クッキーは、お菓子作り初心者でも作りやすいお菓子です。
大人も子供も大好きなクッキーを、おいしく作れたらとても嬉しいですよね。
ですが、そんなクッキー作りは初心者が陥りやすい落とし穴があります。
- 生地がボロボロして固まらない
- 生地がゆるい
クッキー作りをしたことがある人は、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
私もクッキー作りに挑戦したとき、生地がボロボロになって固まらず上手くいかなかった経験があります。
生地が固まらないのは、材料のバランスが悪かったり、水分や油分が浸透していなかったりすることが原因です!
おいしいクッキーを作りたいあなたに、生地が固まらない時やゆるい時の原因と対処法をご紹介していきます。
クッキーの生地が固まらない原因は材料のバランス!?
クッキーはお菓子作りの定番として、初心者でも作りやすいです。
初めて作る人なら、レシピを見ながら作ることが多いですよね。
ちゃんとレシピどおりに作ったはずなのに、生地がボロボロになって固まらないことがあります。
クッキーの生地が固まらない原因には、材料や温度によるバランスが悪いことが関係しています。
生地が固まらない時の原因と対処法をご紹介していきます。
代用材料を使っている
家に材料がないからといって、上白糖の代わりにグラニュー糖、バターの代わりにサラダ油などを使っていませんか?
お菓子のレシピはその材料に合った配分で作られているので、レシピに忠実に作らなければなりません。
【上白糖とグラニュー糖の違い】
材料名 | 特徴 | 大さじ1杯(g) |
---|---|---|
上白糖 |
|
9g |
グラニュー糖 |
|
12g |
上白糖とグラニュー糖は性質が異なり、代用すると生地が固まらない原因になることがあります。
【バターとサラダ油の違い】
材料名 | 特徴 | 大さじ1杯(g) |
---|---|---|
バター |
|
12g |
サラダ油 | 精製された植物油の一種で、無味無臭である。 | 12g |
バターとサラダ油は原材料が違い、サラダ油を使用するとバターを使った時と比べて油分が多くなりゆるくなってしまいます。
代用材料を使っていると、材料同士のバランスが崩れて生地が固まらない原因になってしまいます。
水分や油分が足りていない
クッキーの生地が固まらずボロボロしてしまう原因の1つとして、水分や油分が足りないことが考えられます。
粘土だったり泥団子だったり、形を作るものには水分がないと固まらないですよね。
ちゃんとレシピ通りの分量で作られているでしょうか?
もしかしたら、レシピ通りの計量になっていないのかもしれません。
また、バターが冷えていて固まっていると生地を必要以上に混ぜすぎて、生地が固くなる原因にもなります。
対処法
様子をみながら少しずつ牛乳を足します。
入れ過ぎてゆるくならないようにしてください。
水分や油分がなじんでいない
クッキーの生地が固まらない原因として、水分や油分が生地にちゃんとなじんでいないことが考えられます。
生地にはバターや牛乳、卵などが含まれており混ぜた直後はまだ分離状態です。
対処法水分が抜けないようにラップをして、冷蔵庫で1時間以上寝かせましょう。
クッキーの生地を寝かせると良い理由3つ
クッキーを作る際に生地を寝かせることは、おいしいサクサクなクッキーをつくるために必要な行程です。
生地は寝かせることにより、材料がなじみ生地としてひとつにまとまります。
クッキーの生地を寝かせると良い理由は3つあるので、解説していきます。
【理由1】水分と油分が生地になじむ
寝かせることによって分離していた水分や油分がなじみ、生地がまとまります。
時間をかけて生地に浸透していくのでムラなく材料がなじんで、焼きあがりもサクサクします。
さらに水分や油分がなじむことによって、それぞれの材料のうま味が融合しておいしさが増すのです。
【理由2】生地が固まり型抜きしやすくなる
油分が冷やされ固まることによってまとまりやすくなり、型抜きや形成がしやすくなります。
寝かせる前の生地は油分が固まっていないので柔らかく、型抜きしてもくっついてしまったりと形成が難しいです。
寝かせることで、おいしい味はもちろんですが見た目もキレイにみせましょう!
【理由3】グルテンを抑える働きがある
クッキー生地は、混ぜすぎるとグルテンの働きが活発になり、固くなりすぎてしまいます。
サクサクのクッキーを作るためには、クッキーを固くしすぎないようにすることが必要です。
【グルテンとは】
小麦粉に含まれる「グルテン」というたんぱく質は「水分と力」を加えると、ゴムのような固い物質に変化します。
しかしグルテンは、冷やすと固くなる物質が弱まるという性質があるのです。
冷蔵庫で寝かせることでグルテンの働きを抑え、固くなりすぎるのを防いでくれます。
寝かせる時間は、長すぎるということはないので、一晩寝かせてしっかり休ませても大丈夫です。
ただ2日、3日と寝かせすぎると食材の劣化が始まってしまうので注意してください。
ワンポイントグルテンの働きを抑えるには、生地を寝かせる時間は最低でも1時間はとりましょう。
クッキーのサクサク感は、グルテンの働きをしっかり押さえられるかどうかが大事となっています。
クッキーの生地がゆるいのは卵の大きさと生地温度
クッキーの生地がボロボロで、固まらない時の対処法はお伝えしてきました。
では逆に生地がゆるくてまとまらない時は、どうしたらよいのでしょうか?
クッキーの生地がゆるい原因は、実は温度が高すぎることが考えられます。
生地がゆるい時の原因と対処法を、解説していきます。
【原因1】サイズにより卵1個の大きさが異なる
生地がボロボロして固まらない時の原因と逆で、水分と油分が多い可能性があります。
材料の計量を、しっかりとレシピ通りにすることが基本です。
考えられる原因としては、卵の大きさの違いです。
同じ「卵1個」でも、SサイズだったりMサイズだったり大きさが異なりますよね?
卵は計量の際に誤差が生まれやすい材料なので、生地がゆるい原因になりやすいです。
【原因2】温かい材料だと生地の温度が高くなる
クッキーの生地がゆるい原因として、生地の温度が高い可能性があります。
材料としてバターを使用することが多いですが、バターを温めて溶かしていませんか?
温まったバターの熱で、生地がゆるくなってしまう原因になります。
バターは前もって冷蔵庫から出して常温にしておきましょう。
温度管理をしっかりとして、生地をゆるくさせないようにしましょう。
対処法
一つにまとめてラップをして冷蔵庫で冷やしましょう。
それだけ、クッキー生地は温度が大事だということをまとめてみました。
- ゆるいときは粉っぽくならないように、少しずつ小麦粉を足します。
1時間ほど冷蔵庫で冷やすと、油分なども冷やされて生地が固くなります。 - クッキー生地は温度が高いとゆるくなってしまいます。
冷蔵庫から出した時に外の温度が高いと、時間が経つにつれて生地が温められて、ゆるくなってしまいます。 - 形成する作業台も温度が高いと生地がゆるくなってしまいます。
作業台は、冷やしたり素材を変えたりするのは難しいですので、室温を涼しいくらいにしておくと生地が形成しやすくなります。
クッキーの生地を冷凍保存する方法を状態別で紹介
基本的に、クッキーは常温での保存が適しています。
焼くときにカビや菌が熱で死滅してしまうので、常温で保存しても傷みにくいお菓子です。
しかし、きちんと密封していても保存期間は1週間が目安で、夏場などはもっと短くなってしまいます。
クッキーの生地は正しく保存ができれば、長期間の冷凍保存が可能です!
冷蔵庫で寝かせても、生地がまだゆるい時に使える方法でもあるので、参考にしてくださいね。
正しい冷凍保存の方法を状態別で解説していきます。
【冷凍と解凍方法1】クッキー生地を焼く前
クッキー生地を焼く前の状態で冷凍保存しておく方法です。
もし生地がゆるくて形成できなくなった時にもこの方法は使えます。
【型抜きクッキーの場合】 |
---|
|
■解凍方法■ |
※完全に解凍してしまうと、やわらかくて形成しづらくなる可能性があるので、半解凍状態で形成するのがオススメ。 |
【アイスボックスクッキーの場合】 |
---|
※アイスボックスクッキー生地は冷凍するとカチコチに固くなります。 解凍してから残りを再び冷凍することのないように、一回で焼く量ごとに分けておきましょう。 |
■解凍方法■ |
|
【冷凍と解凍方法2】クッキー生地を焼いた後
焼いた後のクッキーは、保存する前に水分を失くすことが必要です。
風通しが良く涼しいところに置いてよく乾燥させてください。
冷凍保存方法 |
---|
※焼いた後のクッキーは割れやすいので、冷凍用の容器などに入れてあげると割れる心配がありません。 |
■解凍方法■ |
|
解凍前のクッキーは、冷蔵庫もしくは冷凍庫から出した後に温度差で結露が出る可能性があります。
風通しの良い涼しい場所で解凍するのがポイントです。
■注意!■
- 冷凍保存するクッキーは極力何も入っていないシンプルなクッキーにしてください。
- チョコチップやドライフルーツなど、水分を含む食材が含まれているクッキーは冷凍に適していません。
- 冷凍することにより素材の風味が落ちてしまい、解凍した際の水分がカビの発生源になる可能性があります!
【冷凍保存の日もち】最長1か月の長期保存可能
ここまでクッキーの冷凍保存方法について述べてきました。
クッキーを正しく冷凍すれば、焼く前も焼いた後も長くて1カ月の保存が可能です。
しかし、長期間保存すると冷凍焼けを起こしたり冷凍庫のにおいが移ったりしてしまいます。
そのため、1カ月以内で食べきるようにするとおいしさを保てるようです。
■注意!■
- 焼いた後のクッキーを長期間冷凍保存すると、湿気てしまいおいしくなくなる可能性があります。
- 1週間~2週間を目安にするとおいしい状態で食べられます。
【常温保存の日もち】高温多湿は避けて1週間
クッキーは常温保存に適しているお菓子ですが、手作りクッキーは市販のクッキーと違い、消費期限が短いです。
手作りクッキーは賞味期限が3日ほど、消費期限は1週間となります。
もし常温保存するときには、クッキー自体に水分がないことが大事となっています。
クッキーを焼いた後は、荒熱をとって風通しの良い場所で十分に乾燥させてください。
高温多湿や直射日光は避けて、風通しの良い涼しい場所で保存してください。
乾燥剤と一緒に空気を抜いて保存用袋に入れておくと、乾燥を防ぐことができます。
ただし、夏場は特に気温が高くなるので常温保存ではなく、冷蔵か冷凍保存をオススメします。
保存した時と様子が違ったら食べないで!
保存方法に気をつけていても、食品が劣化してしまい食べられない場合があります。
次の状態が見られた時には、食べないでくださいね。
- 表面にカビが生えている
- 変なにおいがする
- 糸を引いている
- 食べると変な味がする
解凍する時や食べる時に、少しでも変だと感じたら食べることをやめた方が良いでしょう。
夏場は特に気温が高くなるので、解凍時には劣化が進んでしまう可能性がありますので、注意が必要です。
一度解凍したものを再度冷凍してしまうと食材の劣化を招いてしまいますので、再冷凍はしないでください。
保存方法を守り、おいしいクッキーを楽しめるようにしましょうね。
まとめ
- 代用材料を使うことで材料のバランスが悪くなるとクッキーの生地は固まらない
- 水分と油分が足りないと生地はボロボロして固まらない
- ひとつにまとめて冷蔵庫で寝かせると、材料がなじんで生地がまとまりやすくなる
- 冷蔵庫で寝かせることで、生地を固くするグルテンの働きを抑えてサクサクの食感になる
- クッキーの生地がゆるいのは、材料のバランス以外に温度が高いことが考えられる
- クッキーは常温保存が基本だが、冷凍保存もできる
- 冷凍保存期間は長くても1カ月だが、保存時と状態が違う場合は食べてはいけない
お菓子作り初心者でも作りやすいクッキーですが、作りやすいからこそ作り方が甘く失敗につながってしまいます。
レシピに忠実に、生地は寝かせることを大切に作ればおいしいクッキーが作れます。
生地が固まらない、ゆるいときにはぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
そして、素敵なお菓子作りの時間を過ごしてください。