あなたは、「気付」の正しい書き方を知っていますか?
気付とは、郵便物や宅急便を相手方の住所に送るのではなく、相手の立ち寄り先や関係のある場所に送る時に、宛先の下につける語です。
気付は、書類などの入った封筒に書かれているのを見ることが多いですが、宅急便で荷物を送るときにも使えます。
ビジネスシーンや普段の生活でも、気付の書き方を知っていると郵便物や宅急便を送る時にとても便利です。
しかし、使う機会がなければ、気付の正しい知識や書き方を知らない人も多いのではないでしょうか。
気付の正しい書き方や注意点、また郵便物や宅急便を送る中でもどんな場面で気付を使うのかを詳しく解説していきます。
目次
気付の書き方で宅急便の基本はこれ!注意点も
メールでのやり取りが増えた現代では、気付を使う機会は減っています。
ですが全く無いわけではなく、また、宅急便で荷物を送る時にも使えるのでぜひ理解しておきたい言葉です。
基本的な気付の書き方
まず、気付の基本的な書き方をお教えします。
気付を書くシーンによって多少応用はありますが、基本的な書き方は変わりません。
宅急便のときは、送り状の宛先欄に送付される施設や部署、そのあとに「気付」と記入し最後に本人の名前を記入します。
封書などの郵便物を送る際は、宛名の施設や部署の後に「気付」を書き、改行して相手の名前を記入します。
気付を使うときに押さえておくべき注意点
書き方が分かるととても便利な「気付」ですが、注意する点もあります。
気付を使って送る際は、以下の5つを注意してください。
①個人宅に送るときは気付は使わない
気付は、相手が一時的に立ち寄っている場所、例えば会社やホテルなどの組織や団体に送るときに使います。
気付は個人宅に送る場合は使えず、代わりに「様方」を使いましょう。
また、その個人宅に同居している場合も同じく使えます。
似ているようですが、組織や団体を経由するときは「気付」、個人宅を経由するときは「様方」という区別をします。
【例】Aさんのお宅に同居する○○さんに送る場合
A様方
○○様
②気付の後は必ず改行する
気付を使うときは、その後ろに必ず相手の名前を記入します。
このとき、気付のあとは必ず改行しましょう。
改行することで、立ち寄り先と誰宛に送るのかが分かりやすくなります。
③「御中」や「様」と同時に使わない
気付は相手の立ち寄り先や関係先に対して使います。
立ち寄り先の会社や団体に属しているわけではないので、気付は「御中」や「様」と同時には使えません。
例えば、以下のような使い方はNGです。
ただし、気付の後の宛名に対しては「御中」や「様」は使えます。
④返信用封筒の「気付」は消さなくて良い
送られてきた郵便物や荷物に返信用封筒があり、気付と書かれていた場合、消したほうが良いか迷う人もいるかもしれません。
気付はそのままで、返信する相手に対して記入してある「行」を「様」または「御中」と書き換えて返送しましょう。
⑤メールではほぼ使用しない
これは実際に物を送るのではなくメールを送るときの注意点になりますが、気付はメールではほぼ使用しないと考えて良いです。
例外として、特にビジネスシーンでまれに使う場合があるので、知っておくと良いですよ。
例えば、出張中の社員にメールを送りたいが、その社員がメールの送受信ができないときが挙げられます。
その場合、相手のいる部署やその部署の誰かに送り、相手に取り次いでもらうことになります。
相手に取り次いでほしいときは、メールのタイトルに「気付:○○社のAにお渡しください」と記載します。
社外秘でないことを確認してから送信しましょう。
気付の意味と使う理由
「気付」は「きづけ」または「きつけ」と読み、意味は以下の2つです。
- 注意を促す
- 郵便物を直接相手の住所に送らず、相手の職場や立ち寄り先に送る
英語の「care of」の直訳が由来とされていて、郵便物や宅急便の荷物を受け取った相手に注意するよう呼びかける意図があります。
気付は宛名の下に書きますが、その場合受け取った人が本人に渡します。
さらに「気付」と書くことによって配達員も、住所ではなく立ち寄り先に届けるものだということがすぐに分かります。
気付の書き方で会社に送る場合をマスターしよう
実際に、気付を使うことが多いのはビジネスシーンです。
会社に送るときは相手に失礼のないように正しい書き方やマナーを知っておきたいですよね。
会社へ送る場合、主に以下の2つのパターンがあります。
それぞれの場面で見ていきましょう。
宅急便で荷物を送る場合には、宛先の住所欄に「気付」まで書くことを注意してくださいね。
【パターン①】間借りしている別会社に送る時
子会社が親会社の一部を間借りしているなど、大きな会社の一部にある別会社に送るときは「気付」を使います。
また、最近ではシェアオフィスも増えているので、1つの建物に複数の会社が入っているということもありますよね。
宛先が個人ではなく組織や部署宛ての場合は、宛先の最後に「御中」をつけます。
この場合、以下のように書きましょう。
【例】親会社▲▲に間借りしている子会社○○の営業部に送る書き方
このとき間違いが多いのは「▲▲会社御中気付 ○○会社営業部御中」と書いてしまうことです。
【パターン②】出張している社員に送るとき
出張中の社員に郵便物や荷物を届けたいとき、気付を使って送ることができます。
当たり前ではありますが、個人に送るものなので、宛先の最後には「様」をつけます。
この場合、以下のように書きましょう。
【例】▲▲会社に出張中のAさんに送る書き方
出張先の部署もあれば、気付の前に記入しましょう。
気付の書き方はホテルや様々な場面で使える
ホテルに滞在している時にも気付を使えば、郵便物や荷物を受け取れて便利です。
ビジネス以外でも、旅行中に荷物が多くて大変だった経験があれば、ぜひ書き方を知っておくと良いでしょう。
会社に送る場合と同じく、宅急便の場合には送り先の住所欄に気付まで記入しましょう。
では、ホテルで気付を使うパターンと注意点を解説していきます。
【パターン①】ホテルに滞在中の相手に送る時
ホテルに滞在している相手に送る時は、宛先に「○○ホテル フロント気付 A様」と記入します。
相手の部屋番号がわかっていれば、相手の名前の前に記入します。
【例】○○ホテルに滞在しているAさんに送る書き方
【パターン②】自分宛に送る時
旅行やビジネスの際に、事前に郵便物や荷物を送っておきたいときもありますよね。
そんな時にも気付を使います。
自分宛に送る場合、宛先に「○○ホテル フロント気付 A(自分の名前)行」と記入します。
宿泊する日づけと日数も記入し、団体で宿泊代表者がいれば代表者も記入します。
【例】自分宛てに送る書き方
気付でホテルに送る時の注意点!
ホテルに滞在する際にも気付を使って郵便物や宅急便を送ることは便利ですが、注意点もあります。
せっかく送ったのに、手元に届かない!ということがないように、以下の点に注意して気付を上手に使ってくださいね。
①貴重品や壊れやすいものは避ける
宅急便で荷物を送る場合、伝票などが直接貼られてしまうので、ポリ袋に包んだり、梱包材で包んだりするのがおすすめです。
また、万が一配達の際に振動などで壊れてしまわないためにも、壊れやすいものは避けるべきです。
天候の状況などで到着が遅れる可能性も考えて、替えが効かないものは入れないようにしましょう。
②事前にホテルに連絡する
ほとんどのホテルでは対応してくれますが、中にはチェックイン前の郵便物や荷物を受け取らないところもあります。
受け取り拒否をされれば返送されてしまうので、事前にホテルに連絡をしておきましょう。
滞在中の相手に送る時でも、送った際にホテルに連絡を入れておくことをおすすめします。
③配達日数の確認をしておく
万が一天候や運行状況によって配達に遅れが出たときのために、配達日数を確認し1日か2日余裕をもって送るようにしましょう。
ただし、送るのが早過ぎるとホテル側に迷惑が掛かってしまうので、チェックインの1週間以上前に届くことは避けましょう。
気付が使える場面は他にもある!
気付を使う場合によくある場面をご紹介しましたが、他にも使える場面はあります。
使う機会がないと知らない場面が多いので、ぜひ参考にしてくださいね。
①病院に入院している相手に送る
入院中の上司から仕事の資料や荷物を送ってほしいと言われた場合など、気付を使えば送ることができます。
その場合、以下のように病室まで記入しましょう。
【例】入院している上司(Aさん)に送る書き方
○○総合病院101号室 気付
A様
②祝電や弔電を送る
祝電や弔電を送る時にも、気付を使うことがあります。
祝電や弔電は、一般的に相手の住所ではなく、結婚式や通夜や葬儀が執り行われる場所に送ります。
相手の立ち寄り先や関係先に送ることになるので、気付を使いそれぞれ以下のように書きましょう。
【例】祝電を送る場合
○○結婚式場 気付
A様B様
【例】弔電を送る場合
○○葬祭場 気付
A様
まとめ
- 気付の書き方は宅急便にも使えて、宅急便の場合、送り状の宛先の住所欄に気付まで記入する
- 気付を使うときは、個人宅に送る場合気付ではなく様方を使うことや、気付の後は改行するなどの注意点がある
- 気付を使う場面で多いのはビジネスシーンなので、相手に失礼のないように正しい書き方を理解しておくと良い
- 気付ので会社に送るパターンは大きく2つあり「間借りしている会社に送る場合」と「出張中の社員に送る場合」がある
- ホテルに郵便物や荷物を送る場合も気付を使えるが、ホテルへの事前連絡や配達日数の確認など注意が必要
- 気付が使える場面は会社やホテルに送る他に、入院中の相手や祝電・弔電を送るときにも使える
気付は、郵便や宅急便など送る手段を選ばずに使える便利な言葉です。
使う機会がないと、気付の正しい書き方やどんな場面で気付を使うのか迷ってしまいますよね。
気付の正しい書き方に加え、由来は英語だったことや、様々な場面でも使えることは私も初めて知りました。
ビジネスシーンでも、普段の生活でも使える便利な気付を使って、ぜひ郵便物や荷物を上手に送ってくださいね。