※ 当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。




日立造船が潰れるという噂はナゼ?業績や事業内容などを徹底検証!

記事内に広告が含まれています

2021年3月、日立造船が『容量世界最大級の全固体電池を開発した』と発表しました。

全固体電池といえば、次世代バッテリーとして全世界待望の技術です。

電気自動車の需要が高まる中、世界中で開発競争が行われています。

がぜん、日立造船という会社に興味が湧いてきました。

しかし、Googleで「日立造船」を検索すると、「潰れる」「やばい」など、なにやら不穏なキーワードが検索候補にでてきます。

「日立造船が潰れるとは?」と疑問に思い、日立造船について詳しく調べてみました。

日立造船の業績や事業内容を詳しくみると「日立造船が潰れる心配はない」ということがわかります。

この記事では、日立造船の業績や事業の継続性、気になる全固体電池について紹介していきます。

※この記事は2022年1月時点の情報になります。

日立造船が潰れるというのはデマ!経営状況を解説

まずは、日立造船の経営状況を確認していきます。

経営状況を知るために、「収益性」「健全性」の観点にわけて分析してみましょう。

業績や財政状況を詳しくみてみると「日立造船が潰れる」というのは明らかにデマというのがわかります。

※各数値については、日立造船公式HPのIR情報を確認しています。

日立造船の収益性…コロナ禍でも順調な伸び

日立造船がどの程度の利益を上げられているか、直近5年の「売上高」「営業利益」「経常利益」「純利益」についてみてみましょう。

売上高

【売上高】は、会社が商品やサービスを売って得た収入の合計金額を指します。

コロナ禍で世界的に経済状況が厳しい中でも、2020年・2021年で増収していますね。

海外ごみ焼却発電施設の大口工事など、環境プラント部門が堅調なようです。

売上増加率

日立造船の成長性を判断するために、売上増加率もみてみましょう。

2021年3月期の売上増加率は1.53%と低めです。

これはコロナ禍での世界的な経済状況が響いているようです。

2020年3月期の売上増加率は6.43%で、優良水準といわれる5%を超えています。

世界的に厳しい経済状況が落ち着けば、今後も順調に伸びる可能性が高いです

売上増加率についてはここをクリック

売上高増加率 (%)
=(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高×100

【売上高増加率】は、前期の売上に対して今期の売上がどれだけ増加したかを示します。

企業が将来的にどの程度拡大するかを考える上で、値が5%以上だと優良水準とされています。

市場の規模自体が縮小している場合や、企業の規模が大きい場合は、売上高増加率が低くなる傾向にあります。

数値についてはここをクリック
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
売上高 399,331 376,438 378,140 402,450 408,592

営業利益

【営業利益】は、本業から得られた利益のことです。売上高から本業にかかった経費を差し引いて算出します。

営業利益も右肩あがりで伸びているため、本業は順調だということが読み取れます。

数値についてはここをクリック
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
営業利益 14,947 5,907 7,358 13,891 15,396

経常利益

【経常利益】は、企業の全体の儲けから、全体の経費や利息の支払いなどを差し引いて計算します。

事業の業績を表す指標で、会社の経常的な経営成績を把握するために最も重視されます。

日立造船の経常利益はしっかり右肩上がりで伸びているので、会社全体の事業は順調だと判断できます。

経常利益増加率

日立造船の成長力を判断するために経常利益増加率もみてみましょう。

経常利益増加率も2019年3月期以降、プラスの伸びが続いているので、日立造船の経常的な本業については、順調に成長していると言えます。

経常利益増加率についてはここをクリック

経常利益増加率 (%)
=(当期経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益×100

経常利益増加率は、前期の利益に対し今期の利益がどれだけ増加したかを示す指標です。

経常利益増加率は大きいほど良いということです。

数値についてはここをクリック
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
経常利益 11,225 3,365 6,720 9,429 11,792

純利益

企業がすべての支払いを済ませた後、最終的に会社に残ったお金が【純利益】です。

純利益が配当金の原資になるため、純利益が大きくなるほど、配当金支払余力が大きくなります。

株式を保有している株主にとっては注目するポイントですね。

上げ下げの波は多少ありますが、赤字転落はしていません。

2021年3月期では特別損失として減損損失を計上したものの、営業利益が好調なため、純利益も前期を上回っています。

数値についてはここをクリック
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
純利益 5,864 2,171 5,445 2,197 4,258

日立造船の健全性…支払い能力も問題なし!

次に、財政状況から日立造船の健全性について確認していきます。

「自己資本比率」「流動比率」「固定比率」「固定長期適合率」をみていくことで、日立造船が健全な企業かどうかがわかります。

自己資本比率

【自己資本比率】をみることで、企業の財務健全性がわかります。

自己資本比率とは、総資本における自己資本の比率を指し、負債より純資産の金額が大きいほど、自己資本比率は高くなります。

自己資本比率が高いということは、負債が少なく倒産しにくいといえます。


自己資本比率は、少なくとも30%程度は確保しておくとよいと言われていますが、業種によって傾向は大きく異なります。

日立造船が属する業界である「機械」など、設備投資が必要で固定資産が多い業種は、20%が目安になります。

日立造船はしっかり自己資本比率20%を超えているので、倒産の心配はないといえます。

自己資本比率についてはここをクリック

自己資本比率 (%)
=自己資本÷ 総資本(負債+純資産)×100

自己資本とは、返済の必要がない資本になります。

自己資本比率が低いと負債が多いということになり、自己資本比率が高いと、返済義務のない自己資本を元手に事業を行っていることです。

自己資本比率は、高ければ高いほど財務的には安定しているといえ、「中長期的に見て倒産しにくい会社」ということができます。

50%以上あればかなり良好な状態といえ、少なくとも30%程度は確保しておくとよいと言われています。

会社の安全性を評価するうえで、最も基本となる指標が「自己資本比率」です。

数値についてはここをクリック
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
自己資本比率 29.4% 29.8% 27.8% 28.8% 29.4%

流動比率

【流動比率】を見れば、企業の短期的な支払能力(短期安全性)が分かります。

流動比率は、1年以内に現金化できる資産が、1年以内に返済すべき負債をどれだけ上回っているかを表します。

業種によって異なりますが、流動比率が120%以上であれば、短期的な資金繰りには困らないとされます。

流動比率が100%を下回っていると支払能力に不安があるとされます。

日立造船直近5年の流動比率は、100%を上回っており、2020年・2021年では120%を超えているため、短期安全性は問題ありません。

流動比率についてはここをクリック

流動比率 (%)
=流動資産÷流動負債×100

流動負債をみると、急に返済が必要になった場合の対応能力がわかり、数値が大きいほど対応力が高いと判断されます。

反対に数値が小さいと、資金繰りがつかないこということで倒産する恐れがあり、安全性が低いと判断されます。

数値についてはここをクリック
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
流動資産 230,727 223,274 253,193 243,106 259,505
流動負債 201,736 185,498 212,637 179,297 198,113
流動比率 114.4% 120.4% 119.1% 135.6% 131.0%

固定比率

固定資産を過剰な借入金で購入していないかを判断する指標が、【固定比率】です。

固定比率をみることで、企業の長期的安全性がわかります

固定比率が100%を下回っていれば、すべての固定資産を自己資本でまかなっているということなので、財務状況は比較的健全だといえます。

日立造船の固定比率は100%を超えてしまっているので、借金を抱えている状況です。

固定比率を見る限りでは、安全性に問題があるとされてしまいます。

しかし、固定比率が100%を超えているからといって、安全性に問題があると安易に判断する必要はありません。

次に別の指標「固定長期適合率」でも、日立造船の安全性について確認してみましょう。

固定比率についてはここをクリック

固定比率(%)
=固定資産÷自己資本×100

※自己資本=純資産-新株予約権-非支配株主持分(連結財務諸表)

長期的に使用する建物や設備などの固定資産は、安定的な資金源である自己資本によって購入することが望ましいです。

固定比率では、固定資産に投資した金額のうち、自己資本が占める割合を確認することができます。

固定比率が低いほど安全性が高いと考えられます。

固定比率が100%を超えると自己資本以上の固定資産を購入しているということになりますが、120%くらいまでは安全と判断されます。

数値についてはここをクリック
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
固定資産 162,852 173,497 175,734 166,335 169,767
自己資本 115,601 116,895 119,479 118,004 126,331
純資産額 117,810 119,014 120,410 119,500 128,167
非支配
株主持分
2,209 2,119 931 1,496 1,836
固定比率 138.2% 145.8% 145.9% 139.2% 132.5%

固定長期適合率

固定資産を自己資本だけでまかなえるのは容易なことではないので、【固定長期適合率】で日立造船の安全性を確認してみましょう。

固定長期適合率は、自己資本に固定負債(長期間で返済する負債)を加えた金額で、どれだけ固定資産をまかなえているのかを見る指標です。

固定長期適合率が100%未満だと健全な財務状況だと判断できます。

日立造船の直近5年の固定長期適合率は100%未満のため、長期的安全性は問題ないと言えますね。

固定長期適合率についてはここをクリック

固定長期適合率 (%)
=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100

※自己資本=純資産-新株予約権-非支配株主持分(連結財務諸表)

固定長期適合率が100%未満だと健全な財務状況だと判断されます。

固定長期適合率が100%を超える場合、120%程度までは要注意、150%程度になると危険と判断されます。

数値についてはここをクリック
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
固定資産 162,852 173,497 175,734 166,335 169,767
固定負債 74,041 87,347 95,992 110,732 103,055
自己資本 115,601 116,895 119,479 118,004 126,331
純資産額 117,810 119,014 120,410 119,500 128,167
非支配
株主持分
2,209 2,119 931 1,496 1,836
固定長期
適合率
85.9% 84.9% 81.6% 72.7% 74.0%

なぜ日立造船は潰れるという噂がでたのか

「日立造船は潰れる」という噂は、『日立造船』という社名と、事業内容の不一致によって生じているようです。

次の章で詳しく説明しますが、『日立造船』という社名にもかかわらず、現在はすでに造船事業から撤退していて、日立グループでもありません。

決済時に新事業の展開を発表しようとすると、「本業の造船はもうだめだ」と勘違いする投資家がいるのではないかと考えられます。

経営状況をみれば、潰れる心配はないのが一目瞭然ですね!

日立造船の事業内容から事業の継続性をさぐる

日立造船はSDGs(サスティナビリティ)への取り組みに力を入れている企業です。

【環境プラント】・【機械】・【インフラ】・【その他】と事業区分が4つにわかれており、多岐に渡る事業を展開しています。

「技術と誠意で社会に役立つ価値を創造し、豊かな未来に貢献します」という企業理念の下、地球規模の環境問題に立ち向かっています。

日立造船グループの製品と活動を通じて、SDGs(サスティナビリティ)の目標達成に貢献しており、今後もその活動が注目されます。

SDGs(Sustainable Development Goals)は、全ての国々が地球を守るために力を結集し、あらゆる形態の貧困に終止符を打ち、不平等と戦い気候変動に対処しながら、地球上の「誰一人取り残さない」を理念として、2030年までに達成を目指す国連で採択された目標です。

引用 日立造船公式HP

この章では、数ある日立造船の事業の中で、事業区分別にSDGsの取り組みに焦点を当てて、事業内容を紹介していきます。

環境プラント…再生可能エネルギーと水資源

環境・プラント事業は日立造船のメイン事業です。

事業内容は多岐に渡るため、SDGsに貢献している事業をいくつかピックアップしてご紹介します。

全事業内容を確認したい方は以下をクリックしてください。

環境プラント事業における全事業内容一覧
日立造船 環境プラント事業 事業内容一覧
エネルギー ごみ焼却発電施設
マテリアルリサイクルシステム
メタン発酵システム
エコアグリ関連事業
化学プラント・非破壊検査
自家用・商業用発電設備
木質バイオマス発電システム
SOFC(固体酸化物形燃料電池)
風力発電
脱硝装置・脱硝触媒
環境設備AOM
(アフターサービス・運転管理・薬剤販売)
長期運営事業(PFI・PPP)
O&M、発電設備アフターサービス事業
小売電気事業
造水

・水処理

海水淡水化プラント
汚泥再生・資源化
最終処分場浸出水処理システム
上水・下水
産業排水処理システム
陸上養殖施設向け
水処理システム
ろ過装置(フィルタープレス)
水処理設備AOM
(アフターサービス・運転管理・薬剤販売)
スラリーアイスプラント

エネルギー

日立造船の主力製品であるごみ焼却発電施設は、温室効果ガス排出の削減に貢献しています。

他にもメタン発酵システムや風力発電など、幅広いエネルギー分野でCO2の削減に貢献しています。

ごみ焼却発電施設

廃棄物を燃やして衛生的に処理しながら、エネルギー資源として発電する施設。

環境技術によって地球環境の保全に貢献したいという理念のもと、全世界にごみ焼却・発電施設を994施設も納入しています。

引用 日立造船公式HP

メタン発酵システム

固形有機性廃棄物(生ごみ・剪定枝・紙など)をメタン発酵させ、バイオガスに変換するシステム。

可燃ごみから前処理設備を用いて、バイオマス原料を選別し、エネルギー回収を行います。

バイオマス由来のバイオガスは再生可能エネルギーで、CO2削減に貢献します。

引用 日立造船公式HP

風力発電

風力発電は自然エネルギーを活用し、CO2削減に貢献するグリーン電力。

風力発電は、再生可能エネルギーの中でも比較的コストが低く、世界的に圧倒的な支持を受けて高い成長を続けています。

風力発電所の建設にあたっては、多くの要因を考慮する必要がありますが、日立造船は事業開発を行うノウハウを有しているのが強みです。

日立造船は、新規の事業土地開発から建設・事業運営まで、一貫して取り組んでいます。

引用 日立造船公式HP

造水・水処理

日立造船は、海水淡水化・産業用水処理などの水事業を展開し、世界の水需要に貢献しています。

海水淡水化プラント

海水淡水化プラントは、海水を処理して淡水(真水)を作り出す設備。
日立造船はニーズに合わせて3種の海水淡水化技術を提供。

  • 逆浸透膜法(RO:Reverse Osmosis)
  • 多段フラッシュ法(MSF:Multi Stage Flash)
  • 多重効用法(MED:Multiple Effect Distillation)

世界中の慢性的に真水が不足している地域に、海水淡水化設備を建設して、人工的に水サイクルを作り、地域の社会や人々に貢献しています。

近年ではカタールにて大型ROプラントの建設を行い、約27万m3/日の水を供給しています。

引用 日立造船公式HP

上水・下水・産業排水処理システム

【上水・工業用水処理システム】
水道水の水質基準強化と飲料水の質に対し、取水から浄水まで一貫したシステムで調査・設計・施工を行う。

【下水処理システム】
先端技術で美しい水環境を守るとともに、下水道の環境負荷の低減、循環型社会の構築に取り組む。

【産業排水処理システム】
工業分野において、排水の性状と要求される処理レベルに合わせて、ご要望に応じた信頼性の高い処理システムを提供。

日立造船の排水処理システムは、工業用水による河川の水質汚濁を防ぐなど、人々のくらしと産業発展を支える水資源に貢献しています。

引用 日立造船公式HP

機械…安心安全な食料や空間除菌装置

次に機械事業についてみていきましょう。

機械事業も事業内容が幅広いため、特にSDGsへの取り組みに関連して、人々の安心安全な生活に貢献している事業をいくつか紹介します。

全事業内容を確認したい方は以下をクリックしてください。

機械事業における全事業内容一覧
日立造船 機械事業 事業内容一覧
舶用機器 舶用ディーゼルエンジン
舶用SCRシステム
舶用甲板機械
舶用海洋生物付着防止装置
精密鋳造品 反射防止膜・防汚膜装置
真空装置、ATV装置
真空バブルラプチャーディスク
研磨装置、精密研磨
半導体・液晶関連鋳物製品
(ラッピングプレート)
一般産業用鋳物製品
FA、検査システム、レーザー
プラスチックシート・フィルム製造装置
パターン転写装置
電子制御機器 電子ボードおよびユニット製品
制御システム
高精度GNSS利用システム
GPSデータサービス
鉄道映像ソリューション
プラント機器 プロセス機器
原子燃料
サイクル関連設備
ボイラ
プレス機械
食品医薬滅菌 充填・包装ラインシステム
電子線滅菌・深紫外線システム
異物選別装置
生産ライン映像記録システム
シリアライゼーション・
アグリゲーションシステム

食品・医薬・滅菌機器

食の安全や食品ロスの問題を解決することで、安全安心な食物の提供につながっています。

生産ライン映像記録システム「食レコ」

人(作業)・物(材料・製品)・装置(機械)などの、食品工場における検証ポイントの映像をもれなく、賞味期限以上の期間記録可能。

人の目で製品を検品すると、判定基準があいまいだったり、熟練者頼りであったりと検品が属人化してしまいます。

日立造船の映像記録システムでは、カメラ画像とAIを用いて自動検品できるようになり、省力化・省人化と品質の均一化が図れます。

引用 日立造船公式HP

異物選別装置
  • カット野菜向け異物選別装置
  • ドライ製品向け異物選別装置
  • 振動風力選別装置

食の安全・安心に対して消費者の意識は高く、企業側は高い食品衛生管理が求められています。

とりわけ食品への異物混入には、最新の注意を払う必要があります。

日立造船は、35年以上も異物選別装置製造に携わっており、納入実績は2022年1月時点で約500社以上/約2,000台以上になります。

引用 日立造船公式HP

空間除菌機「ACSTERIA」

業務用の空間除菌機。
深紫外線LEDにより、空気中に浮遊するウイルスを99.9%除菌できる。

病院、公共施設、保育所・幼稚園、学校、緊急避難場所などを対象に開発された、業務用の空間除菌機です。

室内空気をファンで吸込み、深紫外線LEDを空気に直接照射することで、空気中の微生物やウイルスを除菌します。

深紫外線の光は装置外部に漏れることはなく、人体への悪影響はありません。

「ACSTERIA」の特長
  1. 250 ㎡(約 150 畳)までの空間を深紫外線LEDのみで除菌
  2. 業界最高出力の LED による空気への直接照射で除菌
  3. 水銀を使用せず環境負荷低減
  4. 100V用電源にコンセントを差込むだけ
  5. 装置下のキャスターで可搬式

感染症対策の一環として換気が推奨されていますが、十分な換気が難しい室内は、ACSTERIAの空間除菌が感染症対策として期待できそうです。

引用 日立造船公式HP

インフラ…自然災害から人命を守る

インフラ事業は、人々の生活を支える重要な事業です。

日立造船は、自然災害の多い日本で持続可能な防災・減災社会を実現します。

東京湾のランドマークとして親しまれている、東京ゲートブリッジの建設を担当したのも、実は日立造船です。

ここでは、SDGsへの取り組みに関連して、安全・安心な社会の実現の観点から、災害に強い街づくりに貢献する事業を紹介します。

全事業内容を確認したい方は以下をクリックしてください。

インフラ事業における全事業内容一覧
日立造船 インフラ事業 事業内容一覧
社会インフラ防災設備 橋梁
水門、鉄管
シールド掘進機
鋼製煙突
海洋土木
フラップゲート式水災害対策設備
洋上浮体構造物
鉄鋼構造物
鉄鋼構造物保全・耐震
生産情報処理
放電破砕工法
GPS測位システム

橋梁

日立造船の橋梁事業は、100年以上にわたって人々の生活を支えるインフラ整備に携わっています。

近年、津波や豪雨による浸水などの被害が深刻化しており、そのような浸水被害を食い止めるための設備を提供しています。

フラップゲート式水災害対策設備

津波や高潮など、自然そのものの力を最大限に利用して、浸水被害を防止する設備。

津波や高潮などの自然の力を最大限に利用することにより、最も安価な防御施設を追求しています。

また、人為操作なしで自立閉塞することができる設備もあり、確実な作動と操作員の安全確保を両立します。

引用 日立造船公式HP

以上、日立造船の各事業区分から、SDGsへの取り組みに関連して一部の事業をご紹介しました。

日立造船という企業名からは想像できないほど、幅広く事業を展開していることがわかりました。

世界をまたにかけてSDGsへの取り組みに貢献する日立造船は、今後ますます地球の環境保全に対して大きな役割を担っていくと予想されます。

日立造船は、人々の生活を支えている企業です。
事業内容をみるだけでも、日立造船は潰れる心配はなさそうだと言えるのではないでしょうか。

この章で触れなかった【その他事業】について、は次の章で取り上げたいと思います。

日立造船は将来性が高い!全固体電池の開発について

日立造船の将来性を予測するために、次世代エネルギーとなる全固体電池の開発について、みていきます。

日立造船は、今まで培ってきた技術力を活かして、新しい分野への技術開発にも積極的に取り組んでいます。

その中で、最も注目されているのが全固体電池です。

全固体電池について知ることで、日立造船の将来性に期待が持てるかと思います。

その他事業における全事業内容一覧
日立造船 その他事業 事業内容一覧
機能性材料 全固体リチウムイオン電池
垂直配向性CNTシート材
ゼオライト膜分離システム
受託生産 有明工場の受託生産サービス
向島工場の受託生産サービス
堺工場の受託生産サービス

全固体電池とは?

まずは、全固体電池について簡単に説明します。

全固体リチウムイオン電池

全固体リチウムイオン電池は、液体だった電流を発生させるための「電解質」を固体にした仕組みの電池である。

特殊な環境で安全に電池を使用することが求められる工場、インフラ、産業機械などに適した次世代電池として期待されている。

従来の液体電解質は危険な物質なため、丈夫な容器が必要でしたが、全固体電池ではそれが不要になるため、形状の縛りがなくなります。

全固体電池の特性
  1. 液体電解質を使用しないため、発火リスクが低い
  2. 発熱リスクがないため、超急速充電が可能
  3. エネルギー密度が高いため、小さい中にも多くの電力を蓄えられる
  4. 温度環境の耐性幅が広く、性能の低下をおこしにくい
  5. 電解質が固体のため、劣化などの副反応が少なく長寿命
  6. 構造や形状が自由で、薄型など柔軟な電池を実現
  7. 小さな層を重ねることで大容量化が可能

それでは、日立造船が開発する全固体電池について、詳しくみていきましょう。

日立造船の全固体電池の特徴

2021年3月、日立造船は世界最大級の全固体電池の開発に成功したと発表しました。

日立造船の全固体電池
  • 容量は1000mAh(ミリアンペア)
  • エネルギー密度の上昇に成功
  • 難燃性をもつ固体電解質のため安全性が高い
  • 広い動作温度範囲(-40℃~100℃)
  • 真空空間でも動作可能

広い動作温度範囲で真空空間でも動作できることは、日立造船が開発した全固体電池の大きな強みです。

引用 日立造船公式HP

日立造船の全固体電池の用途

日立造船の全固体電池は、優れた耐環境性を活かして様々な用途が期待されています。

日立造船の全固体電池の用途
  • 真空かつ高温低温になる航空宇宙で使用する機器
  • 特殊な環境で安全が求められる工場、インフラ、産業機械
  • 高温殺菌を要する医療機器

特に真空空間で動作可能なことから、宇宙での全固体リチウムイオン電池の実用化に向けて、JAXAと実証実験を行っています。

【JAXAとの取り組み】

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と当社は、世界で初めての宇宙での全固体リチウムイオン電池の実用化に向けた実証実験に関する共同研究契約を締結しました。
実証実験では、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに設置される中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)上の船外小型ペイロード支援装置(SPySE)にAS-LiB®を設置し、過酷な環境でAS-LiB®が稼働できるかを確認します。
今後、AS-LiB®の宇宙実証に必要となる装置の開発、及びその検証試験等を行い、2021年秋以降にISSに向けて打ち上げ、2021年末より約半年間、実証実験を行う予定です。

引用 日立造船公式HP

全固体電池の課題

ここまでお伝えした情報だとなんだかすごそうに思いますが、実用化に向けての課題はまだまだ山積みです。

全固体電池の課題
  • 容量増
  • 量産化
  • 価格の安定

実は最新のiPhoneの電池容量と比べると、1/4以下の電池容量しかありません。

全固体電池は開発途中であり、実用化に向けての道のりはまだ遠く感じます。

電池容量比較
iPhone13 Pro Max 日立造船 全固体電池
4,352mAh 1000mAh

しかし、まだまだ容量が小さいからといって、悲観する必要は全くありません。

2016年に日立造船が開発した全固体電池の容量は140mAhなのに対し、今回は約7倍の容量となり、技術は確実に進化していますね。

全固体電池の量産化が可能になれば、市場が大きく成長します。

日本発の技術として、日立造船が開発する全固体電池の将来性に、期待したいです。

まとめ

  • 2022年1月現在、日立造船の業績は好調
  • 日立造船の財政面も大きな問題はない
  • 社名と事業内容の不一致が「潰れる」と言われる要因
  • 日立造船はSDGsに力を入れている
  • 日立造船は環境プラント・機械・インフラ等多岐に渡る事業を展開
  • 日立造船が開発する全固体電池に期待

日立造船について「潰れる」という不穏な噂を打ち消すため、経営状況や事業内容などを詳しく調べてみました。

日立造船の事業内容から、私たちの安心・安全な生活を支えてくれている企業だということがわかりました。

SDGs(サスティナビリティ)へ貢献しているという点でも、とても素晴らしい企業だなと思います。

今後、全固体電池の開発がどうなるか、期待を込めて見守っていきたいです。

関連コンテンツ(レスポンシブ)



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする