地震、台風、洪水…あなたはもしもの時に備えて、防災グッズの準備をしていますか?
昔必要だと思われていたものが、今では被災者の体験をもとに、いらなかったものと判断されている場合もあります。
あなたの知っている防災情報は古くなっていませんか?
この記事では、防災グッズのいらなかったものをランキング形式で紹介しています。
本記事を読めば、いらなかったものを準備することなく、本当に必要な防災グッズを備えておくことができますよ!
1つ注意してほしいのは、いらなかったものランキングに載っていたとしても、あくまで優先順位が低いものであるということです。
ランキングをそのまま受けるのではなく、個人の状況や季節、家族構成によってあなたが本当に必要なものを備えておくようにしてくださいね。
目次
防災グッズでいらなかったものランキングを発表!
知らなければ防災グッズとして用意していた可能性が高いものを選び、ランキングにまとめました。
この考え方には注意が必要です!
ランキングのうちの半分の防災グッズは、アウトドアの時に使われるものですよ!
1位!回す音がうるさい手回しラジオ
スマホの充電が切れてしまった時、情報源として鍵を握るのがラジオです。
しかもそのラジオが手回しで発電させて使うものなら、電池の心配がいらないので用意したくなりますよね。
今では、ラジオ機能に加えてLEDライトや充電機能、サイレンなどが搭載されているものがほとんどです。
そして、機能を使うための充電方法も手回し充電、ソーラー充電、USB充電、それに乾電池と状況により選択できるようになっていました。
しかし、実際に使用した人からはこんな声が聞こえています。
そして、手で回して発電できる電力はごくわずかなものです。
下の表は、1分間手回しでハンドルを回したときのラジオ使用可能時間です。
LEDライトやスマホ通話の使用可能時間も一緒に見てみましょう。
ラジオ | LEDライト | スマホ通話 | |
---|---|---|---|
A社 | 5~8分 | 10~15分 | 1分10秒 |
B社 | 20~30分 | 10~15分 | 30秒 |
C社 | 5~7分 | 10分 | 1分 |
スマホについては、個々のバッテリー状態などにより使用時間が大幅に変わってくるため、表の使用可能時間よりも短くなる可能性があります。
手回しでの発電はあくまで最終手段だと考えた方がよいでしょう。
さらに機種により、次のようなことも心配しなくてはなりません。
- 数か月に1回程度、動作点検の必要がある
- 発電に適したハンドルの回転速度がある
- スマホ充電は機種によってできないものがある
- 充電しながらスマホを使用することはできない
- スマホの充電は手回しでしかできない
少し古いものだとニッケル水素充電池が使用されており、使わないまま保管しておくとバッテリーの寿命が短くなっていることもあります。
回しても回しても全然充電されない、なんて事態も起こりえます。
オススメなのは、乾電池で使用可能な多機能ラジオです。
一見よさそうなソーラー充電は天気の良し悪しや充電中の盗難、USB充電は停電やコンセント不足といったデメリットが考えられるのです。
機種により、乾電池の使用本数は異なりますが、連続使用可能時間はこちらです。
ラジオ | LEDライト | スマホ通話 | |
---|---|---|---|
A社 | 120~160時間 | 65時間 | 50分 |
B社 | 40時間 | 19時間 | 20分 |
C社 | 15~18時間 | 10~12時間 | ー |
もはや時間の桁数が違いますね!
手回しラジオは回す時の音もうるさく、発電量も微量であることから必要性が低かったのですね。
手回しハンドルを回し続ける1分と乾電池を入れる1分、あなたはどちらの1分を選びますか?
防災グッズには、乾電池も備蓄品に入れておくこともお忘れなく!
2位!1枚の大きさが決まっているティッシュ
ティッシュはあれば何かと役に立ちそうですが、ランキングに入れました。
ティッシュよりも汎用性の高いトイレットペーパーを準備しておいた方がいい、という声が多くあったのです。
トイレットペーパーだと必要な分が切り出しやすく、無駄遣いを減らすことができます。
かさばるのがちょっと気になりますが、芯を抜いてつぶせば持ち運びしやすくなります。
ジップロックなどに入れておけば、濡れても大丈夫ですね!
もし関東から中部地方を震源地とした地震が起きた場合、全国的なトイレットペーパー不足になると言われています。
静岡県が40%ものトイレットペーパー生産率を誇っていて、静岡県が被災すると生産できなくなってしまうからです。
被災しなくてもトイレットペーパーに困ることがあるかもしれませんね。
トイレットペーパーはティッシュの代用品になりますが、逆はできません。
トイレットペーパーの代わりにティッシュをトイレに流すと、繊維構造の違いから水に溶けずに詰まってしまうのです。
これらのことから考えても、ティッシュよりもトイレットペーパーの準備をオススメします!
この他にも有益な情報を発信している警視庁警備部災害対策課のTwitterがあります。
あなたも参考にしてみてくださいね!
トイレットペーパーは、通常外側から使いますが、芯を抜き真ん中から引き出して使うこともできます。そうすると、バッグ等に入れたままコンパクトに使えるので外出等にも便利です。我が家では、避難先のトイレ等で困らないよう非常用持出袋に入れています!身近にこんな「なるほど」がありました。☺ pic.twitter.com/soP0WKmiy5
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) July 20, 2022
引用 Twitter
3位!安全性が低く支援の邪魔になるテント
学校の体育館などでの避難生活を思い浮かべると、テントがあればプライバシーが保てるので用意したくなりますね。
避難所や自宅避難ができなかったほとんどの人が車中泊で、実際にテントを使うときはほぼないためいらなかったものランキングに入れました。
避難所でのテント生活がオススメできない理由は2つあります。
避難所では、盗難や性被害を防ぐため協力し合い夜警をするようになります。
大勢集まっている避難所でも警備をする必要が出てくるので、テント生活がどれだけ物騒か簡単に想像できますね。
また、がれきが散らかり何が落ちているか分からない地面に設置をするのも、現実的ではありません。
では、避難所である小中学校の運動場などの広場にテントが建てられれば、防犯上も安心できていいのではと思いますよね。
避難所には、たくさんの生活必需品が運び込まれるトラックを停める場所が必要です。
私たちも、できるだけスペースを占領したくありませんよね。
炊き出しをしたり、自衛隊の皆さんがお風呂や洗濯設備を整えたりする場所も広場です。
4位!危険な物質をろ過できない携帯浄水器
テレビで人気の無人島生活などでも、水の確保は最優先事項ですよね。
川の水などをろ過して飲むことができれば、たくさんの水をストックする必要もなく、水についての心配事が一気に解消されます。
「自衛隊でも携帯浄水器を使用している」というフレーズも目にし、期待は高まるばかりです。
浄水器にはフィルターを通して、ウィルスなどを99%除去できるものなどがありましたが、注目すべきは小さく書いてある注意書きの部分です。
塩分や化学物質、放射性物質など、水中に溶解している物質はろ過できないとのことでした。
塩分がろ過できないということは、残念ながら海水を飲み水に変えることはできませんね。
そして葉っぱの色が染みだした川の水も、透明な水には変わりません。
何でもかんでもろ過してくれるわけではないので、水の知識が必要になり一気にハードルが上がります。
もし飲み水に適さない場合は、生活用水として洗濯などに使いましょう!
5位!いざという時持ち出せない大容量の水
いらなかったものランキング5アイテムのうちの2つが水関連のものになりました。
それだけ関心が高く、さまざまな方法で水を確保しようとしたことがうかがえます。
大容量の水はいらなかったとの声が多く、要因は持ち運びに適していないことでした。
普段ウォーターサーバーを利用している人は、ストックこそバッチリですが、持って避難するなんてもってのほか!
一般的なボトルだと12リットル、つまり12キロのものを持って避難…!?
間違っても現実的とは言えません。
2リットルのペットボトルでも十分重くて、片手では扱いにくいため、必要以上に水を使いすぎてしまう場合もあります。
特に力のない女性や子ども、高齢者の方は片手で2リットルのペットボトルからチョロチョロと少しずつ水を注ぐというのは、至難の業ですよね。
500ミリリットルのペットボトルなど、扱いやすい大きさの入れ物に移し替えてから使うのがベストです。
番外編!素人が正しく扱えないナイフやロープ
防災グッズといったらサバイバルに似ているということで、ナイフやロープを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
ナイフやロープは、使い慣れている人が備えるにはいいのですが、素人が扱っても正しく機能しないという意見が多かったです。
ナイフは必要以上に持ち歩くと、銃刀法違反で法律にひっかかってしまいます。
ロープを使って2階から地面に降りるなどの場面を想定していたかもしれませんが、素人の結び方ではほどけてしまう危険があります。
ナイフよりもカッター、ロープよりもガムテープがオススメです。
防災グッズでいらなかったものにヘルメットという意見
ひと昔前には、防災グッズセットの中に必ずヘルメットが入っていましたが、最近ではほとんど見かけなくなりました。
ヘルメットについて考えてみましょう。
ヘルメットの必要性は低く準備しなくてもよい
結論から言うと、ヘルメットは準備する必要性は低いです。
多くの人にいらなかったものだというだけで、絶対に必要ないという意味ではありません。
防災グッズとして持ち運ぶにはかなりかさばり、人数が多い家族だと保管場所にも困りますね。
自転車用のヘルメットなどは代用品であって、防災用のヘルメットは国家検定に合格し「保護帽」と言われているものに限ります。
防災グッズとしてのヘルメットの役目は、次のとおりです。
- 落下物・飛来物から頭を守る
- 転んだ時にがれきから頭を守る
- 手を使わず頭を守ることができる
実際に自宅の片付け作業などでも、ヘルメットしている人はほとんどいなかったそうです。
「絶対に必要!」ではなく「あったらいいな」と思うものは山ほどあります。
あったらよかったものは、いらなかったものになりやすいですよね。
世の中に出回っているたくさんの防災グッズの中から、本当に必要なものを選んであなたオリジナルの防災グッズセットを作ってほしいです。
ヘルメットはクッションやカバンで代用可
頭を守るには最適のヘルメットですが、身の回りの物で一時的に代用することなら可能です!
家の中にいて、地震発生時にとっさに頭を守るときは毛布やクッションがよいでしょう。
避難所へ移動する時に持って行くと、両手が塞がるので危ないですが、避難所生活で寝る環境を整うのに使えます。
外出中はとっさに頭を守るものとして、その時手にしているカバンを使うのがよいでしょう。
防災グッズでいらなかったものを地震の前に見直して!
「あったらいいな」を省いていくことが、いらなかったものを出さない備えになります。
ライフラインが復旧する目処と、本当に必要な防災グッズを考えていきましょう。
ライフラインがおおよそ復旧した日数
過去の東日本大震災と阪神淡路大震災といった大きな地震の災害時に、ライフラインの9割が復旧した日数はこちらです。
引用 日本気象協会
電気の復旧が最も早く、1週間以内には電灯や電子レンジが使えるようになっていました。
電気に続いて水道、ガスの順に復旧します。
電気は早めに使えることも念頭に置いて、IHクッキングヒーターや電気ポットなどの必要な防災グッズを考えるとよいかもしれません。
これだけあれば大丈夫!絶対外せないグッズ!
地震発生から72時間経つと生存確率が大幅に下がってしまうので、その間自衛隊は優先的に人命救助活動を行います。
食事や支援物資が届くのは人命救助の後になり、地震発生から3日間は自力で生き延びなければなりません。
先人が言ういらなかったものを入れている場合ではありません。
被災した人が絶対に必要になる防災グッズを順に追って見ていきましょう!
人間の体の60%は水分でできており、水を飲まないと体内の水分が蒸発してしまい、72時間で死に至ると言われています。
いらなかったものランキングに入っていましたが、大容量でも少量でも飲み水は必ず備蓄するようにしましょう!
避難所で生活をする人は、湧き水をひいてくるなどして安定した水を得られるよう、みんなで知恵を出し合い水を確保します。
しかし、自宅が倒壊していなければプライバシーが確保できるので、自宅避難になる方が圧倒的に人数が多いですよね。
その時に困るのが情報の少なさで、情報が少ないとどこに飲める水があるのか分かりません。
湧き水をひいてくるなど、安定した水の供給場所があってもそれを知る由はありません。
少なくとも1人3リットルを人数分、3日分の家族分の飲み水を必ず備蓄しておくようにしましょう。
調理や保冷ができないので、保存期間が長く、開けたらすぐに食べられるものを用意します。
水やお湯を入れるだけで食べられるアルファ米や手軽な缶詰がよいでしょう。
備蓄をするときに気にしたいのが栄養面です。
ご飯やパンなどの炭水化物は比較的得やすい傾向にあります。
しかし、腐りやすい肉魚や野菜に含まれるたんぱく質やビタミン、食物繊維は手に入れにくくなります。
缶詰にはいろいろな種類があるので、普段から時々食べて味に慣れておくと災害時のストレス軽減につながりますよ!
海鮮なら、ツナ缶やサバ缶がありますね!
お肉ならスパムや焼き鳥、野菜はコーンやアスパラガスをよく見かけます。
フルーツだとパイナップルや黄桃もあり、変わり種を見てみるとたこ焼きやおでん、なんて缶詰もあります。
好きなお菓子も入れておき、少しでも楽しい時間を過ごしたいものですね。
地震などで被害があり、水や食糧の確保と同時に考えなければいけないのがトイレ問題です。
水が流れるからといって、気にせずに使用するのは大変危険です。
もし地中のトイレの排水管が地震で壊れてしまっていたら、行き場をなくした排泄物は元の場所に戻ってきます。
マンションの場合は、下層階のトイレに逆流してくるようですね。
絶対にやめてほしい事例です。
トイレが流れないからといって排泄を我慢するのも、してはいけないことです。
我慢することによって血中濃度が上がり、エコノミー症候群になる恐れがあります。
また排泄物を流せずにトイレの衛生状態が悪いままでいると、ウイルスが発生するなどして災害関連死にもつながってきます。
数多くの深刻な心配をしなくても済むよう、簡易トイレの準備は必ずしておくようにしてください。
水や食糧と違って待てないものなので必須です!
いろいろなタイプのものが販売されていますが、購入する時に確認してほしいのは次の点です。
- 座れるタイプである
- 袋がやぶれにくく、中が見えない素材でできている
- 凝固剤に防菌・防臭効果がある
安いものだと長期間の使用は難しい場合があります。
思っているよりもデリケートで、真剣に考えないといけないトイレ対策。
今一度、しっかり対策を考えてみてください。
被災した場合、親戚や友人から安否確認の連絡がたくさん来るでしょう。
同時に被害の大きさなど知っておきたい情報は山ほどあります。
モバイルバッテリーには大容量のものもあり、状態がよければ1週間分のバッテリーを蓄えておくことができるようです。
スマホは低電力モードなどで消費するバッテリーもできるだけ少なくしましょう。
またスマホ関連で、あなたに知っておいてほしい情報があります。
災害時には無料で使えるwi-fiがあります。
00000JAPAN(ゼロファイブジャパン)といい、総務省が解放する無料無線LANです。
パスワードは不要で、wi-fi設定の画面から00000JAPANの接続先を選ぶだけで使用することができます。
また安否確認連絡でパンクしつつあるインターネット環境をスムーズにする目的もあります。
ただセキュリティーは万全ではないので、買い物などをしないようにしてください。
本当に困っている人のために譲り合って使いたいですね。
冬は日が暮れるのも早く、暗い中で生活する時間が長くなります。
家で生活する時に懐中電灯は必要ですが、大きな余震があるたびに夜でも避難しなければいけない場合もあります。
家族が多い場合は複数個の懐中電灯を用意しましょう。
またローソクは使わないようにしてください。
余震でローソクが倒れたら火事になり、水もないので取り返しがつかないことになりかねません。
防災グッズとして水と食糧があれば、ひとまずは安心かと思いきや、下着などの衛生品が欲しくなってきます。
こんな体験談もありました。
替えの下着を準備するのがベストですが、おりものシートを使用すればある程度衛生的に保つことができます。
女性の方は、生理用ナプキンと合わせて一緒に用意しておいてくださいね。
水がないので歯磨きもするのもためらうようになります。
できるだけ水を節約するという意図で、マウスウォッシュを準備しておくことをオススメします。
マウスウォッシュを口に含んだまま歯ブラシで歯を磨いて、そのまま吐き出せばスッキリ!
清潔な口腔環境を保てますよ。
調理をしようと思うと、まず電気が復旧するまで1週間は待たなくてはいけません。
数字で捉えると1週間は大したことないように感じますが、1日3食で1週間に21回食事をする計算になりますよね。
電気もガスもない状態で21回分の食事を家族分用意するとなると、食糧を調達するのがとても大変です。
冬だったら温かいものを口にしたくなるでしょう。
慣れない環境と慣れない食事で、人は想像以上にストレスを感じています。
普段と同じような温かい食事をとって、ホッとする瞬間を作るためにもカセットコンロの準備はしておいてください。
災害時には、クレジットカードや電子マネーでの支払いができなくなる可能性があります。
目の前に自動販売機があるのに、飲み物が手に入らないようなことは避けたいところです。
避難生活が長くなればなるほど、現金を使う機会は増えていきます。
防災グッズの中に、現金は必ず用意しておくようにしましょう!
スマホの充電で頭がいっぱいの台風被災体験
私にも小さな被災体験があります。
台風で隣の市に甚大な被害があり、私の住む地域はライフラインが丸2日間途絶えました。
まず経験を通して気付いたことは、ライフラインの復旧には優先順位があったことです。
私が住んでいる地域は、周りに比べ復旧が遅かったです。
復旧が優先される地域は、最初に病院や市役所など重要施設周辺、そしてスーパー周辺、最後に私が住んでいる地域である住宅街でした。
当時の日記をもとに、その時感じたことや周りの様子などをお伝えします。
その日は1日台風で、そろそろ寝ようと思った夜11時30分頃から停電になりました。
夜も遅かったので、停電になったことに不自由もなく、明日になったら復旧しているだろう、と気楽に構えてその日は就寝しました。
ただこの時点でスマホの充電は満タンではなく、そのことは気がかりでした。
朝起きても停電が復旧していることはなく、人生で初めて丸1日停電を体験した日となりました。
水道も電気で供給するタイプだったようで、わずかにチョロチョロ出ていましたが、それも次第に出なくなりました。
水については、箱買いしてあるペットボトルがあったのと、10月で暑い気候ではなかったので困ることはありませんでした。
朝から防災無線が鳴り、市内の小中学校や幼稚園が休校になったことを知らせました。
この日の食事は冷蔵・冷凍庫にあるものを消費しなくてはと、保存のきかない物から食べました。
解凍すればそのまま食べられるお弁当用の冷凍食品や炊飯ジャーに残っていたご飯、ヨーグルト、パンなどを食べて過ごしました。
ガスは使えましたが、調理器具を洗う水がないことを思うと使う気がしませんでした。
今ならビニール袋などを使った、洗い物を出さない調理法も分かるのですが、知識がないことで余計な苦労を生み出していました。
スマホの充電はみるみる減っていき、連絡が来るたび冷や冷やしながら使っていました。
それでも情報源がなくなってしまうので、極力電源を落としたくありませんでした。
夫がモバイルバッテリーを買ってきてくれたのですが端子が合わず。
友人からの情報をもとに近くの携帯ショップで少しだけ充電させてもらいました。
時間が経つにつれて心配事は増えていき、トイレ問題が出てきました。
我が家のトイレはタンク式の節水型だったのと、お風呂のお湯が残っている状態だったため、かなり救われました。
バケツの水などでトイレを流すと、水の量が少なくて詰まってしまう、という情報を聞いたことがあったので、残り湯はタンクへ入れていました。
トイレの水を流すのは3回に1回程度か、大便をした時でした。
あとから聞いた話では、トイレがタンクレスだった家庭はもっと大変だったようです。
夜になり、懐中電灯を使うのはみんなで集まる時だけでした。
電池もできるだけ節約したかったので、子どもたちに夏祭りでもらったライトを持ってきてもらいました。
キラキラと回りながらいろいろな色に光り、キャラクターの声が響きます。
「電気くださーい」と言うと「はーい」と返事とともに、派手なライトを持った賑やかな子どもが寄ってきてくれるのでした。
子どもたちが暗闇を怖がったりせず、あとから聞いても「あの時は楽しかった!」と言ってくれていたのが救いでした。
この日はお風呂に入らず就寝しました。
市内では電気が復旧した地域とそうでない地域があり、復旧した地域が本当にうらやましかったです。
およそ半分くらいの家庭で電気も水道も復旧したようで、小学校が再開しました。
給食が作れないためお弁当のおかずのみを持ってくるように言われ、「無茶苦茶言うなぁ」と思った記憶があります。
まだ大丈夫だった冷凍食品とミニトマトを入れ、スカスカのお弁当箱を持たせたと思います。
同様に幼稚園も再開し、何事もなかったかのように末っ子の幼稚園の運動会が行われました。
絶対に延期すると思っていたので、開催することに驚きましたし、ビデオの充電など準備がまったくできていませんでした。
運動会が始まる前に、慌てて友人の家でビデオを充電させてもらいました。
前日にお風呂に入れていない父母も半数ぐらいいたと思います。
お昼は復旧の早かった家の友人がおにぎりを届けてくれたので、ありがたくそれを食べました。
夜になり、いよいよ食べるものがなくなりました。
今思えば、水も多少余裕がありお米もあったので、ガスでご飯を炊けばよかったのですが、当時は思いつきませんでした。
復旧したスーパーへ買いに行ったのですが、調理せずに食べられるものはすべて売り切れでした。
近くのコンビニを巡り、やっとの思いで手に入れたその日の夜ご飯はパンでした。
友人が「お風呂に入りに来て!」と言ってくれていたのですが申し訳なくて、市の温水プールがある施設のお風呂に入りに行きました。
自宅の電気はまだ点かなかったため、施設の休憩所でパンを食べてから帰りました。
1日を通して、スマホには次々に「電気が復旧した!」「私のところも!」の連絡があったので、もうすぐだろうと思いました。
その日の夜遅く、待ちわびていた電気が復旧し、同時に水道も使えるようになりました。
電気が戻りホッとした次の瞬間からは、本当にいつもどおりの日常でした。
今回の被災した体験は本当に小さなもので、お試し程度に不自由を味わったくらいでしたが、それでも季節に恵まれました。
これが熱中症を起こすほどの暑い夏だったら…暖房が使えない真冬だったら…私たち家族はどう過ごしていたのか想像がつきません。
被災生活を通して、飲む水に困らなかったことは幸いでしたが、スマホの充電が不安だったことを強烈に覚えています。
行政や人に頼りっきりにするのではなく、自分でも用意するようにしましょう!
まとめ
- 防災グッズとしての必要性が低いのは、手回しラジオ・ティッシュ・テント・携帯浄水器・大容量の水・ナイフやロープである
- 手回しラジオは発電量がわずかで用途が限られてくるため、乾電池でも使用可能なものがオススメである
- 昔定番の防災グッズだったヘルメットは、今は優先度が低く無理して準備する必要はない
- 過去の震災から、ライフラインの復旧する順序は電気、水道、ガスの順であり、すべて整うのに約1ヶ月ほどかかる
- 震災後72時間は人命救助に尽力され、支援はそのあとになるので、72時間分の身の回り品はしっかりそろえておくとよい
- 最重要な防災グッズは、水・食糧・簡易トイレ・モバイルバッテリー・懐中電灯・下着とナプキン・歯ブラシとマウスウォッシュ・カセットコンロ・現金である
本記事をきっかけに、いつ起こるか分からない災害のことを考え直し、各自で必要な防災グッズを用意してもらえたら嬉しいです。
災害に備えましょう!