職場や学校、家でも常に持ち歩いているボールペン。いつでも取り出しやすいようにとポケットに入っていることもしばしば。
ところがペンの先が出しっぱなしだったり、キャップが取れたままだったりして、ワイシャツや制服、はたまたカバンにインクのシミが…!
しかも、私はこの前、ポケットにボールペンを入れたまま洗濯機を回してしまいました…!
せっかく洗濯したのに、逆にシミが出来ているなんて超ショック…!
早く染み抜きしなければと単純に水で慌てて洗おうとしてもなかなか取れません。
すぐにクリーニングに出してもいいんですが、ボールペンのシミは意外にちょこっとつくことが多いのです。
そんなとき、自分でも染み抜きができるなら、簡単で楽ですよね。
今回の記事ではボールペンの簡単な染み抜き方法についてご紹介します!
目次
ボールペンの染み抜きは簡単!まずはインクチェック!
さて、ボールペンのシミに限らず、染み抜きの前に知っておくべきことは、そのシミの種類と服の素材です。
シミの種類によって、相性の良い洗剤が違います。
また、服の素材によっては、手洗いができなかったり、漂白剤を使用できなかったりとお手入れ方法が変わります。
事前にきちんと確認しておくことで、効率良く簡単に、そして失敗のない染み抜きをすることができます。
ボールペンのインクの汚れの場合、インクの性質に合った染み抜きの方法があります。
まずはボールペンのインクの性質と種類を確認してみましょう。

そもそもボールペンのインクってなにで出来ているの?
ボールペンのインクの成分は、主に色素と溶剤。溶剤になにが使われているかで、油性になるか、水性になるかが決まります。
現在、一般的に使用されているボールペンインクは5種類に分類することができます。
- 油性インク…色素+油+樹脂
油性の溶剤は、水性の溶剤より乾きがとても早いです。耐水性にも優れているので、水に濡れてもにじみにくいという性質があります。
また、油性インクの定着剤がプラスチックやビニールに書いてもはがれにくい役割をしています。
現在、とても人気のあるボールペンであるジェットストリームがこの油性インク。
とっても書き心地が良くて、私もお気に入りの一本を持っています。ということは、油性インクの染み抜き方法は特に要チェック!
実はそれぞれのインクの中で、油性インクの染み抜きはかなり簡単!
油性インクは水洗いでは落ちないのですが、アルコールにはとても簡単に溶けます。
油分を溶かす洗剤やアルコール、あるいはクレンジングオイルなどを使って染み抜きができるのです。
- 水性インク…色素+水
油性インクのボールペンと比べて、さらさらとした軽い書き心地の水性インクです。
耐水性はなく、水に溶けるので、雨や汗といった水分で文字が滲みます。
インクの粘度が低く、すぐにペン先が乾いてしまうので、キャップ式のモデルが多いのが特徴。
水性の汚れというのは水に溶けやすいので、水と台所用洗剤を使って簡単に染み抜きしていきます。
ただし、水でにじんで広がってしまうため、生地に輪ジミを作りやすいインクです。
気をつけないと、シミの範囲が広がっちゃった!ということになりやすいです。
乾いてしまったら落ちにくいため、水性インクのシミは早めに対処するのが吉です。
- ゲルインク…色素+水+ゲル化剤
ゲルインクは油性と水性の両方のメリットを備えたインクタイプ。粘りがあり、水には溶けにくくにじみにくい性質をもっています。
インクの粒子がとても細かく、繊維の奥まで入ってしまうのがゲルインク。落とすのがかなり大変です。
ここまでが一般的な3種類のタイプ。実はその他にもいま流行のペンでインクのタイプが違うものがあります。
≪その他のインクについて≫
- エマルジョンインク
ゼブラ社が開発した独自のインク。油性インクと水性インクは7:3の割合で配合しています。
水性インクのような軽い書き心地で、水ににじみにくい耐水性のインクです。

ゲルインクと同じで、このインクも油性と水性のいいとこ取りで開発されたインクですね。
- フリクション
「消せるインク」であるフリクション。こちらがいまとても便利で流行っていますよね。
このインクは、摩擦熱によって65度以上の熱が加わると文字が消える仕組みになっています。
一瞬、特別なインクみたいだから、もしかしてフリクションはかなり落ちにくい…?と私も思っていましたが、ご安心を。
フリクションのインクは油性と一緒でアルコールで簡単に落ちるんです。
そして、熱を加えると消えるという特性を生かした染み抜き方法があります。

ちなみに、インクはどうやって見分ければいいの?
インクの種類が分かったところで、次は見分け方です。ここでは主に油性と水性の見分け方を確認しましょう。
- プラスチェック製品にペンで書く。
- こすったり、ティッシュで拭いたりしたときにインクが簡単に落ちるのは『水性』。しっかり書けてにじまないのが『油性』。
このように見分けていきます。
ボールペンの染み抜きは簡単!方法をマスターしよう!
それでは染み抜きをする前に、もう一度洗濯表示をチェックし、手洗いできるかどうか確認しましょう。
もしそれがお気に入りの服だったらなおさら確認が大切です。
染み抜きに失敗してしまって、あとから実は手洗いできないものだった…!とならないように注意しましょう。
以下の洗濯表示があったものは注意が必要です。
こちらのマークは手洗いができない、家庭では洗濯できない表示です。
こちらのマークが表示にある服は塩素系&酸素系漂白剤ともに使うことができません。
そして、基本的に色柄ものの染み抜きは自分で行わないのがベターです。無理せず迷わずクリーニングへ駆け込み、プロに任せましょう♪
ボールペンの染み抜き・油性インクのときは?
では早速、ボールペンの油性インクの染み抜きから!
ボールペンの油性インクの油分はアルコールに溶けやすいため、以下のアイテムが染み抜き剤で使えます。
≪染み抜き剤として使用するもの≫
- 消毒液
- アルコール
- 除光液
- 消毒用エタノール
- クレンジングオイル

意外に家庭にあるもので、なんでも染み抜き剤として使えるんですね。
≪その他準備するもの≫
タオル、歯ブラシ、固形石けん
≪アルコールを使った染み抜きステップ≫
- 服を裏返し、あとで溶けた油性インクが裏に移らないように、タオルで当て布をする。
- シミの裏側からアルコールをかけてなじませる。
- インクが浮き上がるので、歯ブラシでたたいてタオルに移していく。
- 汚れ落ちを確認。
- 固形石けんでこする。
- すすぐ。
- 通常通り洗濯機へ。
このとき、ボールペンの油性インクをこすりすぎるとシミが広がるので注意しましょう。
歯ブラシで細かく叩きながら、繊維から汚れを出すようにするのがポイントです。
ボールペンの染み抜き・水性インクのときは?
次に、ボールペンの水性インクのときの染み抜きです。
油性インクに比べて耐水性はなく、水がつくとじわっと文字がにじんでしまう水性インク。

油性が油分に溶けるんだったら、水性は水に溶けるんだよね。ボールペンの水性インクの染み抜きは簡単そうだけど…?
そう、実は油性インクよりも簡単と思いきや、水性インクは生地の繊維の奥に入ってしまうのでちょっとやっかい。
服のほとんどが綿や麻などの植物繊維や化学繊維なので、染み抜きには相性の良い弱アルカリ性、または中性洗剤がベスト。
≪染み抜き剤として使用するもの≫
- 台所用中性洗剤
- 洗濯用弱アルカリ性洗剤
≪その他準備するもの≫
タオル、歯ブラシ、固形石けん
≪染み抜きステップ≫
- 服を裏返し、あとでボールペンの水性インクが溶けて裏に移らないようにタオルを当てる。
- シミの裏側から台所用洗剤をかけてなじませる。
- インクが浮き上がるので、歯ブラシでたたいてタオルに移していく。
- 汚れ落ちを確認。
- 固形石けんでこする。
- すすぐ。
- 通常通り洗濯機へ。
水性インクのシミはなかなか頑固なので、一度の洗濯で落とせなかったときは、何度か同じ工程を繰り返してみてくださいね。
だんだんと薄くなっていきますよ。

台所用洗剤が使えるなら、水性インクも意外と簡単で安心しました♪
ボールペンの染み抜き・ゲルインクのときは?
耐水性、書き心地もふつうの水性ペンより性能がアップしているボールペンのゲルインク。
色素がゲル化剤で小さく細かい粒子になってしまっているので、汚れとしては水性インクより頑固です。
けれども、ゲルインクだって諦めなくて大丈夫!他のボールペンのインクと同じように染み抜きは可能です。
≪染み抜き剤として使用するもの≫
- 歯磨き粉
- 洗濯用弱アルカリ性洗剤
≪その他準備するもの≫
歯ブラシ、固形石けん、タオル
≪染み抜きステップ≫
- 服を裏返し、あとでボールペンのゲルインクが溶けて裏に移らないようにタオルを当てる。
- ゲルインクのシミの汚れに歯磨き粉をつける。
- 歯ブラシで少し叩くようにする。歯磨き粉に含まれている研磨剤によってゲルインクの細かいインクを落としていく。
- 洗濯用弱アルカリ性をつけてシミのあった部分に垂らして歯ブラシでトントンたたく。
- 汚れ落ちを確認。
- 固形石けんでこする。
- すすぐ。
- 通常通り洗濯機へ。

歯磨き粉が染み抜きに使えるんですね。簡単にできそう!
ボールペンの染み抜き・エマルジョンインクのときは?
油性インクとゲルインクを混ぜてつくられたエマルジョンボールペンのインク。染み抜きは、油性とゲルの両方の方法をやっていきます。
≪染み抜きステップ≫
- 服を裏返し、あとでインクが溶けて裏に移らないようにタオルを当てる。
- インクのシミがついてしまった表面に歯磨き粉をつける。
- 歯ブラシでとんとんと叩く。歯磨き粉に含まれている研磨剤によって細かいインクを落としていく。
- 洗濯用弱アルカリ性をシミの汚れの部分に適量つけて、歯ブラシでトントンたたく。
- 汚れ落ちを確認。
- 固形石けんでこする。
- 水ですすぎ、一度乾燥させる。
- 再び、シミの部分に裏から当て布をして、アルコールやエタノールを垂らし、インクの汚れを当て布に移し取る。
- インクが溶け出さなくなったら、通常通り洗濯機へ。
これを繰り返し試してみてください。

エマルジョンのインクのシミは、まずゲルインクを取り除く過程と、次に油性インクを取り除く過程をやっていくんですね。

なるほど!ボールペンのシミに限らず、汚れの種類を知っておくと、どんなシミでも染み抜き方法を組み合わせて応用できそうです。
ボールペンの染み抜き方法・フリクションの場合
消せるボールペン、フリクション。フリクションの染み抜き方法にはアイロンです。
フリクションのインクは65度以上の熱が与えられることによって色が消える性質をもっています。
その性質を生かし、シミがついた箇所にアイロンをかけたり、熱湯をかけたりするとあっという間に消えていきます。

フリクションの染み抜き、とっても簡単でびっくりです!
また、このアイロンや熱湯を使った方法は、フリクション以外のボールペンの染み抜きにも活用できます。
各工程の合間にアイロンのスチームで蒸気を当てたり、60度くらいのお湯をかけたりして熱を加えると、染み抜き効果はアップするんです!
ボールペンのシミ以外でも、頑固なシミのときはやってみるといいかもしれません。
ボールペンの染み抜き方法の応急処置編

オフィスや学校で使うボールペン。やっぱり外出先でシャツにつけてしまうことも多いです。応急処置はどうしたらいいの?
では、外出先での染み抜きの応急処置の方法についてご紹介します。
- 油性インクの場合
ボールペンのインクで汚れた部分をつまむようにしてハンカチを当て、汚れを浮かせておきます。
大切なことは慌ててこすらないこと。服の繊維に汚れが染み込んでしまい、落ちにくくなってしまいます。
帰宅後にしっかり染み抜きをしましょう。
- 水性インクの場合
インクで汚れた部分の服の裏にティッシュを当てましょう。
そして、濡らしてしっかり絞ったハンカチを当て、上からたたいていきます。
適度にハンカチを濡らして絞る作業を繰り返し、できるだけインクを浮かしておきます。帰宅したら素早く染み抜きをしましょう。
水性やゲルインクのインクの汚れは乾くまでが勝負…!
すぐに歯磨き粉を含ませた歯ブラシでたたいて定着を防ぐこともひとつの方法です。
油性は乾きにくいので慌てなくてもその日のうちの対処で大丈夫ですよ。
また、応急処置のその他の方法として、市販の携帯用シミ取り剤を持ち歩くという方法もあります。
ひとつ持ち歩いているとかなり便利!ぜひ検索してみてください♪
ボールペンの染み抜きは時間がたったらどうなる!?

いままでボールペンのシミは気がついたら数日経ってて、こすっても取れなくて諦めてました。でも、時間がたったり、なかなか汚れが取れなかったりするときの染み抜きの方法はあるの?
そうなんです。ボールペンのインクの汚れって、小さくて分かりにくいんです。
私も気がついたときには数日経ってる、ってこともありました。
そんな時間がたったインクの汚れも染み抜きできるのか、気になりますよね。
でも大丈夫!時間がたったり、頑固でなかなか汚れが取れなかったりしても染み抜きの方法はあります!
≪染み抜き剤として使用するもの≫
- セスキ炭酸ソーダ
- 酸素系漂白剤
- アルコールor消毒用エタノールor除光液
≪その他準備するもの≫
歯ブラシ、タオル、固形石けん
≪染み抜きステップ≫
- セスキ炭酸ソーダと酸素系漂白剤を1:1の割合で混ぜてペースト状になったものを、シミの汚れ部分に付ける。
- 服の裏に当て布をし、歯ブラシで軽く叩きながら、タオルに汚れを移していく。
- 通常通り、洗濯機へ。
- 3までで汚れが取れていなければ、もう一度当て布をし、アルコールや除光液をかけてトントンと叩き洗いをする。
- 固形石けんでこすり、すすいで洗い流す。
- 通常通り洗濯機へ。
酸素系漂白剤には、染み抜きの洗浄効果だけでなく、漂白による黄ばみ予防や除菌効果もあります。
普段のお洗濯に酸素系漂白剤をプラスすることで、汚れ防止になり、汚れても落としやすくなるのでおすすめです♪
その他、染み抜きの人気アイテムがあるので紹介します!
ボールペンの染み抜きをオキシクリーンで
こちらは超万能アイテムであるオキシクリーン。
衣服のシミ・汚れはもちろん、キッチンやお風呂場など家の掃除のときにも大活躍の酸素系漂白剤です。
このオキシクリーンとお湯で染み抜きすることができます。
≪準備するもの≫
- オキシクリーン
- 大きめのたらいor器、お湯、混ぜる棒、ゴム手袋、タオル
≪染み抜きステップ≫
-
お湯とオキシクリーンを混ぜ、オキシクリーンの溶液をつくります。
-
溶液をシミの部分にかけ、もみ込みます
-
5分程置いたあと、通常の洗濯をします
引用 株式会社グラフィコ
また、つけ置き洗いの場合は、ボールペンのインクで汚れた服をオキシクリーンを溶かしたお湯に入れて、1時間程放置。
1時間後にチェックして染み抜きできていないときは再度つけ置きします。
その後、通常通り洗濯へ。このとき、オキシクリーンを使用して消臭や除菌も済むので、洗剤の使用はいりません。
すすぎと脱水のみで、乾かせば完了です♪

オキシクリーン、有名ですよね。染み抜きだけじゃなくて、洗濯にも掃除にもマルチに使えるって聞いたので、今度チェックしてみようかな。
ボールペンの染み抜きをウタマロシリーズの洗剤で
引用 株式会社東邦
油性と水性のインクの染み抜きであればウタマロ石けんやウタマロリキッドもおすすめ!
引用 株式会社東邦
頑固な汚れも簡単に落とすのに、手肌にも服の生地にも優しい超マルチアイテムです。
ウタマロ石けんの場合はシミで汚れた部分に石けんをこすりつけます。ウタマロリキッドの場合は原液を適量なじませます。
あとはどちらも汚れを広げないようにもみ洗いするだけ。最後にすすいで、通常通り洗濯機します。
特にウタマロリキッドは中性&無けい光の洗剤なので、色柄物やおしゃれ着にも使えてとっても便利!
こちらの関連記事もぜひ参考にしてください。
ウタマロリキッドの使い方!ほとんどの汚れをお洗濯の落とす救世主!?
まとめ
- ボールペンのインクの種類は油性、水性、ゲルインクなど5種類。
- インクの種類によって、相性の良い洗剤が違う。
- 油性インクは油で溶けるのでアルコール、クレンジングオイル、除光液などで染み抜きができる。
- 水性インクの染み抜きは台所用洗剤&洗濯用弱アルカリ性洗剤で。
- ゲルインクの染み抜きは歯ミガキ粉と洗濯用弱アルカリ性洗剤で。
- フリクションは65度以上の熱を加えるとインクが消えるので、その特性を生かし、アイロンで染み抜きができる。
- ボールペンのインクは時間が経てば経つほど取れにくいので、気づいたときの応急処置が大切。
- 時間がたったインクの汚れには、セスキ炭酸ソーダと酸素系漂白剤が効果的。
- その他染み抜きの人気アイテムとして、オキシクリーンやウタマロシリーズもおすすめ。
いかがでしたか?
これで、ボールペンのインクがいつシャツについてしまっても、慌てず簡単に染み抜きできます。
気持ちのいい真っ白なシャツで、今日も一日過ごしましょう!