑えたい方には適しています。
■通風雨戸(ルーバー雨戸・エコ雨戸) |
引用 リフォームおたすけDIY
雨戸の面にある細い羽板(ルーバー)を調整すれば、雨戸を閉めたままでも、風を通すことができます。
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戸袋の設置が不要なものや、ルーバーの角度が固定されているものなど様々な商品があります。
雨戸を取り付けた後の、自分の使い方を想像しながら選ぶといいでしょう。
シャッターの種類・特徴・選び方
窓用のシャッターは、開けると窓の上部にあるシャッターケースに収まり、省スペースで見た目もすっきりしています。
「電動」と「手動」とあり、デザインも何種類かあります。
「手動式」は、開閉を手でしなければなりませんが、本体の値段や設置費用が安いというメリットがあります。
一方、「電動式」は、スイッチやリモコンで開閉できますが、費用は高額です。
「電動式」には、複数のシャッターを同時に開閉できるものや、タイマーを利用できるものがあります。
停電などのように、万が一電気が使えない場合、手動で開閉できるものもあります。
■ブラインドタイプ |
ブラインドのように、羽の角度が調節できるシャッターです。
ブラインドタイプは、通風・採光を自由に調整でき、耐風圧性能があるものを選ぶといいでしょう。
■スリット(スラット)タイプ |
引用 YKKap
小さな「スリット(スラット)」と呼ばれる通気孔があるシャッターで、遮熱対策をしながらほど良い自然光や風通しの良さを確保できます。
できれば、耐風圧がある商品を選ぶことをおすすめします。
2kgの木材が、12.2m/sで衝突しても貫通しないという商品などもあります。
■クローズ(スクリーン)タイプ |
開閉可能な羽根や通気孔のスリットがまったくないタイプです。
クローズタイプは、遮光や目隠しをしたい方に適しています。
近年の大型台風を対象に開発されていて、耐風圧がとても高いものがあります。
雨戸が後付けできないときはガラスを変える
雨戸の後付けができない状況であれば、ガラス自体を変えるという方法が考えられます。
ある動画で、どの窓ガラスが飛来物に強いかという実験をした結果が下記の通りでした。
【とても効果的】 | 防犯ガラス (中グレード・最高グレード) |
【効果的】 | 強化ガラス |
【まあまあ効果的】 | 網入りガラス |
動画を観た感想としては、防犯ガラスは最強でしたが、強化ガラスでもかなり飛来物に対して対応できるように思いました。
防犯ガラスは、バールなどで叩かれてもちょっとやそっとでは、割ることができないほど強いです。
なので、飛来物が飛んできても威力を発揮するであろうことは、一目瞭然です。
ですので、防犯対策が必要な状況であるとか、紹介した動画のような危険な状況に置かれているとしたら検討していいと思います。
強化ガラスは、絶対に割れないということではないです。それでも、実験を見る限りでは、割れにくいということが確認できます。
強化ガラスは割れた場合にも、一般ガラスのように鋭利な破片にはならずに、細かい粒状になります。
事故現場などで、車のガラスが割れた際の破片を見たことがありますか?
割れた破片による負傷がないのは、強化ガラス最大のメリットと言えます。
強化ガラスは、一般のガラスに熱処理を施して、急激に冷却します。
一般的なガラスに比べて、約3.5倍~4倍の耐風圧強度を持つのが強化ガラスです。
実験で使われていた強化ガラスは、【日本板硝子株式会社】の「タフライト」という商品で、実際に会社のビルや病院などで使われています。
強化ガラスの中には、2枚以上の複層ガラスに、乾燥空気や質量の重いガスを封入した「強化複層ガラス」という機能ガラスがあります。
引用 YKKap
強化複層ガラスなども、台風対策に効果的であるという評価をしている専門家がいます。
おうちの立地場所から、予想できる飛来物はどの程度か観察して、どの方法で対処するかしっかり検討して安全を確保しましょう。
そこで気になるのが、施工費用です。業者さんを決める前に、数社に見積もりを頼んで比べることをおすすめします。
金額が安くはないため、慎重に決めたいですね。
雨戸やガラス本体の値段・施工費用の目安
雨戸は木製と金属製で値段もいろいろですし、シャッターも機能が複数あります。
ある業者さんのサイトに、「雨戸やシャッターを取り付けよう」ということで、紹介されていた費用の目安表がありました。
※大体の目安なので、この限りではありません。
引用 ミツモア
施工費用の相場
雨戸を後付けするときの施工工事費が30,000円~で、シャッターの場合は100,000円~相場となっていました。
引用 ミツモア
上記の値段は、「あくまでも参考までにとどめておいてください」とのコメントがありました。
雨戸本体の値段は、種類、サイズ、素材、性能などによってかなり違うようです。
またシャッター型の場合、「手動タイプか電動タイプ」か、「風を室内に取り込むか光を取り込むか」などの機能によって値段が変わります。
工事費用は、住宅の環境や足場費用によって変わるとありました。
雨戸の後付けを頼む業者さんを探すのに、「家仲間コム」などを利用してみましょう。
エリアから探せて、口コミがあるので参考になります。
引用 家仲間コム
防犯ガラスの交換費用や料金相場
ガラス交換にかかる費用は、出張料や見積もり料、作業費・交換費、ガラス本体の値段、副資材代金、既存ガラスの処分費、運搬代などです。
業者さんによって、出張料や見積もり料が無料のところもあれば、8,000円ぐらい取るところもあります。
防犯ガラス本体の値段は、サイズ、厚み、中間膜の種類、オプションなどにより変わりますが、1㎡あたり2~4万円前後。
諸々の費用を合わせると、1枚あたり約3~5万円はかかります。
強化ガラスの本体と交換にかかる値段相場
強化ガラス本体における値段の表です。
引用 ファインドプロ
強化ガラスの交換にかかる値段相場の表です。
引用 ファインドプロ
強化ガラスの交換費用は、強化ガラス本体の値段よりも1~2万円ほど高くなるようです。
♦窓リフォームに補助金が出る場合もあり
例えば、国が行っている「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」などがそうです。 断熱効果のあるガラスに飛散防止効果もある商品があるので、こういった制度を利用するのもありですね。 各自治体独自の制度もあるので、あなたのお住いの市区町村のHPを確認して、問い合わせてみることをおすすめします。 |
まとめ
- 窓の内側は、飛散防止フィルム・ダンボール・ブルーシート・レジャーシートなどを窓枠に養生テープで貼る
- 窓の外側は「プラダン」と「養生テープ」で対策をする
- おうちの周りの状況を観察して、本格的に業者に頼んだ方がいい場合もある
- 後付けの雨戸やシャッターを選ぶときは、耐風圧の高い商品を選ぶ
- 雨戸やシャッターが取り付けられない状況だったら、ガラスの交換を検討する
環境破壊の影響から、台風が大型している昨今、あなたやあなたの大事な家族を守るためにも、事前の災害対策をしましょう。
現代はテレビの他にインターネットなどの動画で、台風や暴風による被害状況を観ることができます。
それらを観て、どんなことが起こりうるか知ることができるので、意識して観るようにするといいですね。
この記事が、おうちの状況や予算に合わせて、安全・安心な台風や暴風対策をする一助になることを、心から願っています。