父が庭で家庭菜園をやっています。
先日、キャベツの苗を植えました。その数日後に、苗が根元からポッキリと折れていました。
せっかく種から育てた苗を、ネキリムシなんかに食べられてダメにしてしまったらくやしいですよね!
そこで今回、この記事では、アルミホイルの使い方はもちろんのこと、他に有効なネキリムシ対策方法も紹介していきます。
ネキリムシは、夜に土から出てきて植物の地際(地面のすぐ近く)の茎を食べるので、アルミホイルを地際の茎に巻く方法は効果的です。
また、ネキリムシ対策をいつすればいいかがわかるように、ネキリムシの生態についても網羅しています。
あなたの、ネキリムシ対策の一助になれば幸いです♪
目次
ネキリムシ対策にはアルミホイル!使い方や他の対策も
ネキリムシ対策にアルミホイルを使うことは、とても有効です。
ここでは、アルミホイルを使う方法やストローとペットボトルを使う方法を紹介していきますね♪
その他に、ネキリムシの生態にも触れています。ネキリムシの生態を知ることで、効果的に対策をしていけるようになりますよ!
ネキリムシの生態について知りたい方は、「ネキリムシの生態からわかる3つの利点」をご覧ください。
①アルミホイルを地際の茎に巻いてみよう!
引用 YouTube
地面から3~5cmの高さまで、一度クシャッとしたアルミホイルを巻きつけます。
一度クシャッとする理由は、巻きやすくなるからです。
巻き方は、動画のように地面にもアルミホイルを広げている人もいれば、根元から茎だけにぐるりと巻く人もいます。
ネキリムシ対策で大事なことは、ネキリムシを植物の茎に到達させないということです。
極端な話、ネキリムシが茎に到達できないようにすれば、どんな巻き方でもいいわけです。
作物を収穫した後に、アルミホイルを回収する手間はありますが、効果はバツグンなので試してみる価値はあります。
♦注意♦
アルミホイルは自然に分解されないので、必ず回収してください。 |
②ストローを茎に巻いてペットボトルは茎周辺に!
引用 YouTube
ネキリムシ対策としては、アルミホイルを巻くより手間がかかりますが、ストローとペットボトルを使う方法もなかなか効果的です。
私の父もこの方法で、キャベツの苗に対策を施していました。
ストローは、細いものから太いものまでこの頃は販売されているため、結構いろいろな植物の茎に対応できます。
ペットボトルも、280ミリリットルから2リットルまでサイズが豊富なので、植物や植えてある場所に合わせられますね。
♦注意♦
ペットボトルで植物の根を切らないように、地面に差し込む深さに気をつけてください。1~2cm差し込むのが目安です。 |
③ネキリムシを捕殺!ポイントは浅く掘る
昼間は被害を受けた植物の周りの土の中に潜んでいるので、数センチほど指で掘り返すだけで簡単にネキリムシを見つけることができます。
被害直後であれば、発見できる可能性は高いです。
見つけたらつまんで、容易に取り除けます。虫をつまむことに抵抗がない方でしたら、根気よく一匹ずつ駆除していきましょう。
「虫を殺すことができない!」という心の優しい方は、アルミホイルかストロー&ペットボトルを使って対処するのがいいでしょう♪
♦注意♦
地表から数センチの所に潜んでいるので、スコップなどを使って深く掘ると、土と混じって見つけにくくなります。指先を使って浅く土を掘ってください! |
ネキリムシの生態からわかる3つの利点
生物はそれぞれに、生活のリズムや好む環境というものがあります。
卵をいつ産むのか、何を好んで食べるのか、どんな所を住処にするのかなどを知れば、対策も講じやすくなるというもの。
ネキリムシの生態を知れば、ネキリムシ対策が有効に働きます。
ネキリムシの生態と利点
- 成虫と幼虫の姿を知ると捕殺しやすい
- 被害時期を知ると対策計画が立てやすい
- 雑草との関係を知ると予防できる
また、ネキリムシ対策は、以下リンクからご覧いただけます。
成虫と幼虫の姿を知ると捕殺しやすい |
ネキリムシというのは、多くの野菜類、豆類、花き類の地際の茎を食べて切断するヤガ(夜蛾)の幼虫の総称です。
100種類以上の植物を食べるので、広食性害虫と言います。
日本でネキリムシと言うと、主にカブラヤガ・タマナヤガ・センモンヤガ・オオカブラヤガの4種類の幼虫のことです。
4種類のヤガのうち、特に発生数が多いのは、カブラヤガとタマナヤガです。
- カブラヤガ
- タマナヤガ
西日本ではカブラヤガ、東日本ではタマナヤガが多く発生します。
暖かい地方では、中齢~成熟幼虫またはサナギで枯葉の下や土の中で冬を越し、春先に成虫になります。
- ネキリムシ
2種類とも寒冷地では越冬できないので、北日本で発生するヤガは長距離を飛来して来たものです。
雌のヤガは交尾の後に、植物の地際に1~2個ずつ産卵します。ふ化したばかりの若齢幼虫は主に葉を食べます。
中齢~老齢幼虫になると色が濃い茶色になります。
ネキリムシは昼間土の浅い所に潜み、夜になると地上に出てきて植物の地際の茎を食べるようになります。
老齢幼虫だと1晩のうちに数株を食べるので、被害が大きくなります。
引用 住友化学園芸 eグリーンコミュニケーション 「ネキリベイト技術資料」(PDF)
こんなふうに、容姿が変化して成長していくんですね。上の図ですと、老齢幼虫が白っぽいですが、実物は土の色に近い褐色です。
被害時期を知ると対策計画が立てやすい |
ネキリムシの被害にあう時期は、4月から6月にかけてと、9月から11月が特に多いです。
発生する時期を知っていれば、ネキリムシ対策に必要な材量の確保をするなど、事前に準備をする目安になります。
雑草との関係を知ると予防できる |
【除草しない方がいい場合】
一説によれば、ネキリムシは雑食性なのでエサになる雑草があれば、それらを食べるそうです。
雑草がないキレイな畑であればあるほど、より被害がでやすいと言えます。
生えたての雑草はネキリムシにとってご馳走なので、種をまいた畝にほどよく雑草を生やしておくと、被害が軽減することがあります。
【除草した方がいい場合】
雑草の中でも、「ギシギシ」が繁茂しているところで発生が多いので、周りを観察して「ギシギシ」があったら除草することをおすすめします。
ギシギシ
引用 みんなの園芸
アルミホイル・ストロー・ペットボトルを使う方法や指で土を掘る方法は、小規模な畑であったり、庭であったりする場合の対処方法でした。
広い面積にネキリムシが大量に発生した場合は、上記の3つの方法ではとても追いつきません。
そんなときには、農薬を使うことを検討しましょう。
次は、ネキリムシ退治に使う農薬を紹介していきます。
ネキリムシ対策は農薬でラクに駆除!おすすめ2選
無農薬で対策ができれば理想的ですが、ネキリムシの発生規模によってはネキリムシ対策に農薬を使わなければ対処できない場合があります。
農薬を使う際は、正しい量を正しく使うことが大事なポイントです。
ネキリムシ対策に農薬を使う際は しっかり商品の説明を読んで安全に使うことを心掛けてくださいね。
種まき・植え付け前なら【ダイアジノン粒剤3】
有効成分 | ダイアジノン |
薬剤登録 | 農林水産省登録第19526号 |
性状 | 淡黄赤色細粒 |
剤型 | 粒剤 |
土の中に潜むコガネムシの幼虫やネキリムシだけでなく、ウリハムシの幼虫も退治できる、土壌害虫用殺虫剤です。
虫が農薬に接触して効果を発揮する他に、殺虫成分が土の中に広がって作用するのが特徴です。
土に混ぜるだけで予防効果が長持ちして、植物の根も害虫の食害からしっかり守ることが出来ます。
種まき・植え付け後でもOK!【ネキリベイト】
有効成分 | ペルメトリン |
薬剤登録 | 農林水産省登録第23683号 |
性状 | 淡赤色粒状 径3mm 長さ3~10mm |
剤型 | ペレット剤 |
植物の株元にばらまき、土の中に潜むネキリムシを誘い出して、食べさせて退治します。
効果は速効性があり、苗など植え付けた後や発芽後の苗をネキリムシから守ります。
ネキリベイトが使える対象作物は、43作物です。(2015年10月現在)
※詳しい対象作物を知りたい方は、住友化学園芸 eグリーンコミュニケーション 「ネキリベイト技術資料」(PDF)を参照ください。
「ダイアジノン粒剤3」及び「ネキリベイト」の注意事項
♦農薬の残留回避のために必ず守る事項♦
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今回、私がネキリムシ対策用に紹介させていただいた農薬2剤は、共に住友化学園芸株式会社の製品でした。
これらの他にも、数社からネキリムシ対策用の農薬は販売されています。
あなたが守りたい植物に合った農薬を見つけて、ネキリムシを退治しましょう!
農薬について、農林水産省のホームページにも記載があるように、農薬によって「使用できる作物」が決まっています。
あなたが守りたい植物が、農薬の説明に記載されていることを確認してから購入してください。
農薬は「使用できる作物」や「使用してよい方法」を決めて登録しており、「使用できる作物」以外の作物には使用できません。
引用 農林水産省HP
ネキリムシ対策とコガネムシの幼虫対策はどう違う?
「ネキリムシ」について、インターネットで調べていたところ不思議に思ったことがありました。
そうなんです。ネキリムシを「コガネムシの幼虫」だと思っていらっしゃる方がいるんです。
なぜ、間違えてしまったのでしょう?
ネキリムシは「根切り虫」と漢字で書くので、根を切る虫だと解釈してしまいます。
コガネムシの幼虫は、土の中にいて植物の根を食べ切ってしまうので、「根を切る虫」でネキリムシと思われているようです。
見た目は、ネキリムシとは全然違います。幼虫は頭が黄土色で体が白っぽいです。
引用 みんなの趣味の園芸
写真の成虫と幼虫は「トウガネブイブイ」というコガネムシです。
植物に被害を及ぼすコガネムシでよく見かけるのは、トウガネブイブイ、ヒメコガネ、マメコガネなどです。
コガネムシの生態
コガネムシは体調17mm~23mmほどの甲虫です。
発生時期は、幼虫は、土の中で越冬、春先にサナギになり、成虫は5~8月となっています。
寒い地方だと、卵から成虫になるまでに2年かかることもります。
♦成虫♦
成虫は葉っぱを食害し、大量に発生するとあっという間に葉っぱの葉脈だけが残り、レース状になることも。
花もボロボロになるまで食べつくし、食べ残した部分に糞が残り美観も損なわれてしまいます。
糞にはフェロモンがあるので、別のコガネムシを呼び寄せるという、これまた恐ろしい作用があるのです。
糞をみつけたら、除去することも忘れずにしましょう!
♦幼虫♦
幼虫は数匹~数十匹単位で土の中にいます。暖かい時期は地上で活動し、寒くなるにしたがって地中に潜り植物の根を食べます。
根をかじられた植物は養分の吸収ができなくなって、育ちが悪くなるばかりでなく枯れてしまうこともあります。
コガネムシ対策は成虫の産卵防止方法が有効!
ネキリムシ対策とここが違う! |
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コガネムシの幼虫対策はネキリムシ対策のように、根に何かを巻くなどできないので、親であるコガネムシに産卵させない予防策が重要です。
コガネムシの幼虫対策5つの方法
- コガネムシは植物の株元の土に潜って産卵するため、株元に潜られないように不織布やマルチシートで覆う
- 植物を防虫ネットで覆ってコガネムシが、株元に産卵できないようにする
- 土を耕して土の中に潜っている、コガネムシや幼虫を捕殺する
- 苗や種を植える前に、土に混ぜて使用する農薬があるので使う(《住友化学園芸》ダイアジノン粒剤3など)
- コガネムシを見かけたら、殺虫剤を使うか手で捕獲して駆除する
ネキリムシと同様、土の中に潜んでいる幼虫ですが、姿も見えなければ、被害状況もわかりにくいのでネキリムシよりも強敵です。
水やりをした植物にだんだん元気がなくなり”ぐらつく”時には、根元の土の中にコガネムシの幼虫がいるかもしれません。
まとめ
- アルミホイルやストロー・ペットボトルを使うと、無農薬でネキリムシ対策ができる
- 被害にあって日が浅ければ指で根元を掘ると、ネキリムシを発見できる可能性が高い
- ネキリムシが大量に発生した場合、農薬を使うと効率的でラクに退治できる
- ひとつの農薬で、ネキリムシとコガネムシの幼虫、両方とも退治できる製品がある
- コガネムシは予防策が大切で、土に潜って産卵するから、潜らせない対策に重点をおく
- ネキリムシより発見が難しいのは、植物の根を食べるコガネムシの幼虫だ
この記事で、あなたの大事な植物がネキリムシに食害されない方法を、知っていただけたと思います。
その他に、コガネムシの幼虫が土の中で根を食べて、植物が枯れてしまうこともあるということを知れましたね!
あなたがネキリムシやコガネムシの幼虫なんかに負けないで、大事な植物を守ることができるよう心から応援しています!