家のプライバシーを守るために、庭やベランダなどの視線対策は必須ですよね。
塀や目隠しフェンスなどを設置する方法もありますが、樹木で目隠しをすることで、庭やベランダを素敵に演出することができます。
樹木での目隠しは、風や日光を通すため、自然の景観を楽しめるのが魅力です。
しかし気になるのは虫問題。
絶対に虫がつかない木というのはありませんが、虫がつきにくい木を選ぶことは可能です。
目隠し木を隣家との境に植えるのであれば、ご近所迷惑にならないよう、できるだけ虫がつかない木を選ぶ配慮も重要ですね。
この記事では、目隠し木を選ぶポイントと比較的虫がつかない庭木、また、ベランダや玄関にも置ける鉢植えの目隠し木についてご紹介します♪
ぜひ目隠し木を選ぶ参考にしてみてください!
目次
目隠し木には虫がつかない木を選ぼう!選び方を解説
まずは、目隠しに適した樹木の選び方を紹介します。
- 害虫がつきにくい木
- 葉密度が高い常緑樹
- 剪定に強い萌芽力の強い木
- 家の立地環境に合った木
(地域・土壌・日照条件) - お手入れが可能か
選ぶ際に気を付けるべきポイントをしっかり押さえて、あなたのお庭に合った目隠し木を見つけましょう!
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害虫がつきにくい木を選ぶ
庭に樹木を植えるとなると、気になるのは害虫です。
害虫は、樹木を枯らしたり、土壌を汚染する可能性があります。
目隠し木として樹木を植えるのであれば、比較的虫がつかない木を選ぶことが重要です。
隣の家との境に目隠し木を植える場合も、虫が繁殖して隣家にまで被害が及んでしまったら大迷惑!
植物の中には、虫が嫌う匂いを持つものがあり、特にハーブのように強い香りを放つ植物は、その成分が防虫剤として利用されることもあります。
葉密度が高い常緑樹を選ぶ
目隠し木には、常緑樹で葉密度が高い木がおすすめです。
常緑樹とは、一年を通して緑色の葉を絶やさない樹木で、目隠し木として最適です。
しかし、常緑樹は落葉しないわけではなく、常緑樹でも葉の入れ替わりのサイクルがあります。
常緑樹は葉を一斉に落とすタイミングはありませんが、多くは1年~3年のサイクルで新しい葉が出て古い葉が落ちていきます。
葉がスカスカだと目隠し木の役割を果たせないため、目隠し木を選ぶポイントとして葉密度も重要な指標です。
剪定に強く萌芽力が高い木を選ぶ
目隠し木だからといって、大きな葉の樹木を選べばいいわけではありません。
木は必ず成長するものであり、定期的な剪定・刈り込みは必須です。
重要なのは、剪定により枝がカットされた際、切り口付近から芽が出て枝が再生する「萌芽力」です。
植栽当初は目隠し効果が薄い庭木でも、萌芽力が高ければ度重なる剪定により萌芽が促され、葉密度の高い木へ成長させる事が出来ます。
- 木が大きくなりすぎないように調整する
- 枯れた枝や病害虫の被害を受けた枝を取り除く
- 木のなかの日あたりと風通しをよくし、病気や害虫の発生を予防する
- 樹形を美しく整える
- 花や実のつきをよくする
樹木を美しく保つ為だけでなく、特に害虫対策の観点からして、どの種類の樹木にとっても剪定は欠かせませんね。
家の立地環境に合わせて選ぶ
目隠し木を選ぶときは、耐寒性・耐暑性・耐陰性などを加味して、ご自宅の環境に合った常緑樹を探しましょう。
家の立地環境に適さない場合、木が育たず目隠し木の役割を果たさなくなってしまいます。
木の種類によって、成長のスピードや根の張り方、適する土壌や日当たりなど、性質がかなり異なります。
樹木のイメージだけでなく、性質や成長した時の樹形も考慮して、目隠し木を選ぶことが大切です。
お手入れしやすい木を選ぶ
木の性質に合わせたお手入れがしっかりできるかどうか、きちんと考えた上で選ぶ必要があります。
庭木は成長が早いと、目隠し木として早く効果を発揮する一方、葉が生い茂って道路にはみ出たりするので、剪定頻度が多くなります。
そして、花が咲く木や実がなる木は、季節によって掃除が必要になってきますし、常緑樹だからといって、落ち葉がないわけではありません。
落ち葉を掃除する手間は、雨風など様々なタイミングで発生します。
また、比較的虫がつかない木を選んだとしても、まったく虫がつかない木はありません。
どのような害虫対策が必要になってくるか、事前に確認しておきましょう。
- 剪定頻度
- 枯れ葉や花や実の処理
- 害虫駆除
- 肥料散布
- 薬剤散布(害虫対策)
目隠し木のおすすめ5選!虫がつきにくい庭木
それでは、具体的に虫がつきにくいおすすめの目隠し木をご紹介していきましょう!
前章でご紹介した選び方のポイントを踏まえ、参考にしてみてください。
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金木犀(キンモクセイ)
道を歩いていて、ふわっと金木犀(キンモクセイ)の甘い香りがすると、秋の訪れを感じますよね。
金木犀は、どこか懐かしさを感じる魅惑的な香りと、小さなオレンジ色の花が魅力の常緑樹です。
栽培難易度 (5段階) |
★★ |
分類 | 常緑小高木 |
高さ | 5~6m |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
病害虫 | 比較的病害虫の被害が少ない |
葉密度 | 高い |
萌芽力 | 高い |
生育環境 | 日当たりと風通しが良い場所 大気が汚れていると花つきが悪い |
剪定時期 | 秋のお花が終わった後 |
花色 | オレンジ |
開花時期 | 9月~10月 |
花言葉 | 「真実」「謙遜」「気高い人」 |
金木犀はとても丈夫で、病害虫の被害にあいにくいという優れた特徴があります。
金木犀の強い花の香りが、害虫などを寄せ付けない効果を発揮するようです。
しかし、風通しの悪い環境では褐斑病※を起こしやすいので、剪定をして風通しを良くする必要があります。
※褐斑病…褐色の小さい斑点がぽつぽつでき、進行すると同心円状に斑点が広がる。
- 秋にオレンジの花と魅力的な香りを楽しめる
- 成長が速く大きくなる
(剪定で調整可能)
- 花が散った後の掃除が必要
- 寒さや過度の湿度を嫌う
- 成長が早いため、風通しをよくするための剪定が重要
ギンヨウアカシア(ミモザ)
ミモザは、春先に咲く黄色の花と、銀色がかったグリーンの葉とのコントラストが美しい樹木です。
ポンポンのような可愛らしい黄色い小花を、枝葉が埋もれるほど大量に咲かせます。
イタリアでは3月8日を「女性の日」とし、女性へ日頃の感謝を込めて、男性から女性へミモザの花を贈る習慣があります。
栽培難易度 (5段階) |
★★★ |
分類 | 常緑高木 |
高さ | 5~10m |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
病害虫 | 比較的病害虫の被害が少ない |
葉密度 | 高い |
萌芽力 | 高い |
生育環境 | 風通しと日当たりが良い半日陰 |
剪定時期 | 花が終わった後5月~6月 |
花色 | 黄色 |
開花時期 | 3月~4月 |
花言葉 | 「優雅」「友情」「思いやり」「エレガンス」「堅実」 |
ミモザは葉や枝の密度が高く、目隠し木として活躍します。
枝振りがよく見栄えがいいため、家のシンボルツリーとしても人気です。
ミモザは成長が早く非常に大きくなるので、植える場所を考える必要があります。
- 春先にたわわに咲く黄色い花と優しい香りが楽しめる
- 痩せ地でも育つ
- 成長が早く大きくなる(剪定で調整可能)
- 強風で枝が折れることがある
- 病害虫の被害に合いにくいが、カイガラムシには注意
- 成長が早いため剪定が重要
フェイジョア
フェイジョアは、南国由来のエキゾチックな花と鮮やかなグリーンの葉、そして香り高い果実が楽しめます。
フェイジョアは別名をパイナップルグアバといい、果肉はパイナップルのような香りがあり、生食やジャムにして食べられます。
栽培難易度 (5段階) |
★★★ |
分類 | 常緑小高木 果樹 |
高さ | 1.5m~6m |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
病害虫 | 比較的病害虫の被害が少ない |
葉密度 | 高い |
萌芽力 | 高い |
生育環境 | 日当たりが良く水はけのよい場所 |
剪定時期 | 発芽前の3月~4月 |
花色 | ピンク |
開花時期 | 7月~8月 |
実がなる時期 | 10月~11月 |
花言葉 | 「実りある人生」「満ち足りた」「情熱に燃える心」 |
剪定に強く、病害虫にも比較的強いため、庭木として育てやすい果樹です。
年間を通して日当たりの良い場所に植えましょう
- 果実を楽しめる
- 剪定維持がしやすい
- 病気や害虫の心配が少ない
- 強風や雪で枝が折れやすい
- 陽当たりを好むが乾燥に弱い
ソヨゴ
ソヨゴは光沢のあるグリーンの葉と赤い果実が美しい樹木です。
枝葉は少ないですが、萌芽力が高いため、目隠しの庭木として活用する事ができます。
枝葉の間から光が差し、風が抜ける柔らかな雰囲気が楽しめます。
栽培難易度 (5段階) |
★★ |
分類 | 常緑広葉樹 小高木 |
高さ | 5m~10m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
病害虫 | 比較的病害虫の被害が少ない |
葉密度 | 高い |
萌芽力 | 高い |
生育環境 | 日当たりの良い場所から半日陰まで 適応環境は幅広い |
剪定時期 | 3~5 or 7~8月 |
花色 | 白 |
開花時期 | 5月~6月 |
実がなる時期 | 10月~11月 |
花言葉 | 「先見の明」 |
成長が緩やかで庭の中でもあまり場所を取らず、育てやすい樹木なので、初心者の方にもおすすめです。
比較的病害虫の被害が少なく、特に毛虫がつきにくいということで有名です。
しかし、絶対に被害にあわないということはなく、日当たりや風通しが悪いとカイガラムシが付くことがあります。
ソヨゴの赤い実が付くのは雌株です。
雄株が近くにないとうまく結実しないため、赤い実を楽しみたい方は注意してください。
- 秋に赤い実と緑の葉のコントラストを楽しめる
- 日陰でも生育できる
- 成長が緩やか
- 強い西日があたる場所は葉焼けする
- 大きく育てるには時間が掛かる
ギンバイカ(マートル)
春に梅に似た花を咲かせるところから、和名を銀梅花(ギンバイカ)と言います。
光沢のある明るいグリーンの葉には芳香があり、ハーブ(マートル)として扱われます。
ヨーロッパでは昔からマートルを神聖な樹とし、「祝いの木」とも言われ、結婚式で使用されてきました。
神話・伝説にも多く登場しており、神木として崇められ、不死・復活の象徴としても大切に扱われてきた樹木です。
ギンバイカは生命力が強く萌芽力が高いため、シンボルツリー、目隠し木、生垣など様々な用途で人気があります。
栽培難易度 (5段階) |
★★★ |
分類 | 常緑広葉樹 低木 |
高さ | 1m~3m |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
病害虫 | 比較的病害虫の被害が少ない |
葉密度 | 高い |
萌芽力 | 高い |
生育環境 | 日当たりの良い場所から半日陰まで 適応環境は幅広い 日当たりがよいほうが花は多く咲く |
剪定時期 | 花が終わった6~7月 |
花色 | 白 |
開花時期 | 5月~6月 |
実がなる時期 | 10月~11月 |
花言葉 | 「愛」「愛のささやき」 |
成長力が旺盛で、周囲に遮るもの(フェンスや他の植木)が少ない場所で、自由に育てられる暖かい場所への植栽がおすすめです。
ハーブ特有の芳香によって虫を寄せ付けない為か、主だった病気・害虫が見られないのが特徴です。
- 花期が長く美しい花を楽しめる
- ハーブになる芳香のある葉
- 成長が早いため剪定が重要
- 強風や雪で枝が折れやすい
香りも楽しめて一石二鳥!
目隠し木になる鉢植え3選!虫がつきにくい樹木
この章では、ベランダでの目隠し対策として、鉢植えでも育てられる目隠し木を紹介します。
こちらも、選び方のポイントを踏まえ、比較的虫がつかない木を紹介していきますので、参考にしてみてください。
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オリーブ
オリーブの花言葉は「平和」「安らぎ」など縁起の良い言葉であるため、家のシンボルツリーや観葉植物として人気です。
葉の表がスモーキーな色、葉裏はシルバーのような色味で、そのコントラストが大変美しく、おしゃれな雰囲気を演出できます。
栽培難易度 (5段階) |
★★ |
分類 | 常緑高木、果樹 |
高さ | 2m以上 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
病害虫 | 比較的病害虫の被害が少ない |
葉密度 | 高い |
萌芽力 | 高い |
生育環境 | 日当たり良好な場所 |
剪定 | 3~4月 or 9~10月 |
花色 | 白、黄白色 |
開花時期 | 5月~6月 |
実がなる時期 | 9月~11月 |
花言葉 | 「勝利」「平和」「知恵」「安らぎ」 |
鉢植え 注意点 |
鉢植えは3年に1回を目安に新しい土に植え替える 植え替えの適期は3月中旬~5月中旬頃 |
オリーブは萌芽力が高く、木の幹を切っても切り株からどんどん新芽が芽吹くため、目隠し木としても適していますね!
強い生命力のため、風水的にも良いとされています。
葉が一年中茂っていること、性質が強く育てやすいことなども、オリーブの木が人気である理由です。
オリーブは日当たりの良い環境を好むので、一日を通して日が当たる場所で育てるようにしましょう。
- 性質が強く育てやすい
- おしゃれ
- 一日を通して日が当たる場所で育てる
- 過湿に弱いため、水はけに注意
南天(ナンテン)
ナンテンは日本で古くから栽培され、日本の気候風土に適した育てやすい樹木です。
晩秋から初冬にかけて真っ赤な実を付けます。
名前の音が「難を転ずる」に通じることから縁起木とされ、魔除けとして多くの家に植えられるようになりました。
めでたい縁起物としてお正月飾りにも用いられ、日本人にとって馴染み深い存在ですよね。
栽培難易度 (5段階) |
★★ |
分類 | 常緑低木 |
高さ | 2m~3m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 強い |
病害虫 | 比較的病害虫の被害が少ない |
葉密度 | 高い |
萌芽力 | 高い |
生育環境 | 強い西日を嫌い半日陰を好む |
剪定 | 果実が終わる2月~3月 |
花色 | 白 |
開花時期 | 6月~7月 |
実がなる時期 | 11月~2月 |
花言葉 | 赤い実…「幸せ」「私の愛は増すばかり」「よき家庭」 |
鉢植え 注意点 |
2~3年に1回の頻度で植え替える 植え替えの適期は3月から4月頃 |
ナンテンは暑さ寒さに強く、適切な生育環境を選べば、ほとんど手をかけずに育ちます。
葉密度や萌芽力も高いため、目隠し木としてもおすすめです。
ナンテン(南天)そのものに抗菌作用があるため、病害被害にあいにくく、植えた場所の衛生維持にも効果的です。
しかし、まれにカイガラムシが発生することがあるため、定期的なメンテナンスは必要です。
- 日本の風土に適していて初心者でも育てやすい
- 縁起が良い
- 強い西日を嫌う
- 乾燥に弱い
シマトネリコ
シマトネリコの葉は、小さな葉が密に生えるため見栄えが良く、緑色のトーンも軽やかで明るい雰囲気になります。
洋風・和風どちらの庭でも合わせることができ、とても人気です。
栽培難易度 (5段階) |
★★ |
分類 | 常緑小高木 |
高さ | 10m~15m |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
病害虫 | 比較的病害虫の被害が少ない |
葉密度 | 普通 |
萌芽力 | 高い |
生育環境 | 日当たりの良い場所から半日陰まで 適応環境は幅広い |
剪定時期 | 開花後7月~11月 |
花色 | 白 |
開花時期 | 5月~7月 |
花言葉 | 「偉大」「高潔」「思慮分別」「荘厳」 |
鉢植え 注意点 |
1~2年に1度、春に1回り大きい鉢に植え替えをする |
シマトネリコはある程度の耐陰性があるため、観葉植物として鉢植えで育てることが可能です。
日当たりの良い場所から半日陰まで、適応環境は幅広いです。
葉が小さく日光を通す・丈夫・樹高を管理しやすい・病害虫に強いなど、育てやすさの面でメリットが多く、とても人気です。
常日頃から葉が茂りすぎないよう剪定をして、風通しを良くしましょう。
- 屋内でも育てられる
- 素人でも剪定ができる
- 葉が小さく樹形が綺麗
- 寒さに弱い
- 落ち葉が多い
- 成長が早いため、風通しをよくするための剪定が重要
まとめ
- 目隠し木には虫がつきにくい木を選ぶのがポイント
- 目隠し木は、常緑樹・萌芽力・立地環境・お手入れなどを加味して選ぶ
- ハーブのように強い香りを放つ植物は、虫がつきにくい
- 鉢植えで育てることも可能だが、大きくなると植え替えが必要になる
今回は、「虫がつきにくい木」に焦点を当てて、目隠し木として活躍できる樹木を紹介しました。
しかし、絶対に虫がつかない木というのは存在しません。
木の種類によって、寄ってくる虫は多少異なりますが、ケムシやカイガラムシなどは多くの木に発生します。
それぞれの木に適した害虫対策は必ず必要になってくるので、そのことを理解した上でお好みの樹木を選んでください。
お家の環境に合った目隠し木を選んで、お庭やベランダなどを素敵に演出したいですね♪