電子レンジのアース線、あなたのご自宅では付けていますか?
「付けている」という人もいると思いますが、「賃貸で付けられるコンセントがない」と困っている人も多いはず。
私は「アース線ってなに?」というレベルで、電子レンジのアース線を付けていない状態でした……。
正直、電子レンジのアース線は付けなくても問題なく使えていたため、本当に必要かという疑問があります。
そのため、一から電子レンジのアース線の必要性について調査。
調べた結果、アース線を付けないことは予想以上に危険と隣り合わせということが分かりました。
今回は、電子レンジのアース線を付けられない賃貸での対処法、アース線の必要性、最後にはアース線の付け方を動画付きでご紹介します!
目次
電子レンジのアース線を付けられない賃貸の対処法3選
電子レンジには、必ず「プラグ+アース線」または「3Pプラグ」が付属しています。
基本的に家庭用電子レンジの電源は100Vですので、「プラグ+アース線」をさすための【アース付きコンセント】をメインにお話します。
【アース付きコンセントの一例】 |
賃貸には、「アース付きコンセント」と呼ばれるアース線を付ける場所がないこともあります。
アース付きコンセントがない場合、対処法は3つあります。
アース付きコンセントがどこにもない場合は、下記の方法を試してみてください。
アース付きコンセントはあるけれど、電子レンジのアース線が短くて届かない場合、下記の方法でアース線を付けましょう!
対処法1.アース設置工事をする
アース付きコンセントがどこにもない場合、お住まいの賃貸管理会社に相談し、アース設置工事をしてもらいましょう!
賃貸の場合は、勝手に工事をお願いすると、契約違反や大きなトラブルに発展してしまいます。
アース設置工事を行うには、賃貸管理会社に許可を得ることが必要。
結果的に断られる場合もありますが、相談をするのはタダですので、まずは相談をしてみましょう。
電気関係に疎い私は、そんなことを考えたのですが……。
アース設置工事は、「電気工事士」という資格を持った人が行うと法令で決められていますので、業者にお願いすることになります。
では、賃貸管理会社の人にアース設置工事を断られたら、どうしたら良いのでしょうか?
対処法2.漏電遮断器を取り付ける
アース設置工事を行うことが困難であれば、「漏電遮断器」を取り付けましょう!
引用 テンパール
漏電遮断器のなかでも有名な商品が、テンパールの「ビリビリガード」というプラグ型漏電遮断器。
プラグ型なので、さすだけという非常に設置が簡単な漏電遮断器です。
しかし、注意が必要な点がひとつ。
漏電遮断器もアース線も、「感電のリスクを抑える」という目的は同じですが、仕組みなどが違うため、アース線の代わりにはなりません。
アース線と漏電遮断器の違いを解説します!
違い | |
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アース線 |
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漏電遮断器 |
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漏電遮断器には過電流保護機能がついていないため、電子レンジの不具合・破壊は防止できません。
アース線は、アース付きコンセントにあるアース端子へ繋ぐことで、漏電したら余分な電力を外へ逃がすため、対処の必要なし。
しかし、漏電遮断器は電源を止めるだけで、対処は手動で行う必要があります。
ビリビリガードの取扱説明書には、「本器が漏電を感知したら最寄りの電気工事店へご連絡ください」という内容が書かれていました。
アース線を付けることが一番安全ですが、どうしても難しい場合は、漏電遮断器を取り付けることで、感電のリスクを減らすことができますね。
対処法3.長いアース線に取り換える
アース付きコンセントはあるけれど、電子レンジについているアース線が短くて届かない場合は、長いアース線に取り換えましょう!
実は、1つのアース端子に、いくつかのアース線を付けてもOK!
キッチンにアース付きコンセントがあり、すでに冷蔵庫のアース線が付いていても、電子レンジのアース線を付けることは問題ありません。
しかし、下記のアースとは絶対に接続しないでください。
- ガス管
- 水道管
- 電話
- 避雷針
ガス管、水道管、電話、避雷針のアースと接続することは、大変危険なため、法令で禁止されています。
アース線は、ホームセンター、電気店、Amazonなどのネットショップで購入可能です!
電子レンジのアース線を購入する際は、下記の条件を満たしているものを購入しましょう♪
■付属のアース線が短くて届かない場合、どうしたら良いですか?
市販のアース線と付け替えて取り付けることができます。
アース線は、電器店、ホームセンターなどでお買い求めください。※銅より線(芯線外径1.25㎟以上)、軟銅単線(芯線外径1.6㎜以上)のどちらかをお買い求めください。
サイズ |
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ケーブルの種類 | 50芯(銅より線) |
導体外径 (芯線外径) |
1.5mm |
特徴 | 端子片側は取り付け加工済み |
サンワサプライのアースケーブルは、電子レンジに使用できるアース線の条件を満たしています。
5mと10mの長さがありますが、「5mだと少し短いかも」と思うのなら、10mを購入するのがおすすめ。
アース線同士を繋げて延長することは大変危険なため、長めのアース線を購入して取り換えると安心ですよ。
アース線を延長する場合は、アース設置工事と同じ扱いになり、電気工事士の資格を持った
人が行う必要があります。
そのため、既存のアース線と別のアース線を自分で繋いで延長することは、絶対にしないでください。
またアース線の片側は、電子機器本体に取り付けやすいように加工されているものが、初心者には取り扱いやすいです。
- 電子レンジの裏側にあるネジを緩めて、アース線を取り外す
- 新しいアース線の「取り付け加工がされている側」をネジ部分に挟み、ネジを締める
電子レンジのアース線は本当に必要か徹底解説!!
電子レンジ(100V)のアース線は、付けなくても概ね問題なく使用できますが、安全面を考えるとアース線は必要です。
アース線が本当に必要かという疑問が出てしまうのは、付けていなくても問題なく電子レンジが使用できる事例が多くあるからでしょう。
しかし、電子レンジの取扱説明書には「警告」として「アース線を確実に取り付ける」といった内容が必ず記載されています。
アース線を付けずに使用して事故が起こった場合は、自己責任となります。
なぜ必要かと言いますと、理由は以下の通りです。
- 感電防止のため
- 静電気による着火・爆発防止のため
- 落雷による被害を軽減するため
アース線を付けていなくても長く電子レンジを使用できている人もいますが、アース線を付けることで3つの危険を防ぐことができます。
特に、古い電子レンジは劣化が原因で漏電している可能性があるので、注意が必要です。
感電防止のため
漏電したときにアース線を通して余分な電流が外へ流れることで、人への感電を防止します。
電子レンジは、キッチンに置かれることが多いです。
水気の多い場所や湿気がある場所でアース線を付けられない場合、アース工事が必要と法令で定められています。
湿気の多い場所や水気のある場所では、アース工事が法律で義務付けられています。
- 湿気の多い場所 : 飲食店の厨房、酒やしょうゆの貯蔵庫、コンクリート床など
- 水気のある場所 :生鮮食料品店の作業場など水の飛び散る所、土間・地下室など結露が起きやすい所など
引用 Panasonic
一般家庭のキッチンであれば、法律で定められた場所には当てはまりませんが、水気があるため感電のリスクはあります。
そのため、アース線を付けることは必要かと問われると、メーカーは最悪の事態を考えて、「必要である」と答えるわけです。
静電気による着火・爆発防止のため
静電気がアース線を通じで外へ逃げることで、静電気による着火・爆発を防止します。
電子レンジで食品を温めていた時に、爆発したらどうしますか?
加熱しすぎによる爆発は度々ニュースになりますが、温めの時間を守っていたとしても、静電気による爆発の可能性があるんです。
アース線を付けるほかに、静電気による着火・爆発の防止方法はありません。
着火・爆発が起こった場合は、電子レンジが壊れるだけでは済まず、あなたがケガをしたり火災につながったり、危険なことばかり。
落雷による被害を軽減するため
落雷の影響で電子レンジに電位差が強く生じたとき、アース線で電位が均等化されることによって、電子レンジの破壊を防ぎます。
落雷によって強い電流が流れるため、その余分な電流をアース線を通じで外へ逃がします。
アース線を付けていないと、落雷の影響で買って間もない電子レンジが壊れてしまうかも……。
落雷なんてめったにないと思われるかもしれませんが、アース線を付ける理由はそれだけではありませんよね。
アース線を付けるかはあなた次第ですが、必要かどうかについてはご理解いただけたのではないでしょうか。
なによりも「感電」は命にかかわる危険ですので、一番防ぎたいです。
安全に長く電子レンジを使用するためにも、アース線が非常に重要な役割を果たすことが分かりました。
電子レンジのアース線は付け方簡単♪タイプ別に解説!
電子レンジのアース線をいざ付けようと思って取扱説明書を見ると、意外に付け方が詳しく書かれていません……。
ネットで何種類か電子レンジの取扱説明書を見たのですが、どれも機械音痴の私には理解が難しかったです(笑)
調べたところ、アース線を付けるアース端子には3種類あり、タイプによって付け方が異なること分かりました!
今回はPanasonicの公式YouTubeチャンネルが投稿している動画をもとに、電子レンジのアース線の付け方を解説していきます♪
ふた付きタイプについては、私が実践した画像もありますよ!
つまみタイプ
引用 YouTube
- アース付きコンセントに付ける側の、アース線の皮をむく(0:29)
- アースのつまみを緩める(0:40)
- 皮をむいたアース線の先を少し曲げ、緩めたつまみに挟み込む(0:45)
- アースのつまみを締める(0:51)
ふた付きタイプ(実践画像付)
引用 YouTube
- アース付きコンセントに付ける側の、アース線の皮をむく(0:29)
動画では「よじりながらむく」と説明していますが、力がかなり必要で難しく、私はハサミで切り込みを入れてむきました。
- アースのふたを開ける(0:59)
ふたが固い場合は、ドライバーを使うと簡単に開けられます。
- アースのネジを緩める(1:05)
- 皮をむいたアース線の先を少し曲げ、ネジにひっかける(1:08)
より線(いくつもの銅線が集まった線)の場合、ばらけないようにアース線の先をしっかりとねじりましょう。
- ネジをを締める(1:13)
- ふたを閉める
やってみての感想は、思ったよりも力が必要だと思いました。
私はアース線の皮をむく作業、ふたを開ける、アース線をねじる作業、どれも必死な顔で行いました(笑)
またアース線のねじりがあまく、上記画像のように一度先がばらけてしまったので、より線の場合は注意が必要です。
ワンタッチタイプ
引用 YouTube
- アース付きコンセントに付ける側の、アース線の皮をむく(0:29)
- アースのレバーを押し上げる(1:25)
- 小さな穴が2か所あるため、どちらかにアース線を差し込む(1:30)
- アー子のレバーを下げて閉める(1:35)
まとめ
- 賃貸でアース付きコンセントがない場合は、アース設置工事をしてもらえないか管理会社に相談する
- 電子レンジの近くにアース設置が難しければ、漏電遮断器を付けるか、長いアース線に取り換える
- アース線を付けないで事故が起きた場合は、自己責任になってしまう
- アース線は、感電防止のために付けるべき
- アース付きコンセントは、3種類のタイプがある
- タイプごとにアース線の付け方が異なる
電子レンジのアース線は、安全のために付ける必要があるということが分かりました。
「電子レンジくらいならアース線は付けなくてもいいかな」と思ってしまいがちですが、可能な限りアース設置に向けて行動しましょう!
漏電遮断器はアース線の代わりにはなりませんが、感電防止のために付けておいた方が安心ですよ。
アース付きコンセントがない場合は、アース線の代わりにはなりませんが、感電防止のために漏電遮断器は付けておいた方が安心ですよ。