食事をした後や炭酸飲料を飲んだ後は、一緒に飲み込んでしまった空気をお腹から出すために、生理現象としてゲップが出ることがありますよね。
しかし、お腹に空気が溜まっているのに、なかなかゲップが出ない時はありませんか?
ゲップが出ない状態が続くと、息苦しいですし、気分が悪くなってしまいます。
ゲップが出ない時の、息苦しい症状への対処法はあるのでしょうか。
本記事では、ゲップが出ない原因や息苦しさを感じる時の対処法についてご紹介します。
息苦しい時にすぐ実践できる対処法や、ゲップの症状をやわらげる薬の紹介もしていますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
目次
ゲップが出ない息苦しいなら対処法を3つに分けて紹介!
ゲップが出ないということは、お腹に空気が溜まり続けるということです。
ゲップが出ないと息苦しい症状を起こし、気分が悪くなったり、集中できなくなったりしてしまいますよね。
ゲップが出ないという症状に効果的な対処法はあるのでしょうか。
この章では、ゲップが出ない息苦しい症状に効く対処法をご紹介します。
即効性あり!今すぐにゲップを出す方法3選
①背中を軽く叩く
背中を叩くことで、身体全体に振動が伝わり、ゲップが出やすくなります。
身体を少しだけ丸めた状態にして、胃の少し下の辺りをトントンと軽く叩くと良いですよ。
②軽く身体を動かす
ゆっくりと深呼吸をしながら、体操やストレッチ、ヨガで軽く身体を動かすことでゲップが出やすくなります。
ヨガのポーズには、様々な不調を解消する効果がありますが、胃腸に溜まったガスに効果のある「ガス抜きのポーズ」があります。
<ガス抜きのポーズの仕方>
- 仰向けに寝て、手を身体の横に置いて両ひざを立てる
- 両ひざを胸に近づけて両手で抱える
- 吸う息でお腹をふくらませ、吐く息で太ももを胸の方に抱き寄せる
- 腹部を圧迫した状態で呼吸を5回する
- 息を吐きながら、仰向けに戻る
③ツボを刺激する
ツボをマッサージすることも、ゲップが出ない息苦しい症状の改善に効果があります。
ゲップが出ない息苦しい症状の改善に効果のある、2つのツボを紹介します。
<天牖(てんゆう)>
首の後ろの骨のそばにあるツボです。
耳の後ろを下に辿ったところに、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という大きな筋肉があり、その近くにあるくぼみの部分です。
指先で円を描くように優しくマッサージしましょう。
<気舎(きしゃ)>
鎖骨内側のくぼみにあるツボです。
指先でやや弱めに、3~5秒押してみましょう。
5回ほど繰り返すと良いですよ!
日々の習慣の中で意識して変えていくことで、ゲップが出ない息苦しい状態に対処できることもあります。
バランスの良い食事をゆっくり噛んで食べる
揚げ物は量を減らし、野菜や肉類をバランス良く食べましょう。
脂っぽい食事は消化に負担がかかるため、胃を弱らせてしまいます。
アルコールやコーヒーなどの飲み物も、胃へ刺激を与えてしまうので、注意が必要です。
食事はゆっくりと食べるようにしましょう。
早食いは、食べ物と一緒に多くの空気を飲み込んでしまうため、よく噛んで食べることを意識してみてくださいね。
ストレス解消になることを生活に取り入れる
ストレスのない生活を過ごす、もしくは溜まったストレスを解消する方法を探しましょう。
後ほど説明しますが、ゲップが出ない息苦しい症状を起こす原因のひとつに「呑気症(どんきしょう)」があります。
「呑気症(どんきしょう)」にかかる最大の原因はストレスが多いことです。
適度な運動や映画鑑賞など、日頃の人間関係や仕事に対するストレスを忘れる時間を見つけましょう。
ゲップが出ない息苦しいのは病気?原因を徹底解説!
お腹に空気が溜まっているのにゲップが出ない、息苦しい状態になるのは、どうしてなのでしょうか。
ゲップが出ないだけではあまり気になりませんが、息苦しい症状を起こしていると「何か病気なのかな?」と不安になりますよね。
この章では、ゲップが出ない息苦しい症状は、病気が原因なのか解説します。
ゲップの原因は「空気が逆流」をしているから
ゲップが出てしまうのは、そもそもどのような時なのでしょうか。
ゲップは、胃に溜まった空気が食道に逆流し、口から排出される現象です。
胃と食道のつなぎ目にある筋肉を下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)といいますが、食べ物を飲み込む時以外通常は閉じています。
しかし早食いをしていたり、ストレス過多であったりする場合、機能が低下してこの筋肉が緩んでしまいます。
筋肉が緩むことで、胃の中に溜まっていた空気が食道に流れ、ゲップとして口から出てしまうのです。
ゲップが多い時は「呑気症」の可能性もあり
普段からお腹が張ることが多い場合は「呑気症(どんきしょう)」の可能性があります。
呑気症とは別名を「空気嚥下症(くうきえんげしょう)」とも言います。
無意識に大量の空気を飲み込むことによって、胃や食道、腸に空気が溜まって引き起こされる症状のことです。
ストレスや緊張で唾液を飲むことが増え、同時に空気も飲み込んでいることが原因です。
呑気症になりやすい人の特徴は、以下の通りです。
- ストレスの多い人
- 神経症傾向の人
- うつ状態の人
このような傾向の人は、不安や緊張から、無意識に歯を食いしばることが多くなります。
歯を食いしばっていると舌が上あごに張り付くため、唾液や空気が喉の奥に溜まります。
この溜まった唾液を飲み込む際に、空気も一緒に飲み込みやすくなってしまうのです。
妊娠によるホルモンの影響と自律神経の乱れ
妊娠して、ゲップやおならがたくさん出て気になる、という妊婦さんは少なくありません。
ゲップやおならが出やすくなる主な理由は3つあります。
①ホルモンの影響
妊娠中に増加する女性ホルモンの一種「プロゲステロン」には、胃腸の機能を抑える作用があります。
妊娠初期から後期までプロゲステロンの分泌が増えるため、胃腸が弱まり、消化不良を起こしやすい状態になります。
その結果、お腹の中でガスが発生し、ゲップを出したくなるのです。
②自律神経の乱れ
妊娠すると、ホルモンバランスや生活リズムの変化が起き、自律神経が乱れやすくなります。
ゲップが出そうで出ない感覚や、喉の奥が詰まっているような感覚は、自律神経の乱れが原因です。
妊娠初期は特に体調が不安定になりやすく、ストレスを感じるため、胃腸にも影響が出るようになります。
③つわりによる食事・唾液の増加
「食べづわり」で空腹時に吐き気を感じてしまうと、食べ過ぎてしまいがちです。
食事の回数が増えると、その分食べ物と一緒に空気も飲み込んでしまい、ゲップの頻度が増えてしまいます。
また「よだれつわり」で唾液が多く出てしまう場合、唾液を飲み込む回数が多くなるため、空気もより多く飲み込んでしまいます。
口の中のネバネバとした不快感を取り除くために唾液を飲み込むことが増えて、ゲップの原因となるのです。
腹部の病気によりゲップが出ないケースもある
ゲップが出ない、胃が張っていて息苦しい感じがする場合、病気の可能性もあります。
①胃の張りを感じる、ゲップが出ないケース
- 胃炎
- 胃潰瘍
- 機能性ディスペプシア
②腹部全体に張りを感じているケース
- 腸閉塞
- 腹水貯留
- 便通異常
- 大腸がん
ゲップが出ない症状が、日常生活に支障をきたすほどの場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
ゲップが出ない息苦しいのは薬を服用して緩和できる?
ゲップが出ない息苦しい症状が起きるのは、胃腸が弱っていることも原因のひとつです。
生活習慣の見直しをしてもゲップが出ない息苦しい症状の改善が難しい場合は、薬を服用することも考えてみましょう。
ゲップが出ない、息苦しいといった不快感は、胃の調子を整えることで改善します。
この章では、ゲップが出ない息苦しい症状を緩和する、おすすめの薬を3つ紹介します。
①ガストール錠
ガストール錠は、M1ブロッカー(ピレンゼピン塩酸塩)が配合されている胃腸薬です。
M1ブロッカーは、胃酸が出過ぎるのを抑え、胃を保護します。
効能・効果
- 胃痛、胸やけ、胃酸過多、胸つかえ、げっぷ
- 胃もたれ、胃重、胃部不快感、胃部膨満感(ぼうまんかん)
- はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔・悪酔のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐、飲み過ぎ
- 食べ過ぎ、消化不良、消化不良による胃部・腹部の膨満感(ぼうまんかん)、消化促進、食欲不振
②スクラート胃腸薬(錠剤)
有効成分スクラルファートが、胃粘膜の荒れた患部に吸着して、胃を保護・修復します。
こちらは錠剤タイプですが、顆粒タイプの薬もあるので、服用しやすい方を選んでくださいね。
効能・効果 胃痛、もたれ(胃もたれ)、胸やけ、胃酸過多、げっぷ(おくび)、胃重、胃部膨満感(ぼうまんかん)、胃部不快感、胸つかえ、飲み過ぎ(過飲)、はきけ(むかつき、二日酔・悪酔のむかつき、胃のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐
③第一三共胃腸薬細粒s
「タカヂアスターゼN1」「リパーゼAP12」という2つの消化酵素が、消化を促します。
6種類の健胃成分が弱った胃の働きを高めるので、ゲップの症状も緩和してくれます。
効能・効果 もたれ、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胸つかえ、食欲不振、胸やけ、胃痛、胃酸過多、胃重、胃部不快感、げっぷ、消化不良、消化促進、胃弱、胃部・腹部膨満感(ぼうまんかん)、はきけ(むかつき、二日酔・悪酔のむかつき、悪心)、嘔吐
まとめ
- ゲップが出ない息苦しい症状の対処法は、バランスの良い食事やストレス解消をして、生活習慣の改善をすることである
- ゲップをすぐに出したい時は「背中を軽く叩く」「軽く身体を動かす」「ツボを刺激する」と良い
- ゲップが出ない息苦しい原因には「呑気症」「妊娠」「腹部の病気」が考えられる
- ゲップが出ない症状が日常生活に支障をきたす場合は、速やかに医療機関を受診する
- 生活習慣の見直しをしても症状の改善が難しい場合は、薬の服用も視野に入れる
- ゲップが出ない、息苦しいといった不快感には、胃の調子を整える薬がおすすめである
ゲップが出ない息苦しい症状の対処法には、即効性のものと、生活習慣の見直しや薬の服用など継続的なものがあるということがわかりました。
あなたがゲップが出ない息苦しい症状を抱えているなら、本記事で紹介した対処法をぜひ参考にしてみてくださいね。
しかし、紹介した対処法で改善しないような重たい症状の場合は、病気が関与している可能性もあります。
ゲップが出ないだけ、少し息苦しいだけと放置をしてしまわずに、医療機関に相談をしてみてくださいね。