ボロボロになったものを使い続けるのは、なんだか恥ずかしいですよね…。
合皮製品は、気づくと表面がボロボロになっていることがありますが、それは合皮の性質上、仕方の無いことです。
しかし合皮のボロボロを補修して、長く使えたら良いと思いませんか?
合皮を補修するアイテムの1つに、補修スプレーがあります。
本記事では、私が実際にやってみた、合皮のボロボロを補修スプレーで直す方法をご紹介します。
補修スプレーは、手軽に補修出来て便利ですが、補修する箇所によっては向き不向きがあることがわかりました。
合皮がボロボロになる原因と、ボロボロにならないための対策も解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
合皮のボロボロを補修スプレーで直そう!手順を解説
合皮のボロボロは補修スプレーで直せます!
合皮の補修スプレーを使用してみた結果、補修スプレーを使用するのに向いている箇所と向かない箇所があることがわかりました。
合皮はどうしてボロボロになるのか、その原因についても解説していきます。
補修スプレーでボロボロを直してみた!
ボロボロになっている部分が少ない場合や、ボロボロであってもお気に入りのものはまだ使い続けたいと思いますよね!
私も持ち手がボロボロになって、もう使えないかなと思いつつ捨てられないバッグがあったんです…。
合皮のボロボロは補修スプレーで直せるらしいという噂を聞いて、実際にやってみましたよ!
今回直していくのはバッグの持ち手部分なのですが、こんなにボロボロです。
今回使った補修スプレーは、「染めQ」という商品です!
私は近所のケーヨーデイツーで購入しましたが、ホームセンターやAmazonなどで購入できます。
カラー展開は全39色もあるので、補修するものにピッタリの色が見つかりそうです!
- まず、ボロボロとめくれあがっている部分を剥がします。⇒剥がし方はこちら
- スプレー缶を上下によく振ってから、補修したい部分から10~15cm離してスプレーします。
- 3分間ほど乾燥させます。
- 好みの色になるまで2と3を数回繰り返します。
- 最後に常温で30分以上乾燥させます。
※十分に換気できる場所で使用しましょう。
ボロボロな状態より良くなりましたが、剥がしているので皮の感じは無くなってしまいました。
後で分かったのですが、染めQには無色の艶出しスプレーがあるので、色付きスプレーの後に使用すると良さそうです。
補修スプレーの使用に向いている箇所
合皮の補修スプレーを使用してみて感じたことは、使用する箇所を選ぶ必要があるということです。
私が感じた補修スプレーでの補修に向いている箇所は、以下の3つです。
- ボロボロが少ない箇所
- よく動かすパーツ
- カラーチェンジしたい箇所
ボロボロが少ない箇所であれば、シュッとスプレーするだけで手軽に補修できるので簡単です。
四角いかばんの角が擦れて、ちょっとだけ剥がれてしまったりしますよね?
そういった箇所には、補修スプレーがもってこいだと思います。
広範囲がボロボロだと、スプレーを噴射するのが大変ですし、ムラになってしまう可能性があります。
広範囲を補修したい場合には、このような補修シートが向いています!
例えばバックの持ち手のように、カーブしていてよく動かすパーツには補修スプレーが向いています。
逆に、平らな部分であれば補修シートなどで補修した方がきれいな見栄えになると思います。
補修スプレーは、塗布した後に色が落ちてこないか心配だったのですが、きちんと乾燥させれば全く手に付きませんでした。
合皮のボロボロ部分をうまく剥がせれば、スプレーで思い切ってカラーチェンジするのも良いですね!
同じ合皮製品でも、また新鮮な気持ちで使えそうです♪
そもそも合皮って何?
合皮とは、本革に似せて作られた人工素材で、別名フェイクレザーと呼ばれます。
合皮の構造は、布地をベースに合成樹脂を塗り、表面に型押し等の加工をして見た目や触感を本革に似せています。
本革よりも軽くて安価なため、家具やバッグ、車のシートなど家の中や身の回りに多く使われていますよね。
合皮の種類としてよく耳にするのものでは、「PUレザー」と「PVCレザー」があります。
この2つは表面に塗布された樹脂が異なり、それぞれに特徴があります。
名称 | PUレザー | PVCレザー |
---|---|---|
樹脂の種類 | ポリウレタン樹脂 | 塩化ビニル樹脂 |
特徴 | 弾力性、柔軟性がある | 光沢がある |
価格 | 高い | 安い |
PUレザーのPUは「Polyurethane(ポリウレタン)」の略で、表面にポリウレタン樹脂が塗布されています。
PUレザーは柔らかくしなやかで、弾力性、柔軟性があり、本革に近い質感です。
PVCレザーに比べると通気性もあり、合皮の中では最も本革に近い高級合皮といえます。
PVCレザーのPVCは、「Polyvinyl chloride(ポリビニールクロライド)」の略で、表面に塩化ビニル樹脂が塗布されています。
PVCレザーはつるつると光沢がある見た目で、PUレザーに比べると通気性、柔軟性、弾力性に劣るため安価で手に入ります。
合皮がボロボロになっている状態は、表面に塗布されたポリウレタン樹脂や塩化ビニル樹脂が剝がれてしまっている状態なんです。
では、なぜ剥がれてしまうのでしょうか?
合皮がボロボロになる原因は水分!
合皮の表面に塗布されている樹脂は、水分と結びつくと「加水分解」と呼ばれる化学反応を起こしてバラバラに分解されてしまいます。
合皮がボロボロになるのは、合皮の表面で、この加水分解が起こっているから。
空気中には水分があるので、実は合皮製品は部屋に置いておくだけでも劣化が進んでいるんです!
しばらく使っていなかった靴やバッグを引っ張り出してきて使おうと思ったら、ボロボロになっていた…なんて経験はありませんか?
合皮製品は製造された瞬間から劣化が進んでいて、一般的な合皮の寿命は3年程といわれています。
合皮のボロボロは剥がす方が良い!その理由と方法は?
合皮がボロボロになると、つい気になって触ってしまい余計にボロボロになってしまうことはありませんか?
ボロボロの合皮を補修する前には、思い切ってボロボロを剥がす方が良いんです!
なぜ、ボロボロを剥がすと良いのかと剥がし方を解説します。
ボロボロを剥がすときれいに補修できる
合皮の補修前にボロボロを剥がすと良いのは、その方がきれいに補修できるからです。
合皮がボロボロで、ぼこぼこした状態のところにスプレーしたり、補修シートを貼ったりしてもきれいに仕上がりません。
しっかりとボロボロの部分を剥がした上で、補修をしましょう!
洋服の一部に合皮が使われている場合に、合皮部分がボロボロだとクリーニングに出したときに断られるケースがあります。
ボロボロの部分がきれいに剥がれていれば、受け付けてもらえる場合もあるので、クリーニングに出したいときは剥がしてしまいましょう。
剥がし方はガムテープを使って簡単に!
ボロボロの剥がし方は簡単で、ガムテープをボロボロの部分に貼りつけてベリっと剥がすだけ!
これだけで、かなりきれいに剥がせます。
誤って合皮のきれいな部分まで剥がしてしまわないように、剥がしたい範囲にカッターで切り込みを入れておくと良いです。
合皮のボロボロを剥がすと、ベースの布地が出てきます。
上の写真だと、表面とベースの布地が同じ黒なのであまり目立ちませんが、異なる色の場合は剥がした部分がはっきりと分かってしまいますよね。
そこで、補修スプレーを使ってうまく隠すためにも、ボロボロの部分を剥がすことが大切なんですね!
合皮のボロボロ対策を5つご紹介!これで長持ち!
加水分解が起こることで、合皮がボロボロになってしまうとお伝えしました。
適切な対策をすれば、加水分解を遠ざけ、合皮の劣化を遅らせることができます!
大切な合皮製品を長く使うための対策を解説します。
①水分や汚れはすぐに拭く
合皮がボロボロになってしまう原因は水分なので、水分を遠ざけることが1番の対策です。
雨で濡れたり、飲み物をこぼして付着してしまったりしたら、すぐに乾いた布で拭きましょう。
また、汚れていると合皮に雑菌が繁殖して傷む原因になりますので、汚れてしまった場合もすぐに拭きましょう。
汚れが酷い場合は、薄めた中性洗剤や重曹水を布に含ませて、優しく擦ります。
最後に必ず、水拭きと乾拭きをして、洗剤や重曹が残っていないか、乾いているかを確認しましょう。
②通気の良いところで保管する
合皮製品は、湿気が大敵なので通気の良いところでの保管がマスト!
クローゼットなどで合皮製品を保管する場合は、除湿剤を置くなどして湿気対策をしましょう。
また、バッグの中には丸めた新聞紙をタオルで覆ったものを入れておくと湿気対策と型崩れ防止が同時に出来るのでおすすめですよ。
③直射日光を避ける
合皮は直射日光に当てると、日焼けして変色してしまいます。
合皮のソファなどは、なるべく直射日光が当たらない場所に配置しましょう。
それが難しい場合は、UVカットカーテンを使用するなどの対策が効果的です。
④適度に使って動かす
合皮はずっと動かさずにいるより、適度に使って動かした方が加水分解は進みにくくなります。
同じ場所で動かさずにいると湿気がたまりやすくなるため、時々は使って動かし、製品全体に自然の風を通しましょう。
合皮のソファも同じ場所に座り続けることはやめ、位置を変えて座ってみることがボロボロ対策になります。
⑤異素材のものと長時間密着させない
合皮は異素材のものと密着させて保管すると、素材によっては色移りしてしまうため、接触を避けるか袋にいれて保管しましょう。
使用する袋はビニール製ではなく、通気性の良い不織布の袋を使用します。
まとめ
- 合皮のボロボロは補修スプレーで直せるが、向いている箇所と向かない箇所がある
- 合皮がボロボロになる原因は、表面の樹脂と水分が反応して起こる加水分解である
- 合皮を補修する前には、ボロボロの部分をきれいに剥がすと良い
- 合皮のボロボロを剥がすときは、ガムテープを使うと簡単
- 水分を遠ざけるなどの対策をすることで、合皮製品を長持ちさせられる
気になっていた合皮のボロボロ部分が補修できて、なんだかスッキリしました♪
お気に入りの合皮製品のボロボロは、補修スプレーで手軽に直せますよ!
ぜひ、試してみてくださいね♪