「大葉は体に良い」そんなイメージがある人は多いのではないでしょうか?
体に良いものは、ついついたくさん取り入れたくなります。
でも、食べ過ぎてしまっても大丈夫なのか気になりますよね。
大葉の栄養は食べ過ぎて体に影響が出ることはありませんが、人によっては、大葉が体に合わないこともあります。
私は大葉を食べる時、薬味として使うことがほとんどで、一度に5枚ほど。
この5枚は食べ過ぎ?
また、大葉の栄養効果を期待できる量なのか…
あなたは一度に何枚くらい食べますか?
この記事を読めば、大葉の効果が期待できる適度な摂取量が分かります。
大葉の栄養や、大葉に含まれる成分がどんな病気予防に効果が期待できるかを知って、健康体へ近づけましょう♪
目次
大葉の栄養は食べ過ぎても問題ない!適量と注意点
大葉の栄養は食べ過ぎても体に大きな影響はなく、大葉を大量に食べたことによる体への悪影響は、2021年8月時点ではありません。
但し、注意が必要な人もいるので、最後まで要チェックです。
まずは、大葉の適度な摂取量を解説していきますね。
大葉に何枚までという上限はない
大葉は、1日何gまでという医学的根拠のある上限量はありません。
たくさん食べるといっても、現実的に20~30枚程度(1日あたり)が限界だと思いますが、そのくらいの量であれば問題ありません。
但し、人によっては大葉が体に合う・合わないといったこともありますので、少しずつ量を調整しながら食べてみてください。
大葉の栄養効果を期待して、やみくもに大量摂取することはやめましょう。
大葉はとても栄養素が豊富で、健康への効果を期待するのであれば、7枚~20枚程度(1日あたり)の摂取をおすすめします。
これに当てはまる人は注意
では、大葉の摂取量に注意が必要なのは、どんな人でしょうか?
どんな食べ物でも、人によってはアレルギー反応が出てしまったり、体調不良を起こしてしまったりすることがあります。
先ほどは「食べ過ぎても体に大きな影響はない」とお伝えしましたが、下記の条件に当てはまる人は量に注意しましょう。
- 食物アレルギーがある
- お腹を壊しやすい
食物アレルギーがある場合は、いきなり10枚も20枚も食べないようにしてください。
ベストな方法はアレルギー検査をすることですが、難しい場合は少量から試すようにしましょう。
大葉には食物繊維が豊富に含まれているため、お腹を壊しやすい人は、特に反応してしまう可能性が高いです。
食物アレルギーほど注意は必要ないかもしれませんが、まずは1日2~3枚程度から食べると安心。
どんな食材でもそうですが、食べ過ぎると気分が悪くなる可能性があるので、無理はしないようにしましょうね。
大葉の栄養による効果&各効果に適した摂取量をご紹介
大葉の栄養は、具体的にどんな効果があるのでしょうか?
大葉には、大きく分けて5つの期待できる効果があります。
- 抗酸化作用
- 老化予防
- 抗アレルギー作用
- 食欲増進
- 食中毒予防
大葉は「体に良い」というイメージはありましたが、まさかこんなにも優秀な食材とは!
大葉はシソ科の中でも特に栄養価が高く、中国では昔から薬草として使われているんです♪
①抗酸化作用
大葉で一番注目すべきなのが、抗酸化作用。
大葉には、活性酸素を抑える「抗酸化作用」があり、がんの予防にも効果が高いと言われています。
「体のサビ」や「体が酸化する」という言葉を聞いたことはありませんか?
サビや酸化は「活性酸素」のことで、それを抑える働きをするのが、抗酸化作用。
通常の状態よりも活性化された酸素のこと。
活性酸素が増えすぎてしまうと体内の細胞を傷つけ、がん細胞の増加、動脈硬化、生活習慣病の原因になります。
活性酸素は年齢と共に増えますが、たばこ・多量飲酒・食品添加物・紫外線・ストレスなども、活性酸素が増える要因です。
活性酸素を抗酸化させることによって、がんや生活習慣病の予防に繋がるんですね。
また、活性酸素が抗酸化機能を上回った状態を「酸化ストレス」といい、厚生労働省も生活習慣病の原因になるとして、問題視しています。
大葉の抗酸化作用を期待するのであれば、7枚以上(1日あたり)の摂取をおすすめします。
②老化予防
抗酸化作用だけでも、大葉がとても優秀な食材であることが分かりました。
次に、老化予防です。
「老化予防」と聞くと、前のめりになってしまうのは私だけでしょうか(笑)
男女関係なく、老化って怖いですよね…
実は、大葉に含まれる成分に、認知症・脳卒中・心筋梗塞などの予防に役立つ栄養素があるんです。
大葉は血液をサラサラにしてくれたり、脳の神経を活性化させたりする働きあります。
なんと、気になるお肌への効果も期待できますよ!
大葉に含まれている成分には体内の代謝をよくしてくれる働きがあり、紫外線で傷んだ肌や髪を元気にしてくれるんですよ♪
紫外線はシミ・しわ・たるみ・くすみなど、肌の老化に一番影響があると言われています。
日頃の日傘や日焼け止めなどにプラスして、食事でも紫外線対策をしましょう!
大葉の老化予防効果を期待するのであれば、7枚以上(1日あたり)の摂取がおすすめ。
私は薬味として7枚使うのは多いなと感じたのですが、餃子の皮代わりに大葉を使ったり、炒め物に入れたりすると食べやすかったです♪
③抗アレルギー作用
大葉には、まだまだ期待できる効果があります。
「大葉は花粉症に効く」なんてことを、テレビなどで聞いたことはありませんか?
大葉は、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える効果が期待できます。
大葉にはポリフェノールの一種が含まれていて、その成分の抗アレルギー・抗炎症作用が認められています。
私はそれを知ってから、以前より大葉を食べる頻度が増えました。
そのおかげか、年々、花粉症による鼻炎の症状がマシになっています。
大葉の抗アレルギー作用を期待するのであれば、20枚以上(1日あたり)摂取することをおすすめします。
大葉を1日20枚と考えるとかなり多く感じますが…
「大葉ジュース」や「大葉ドレッシング」などを作ると、意外と簡単に食べることができますよ♪
④食欲増進
今度は、大葉の香りによる効果です。
大葉の香りは、とても特徴的ですよね。
大葉の香りに含まれる成分が、食欲増進の効果をもたらしてくれます。
私は、夏はそうめんや冷奴など、少し大葉をのせて食べることが多いです。
その効果を知らずに使っていましたが、食欲がなくてもさっぱり食べることができていたのは、あの香りのおかげだったんですね。
またその香り成分は、胃腸の疲れを改善してくれる効果も期待できます。
2018年に東京理科大学の研究結果で、「シソ(大葉)を食することで腸内環境が改善された」という報告があがっています。
シソの香気成分であるペリルアルデヒドを含む水を腸炎を発症させたマウスに飲ませた ところ、腸炎症の緩和、マウスの成長の回復につながった。この緩和現象には、マクロファ ージ(食細胞)※2において産出される炎症作用にかかわるサイトカインの生産の抑制など が関わることが示された。ペリルアルデヒドはシソ葉に大量に含まれていることから(特に、 チリメンアオジソやカタメンジソ)、概算であるが、成人あたり 1 日に 2、3 枚の葉を食す ることで、重度な腸炎をも緩和させることができることを見出した。
※2 マクロファージ:免疫機能において重要な働きを担うアメーバ状の食細胞
大葉に食欲増進や腸内環境の改善を期待するのであれば、3枚以上(1日あたり)摂取することをおすすめします。
⑤食中毒予防
最後は、食中毒予防。
大葉は、よく刺身の付け合わせとして添えられていませんか?
実は、それには栄養素からみて明確な理由があったんです。
大葉には強い抗菌作用があり、食中毒を予防する効果が期待できます!
特に夏は、食べ物が傷みやすいです。
お弁当には、レタスなどの水分量が多い葉物野菜を入れがちですが、腐りやすく、食中毒の原因になってしまうことも…
お弁当の仕切りや飾りには、抗菌作用がある大葉がおすすめですよ♪
大葉の栄養はどんな成分?詳しい働きと1日に必要な量
大葉はただの薬味ではなく、非常に健康への効果が期待できる食材だと分かりました。
成分名を聞くと難しく感じますが、どの成分がどんな働きをしてくれるのかを知ることで、あなたに合った大葉の取り入れ方が見つかりますよ。
厚生労働省から、「日本人の食事摂取基準」というものが出されています。
1日あたり、必要とされる摂取量が設定されている成分も。
今回は、その資料をもとに解説していきます。
それでは、大葉の栄養がどんな成分からできているのかを詳しく見ていきましょう♪
βカロテンは免疫力を高めてくれる!
大葉には、強い抗酸化作用があるとご紹介しました。
その働きをしている成分のひとつが、βカロテン。
βカロテンは体内で必要な量のみビタミンAに変わり、そのビタミンAは、「プロビタミンA」と呼ばれます。
βカロテンは他のプロビタミンAと比べて、ビタミンAの作用(抗酸化作用など)が強いです。
ビタミンAは、レチノール・レチナール・レチノインの総称で、主要成分はレチノール。
ビタミンAの主要成分「レチノール」は、皮膚・粘膜・目を健康に保ってくれ、免疫力を高めてくれる働きがあります。
βカロテンは強い抗酸化作用を持っているため、増加しすぎた活性酸素を除去してくれます。
活性酸素はあらゆる病気の原因になってしまうため、日頃から対策が必要。
最近ではβカロテンが、がん予防にも効果が期待できることが分かっています。
これらは活性酸素の発生を抑え、取り除く作用を持っています。このため活性酸素の働きで作られる過酸化脂質が引き起こす動脈硬化を予防したり、老化やがんの発生に対しても効果があると考えられます。
引用 e-ヘルスネット
大葉には、βカロテンが野菜の中で最も多く含まれているんですよ♪
βカロテンが多い他の野菜と比べてみましょう。
野菜名 | βカロテン 含有量μg/100g |
---|---|
1位 大葉 | 11,000μg |
2位 モロヘイヤ | 10,000μg |
3位 にんじん | 8,600μg |
4位 とうがらし | 7,700μg |
5位 パセリ | 7,400μg |
大葉に含まれるβカロテンが、野菜の中で最も多いことがよく分かります。
では、βカロテンは1日にどのくらい必要なのでしょうか?
βカロテンの推奨摂取量は定められていないため、βカロテンを含むビタミンAの推奨摂取量をみていきましょう。
- 男性18歳以上…800~900μgRAE
- 女性18歳以上…650~700μgRAE
※μgRAE…レチノールとビタミンAの前駆体すべて合わせて、レチノール活性当量(RAE)として算出した値
性別や年齢によって細かく推奨摂取量は異なりますが、上記の数値が基準です。
例えば18歳以上の女性の場合、大葉を約6枚食べると、ビタミンAの推奨摂取量(1日あたり)を満たすことができます。
大葉6枚なら、薬味として使って食べられる量ですね。
実は、βカロテンは油と一緒に摂取すると吸収率が高まるので、天ぷらや炒め物などにすることがおすすめですよ。
ビタミンAは、特に健康な皮膚・粘膜を維持するために大切な栄養素。
ビタミンAが不足すると、薄暗いところで目が見えづらく可能性があり、皮膚や粘膜が乾燥したり、角質が硬くなったりする可能性も。
反対に、ビタミンAの過剰症は通常の食事では起こりにいくいです。
またβカロテンは、体内で必要な量のみビタミンAへ変わるため、βカロテンによる過剰症は起こらないと言われています。
ビタミンKは骨粗しょう症予防にも!
ビタミンCやビタミンBなどはよく聞きますが、ビタミンKってあまり馴染みがありませんよね。
天然のビタミンKは2種類あり、大葉に含まれるのはビタミンK1で、フィロキノンと呼ばれます。
ビタミンKは血を止める働きや、丈夫な骨作りに役立ちます。
大葉は、野菜の中で2番目にビタミンKが多く含まれています。
野菜名 | ビタミンK 含有量μg/100g |
---|---|
1位 パセリ | 850μg |
2位 大葉 | 690μg |
3位 モロヘイヤ | 640μg |
4位 バジル | 440μg |
5位 かぶ | 340μg |
野菜の中でビタミンKが多く一番含まれているのはパセリですが、私は大葉の方が普段の料理に加えやすいです♪
では、ビタミンKは1日にどのくらい必要なのでしょうか?
ビタミンKは多量摂取による健康被害が見られないため、上限量は決められておらず、目安量が設定されています。
- 男女18歳以上…150μg
男女ともに、ビタミンKの目安量(1日あたり)は同じですね。
18歳以上の場合、大葉を約18枚食べるとビタミンKの目安量(1日あたり)を満たすことができます。
大葉で全ての栄養素を摂取しようと思う必要はありません。
ビタミンKは、海苔・納豆・鶏肉などにも豊富に含まれていますので、バランスの良い食事をして摂取していきましょう♪
【特徴的な成分】αリノレン酸は必須脂肪酸
次は、大葉に含まれる特徴的な成分をご紹介。
それらの成分は、必要な摂取量が厚生労働省から設定されていませんが、健康維持に重要な成分です。
αリノレン酸とは、不飽和脂肪酸という植物や魚の脂に多く含まれる脂肪酸のひとつで、「必須脂肪酸」という体内で合成できないもの。
αリノレン酸は、体内で分解されると「EPA」「DHA」という栄養素を生成。
EPAは血液をサラサラにする効果があり、DHAは脳や神経系の機能を保つ作用があります。
必須脂肪酸(オメガ3)は青魚から摂取するイメージがありましたが、大葉からも摂取できるとは知りませんでした!
大葉(しその葉)にはαリノレン酸が含まれていますが、特に「しそ油」(しその種子)に多く含まれています。
αリノレン酸を効率的に摂取するには、「しそ油」も活用したいですね。
【特徴的な成分】ロスマリン酸が認知症予防に
そして、様々な研究から効果が多く期待されているロスマリン酸。
ロスマリン酸とは、シソ科などのハーブ類に多く含まれるポリフェノールの1種で、抗酸化物質です。
ロスマリン酸の効果について、こんな研究結果を見つけました。
近年、ロスマリン酸を摂取することで、アルツハイマー病を予防する効果が期待できるということが分かり、東京大学が論文を発表しています。
アルツハイマー病に対する新薬の開発が世界中で行われていますが、これまでのところ成功例はありません。本研究では、ロスマリン酸の摂取により脳内でドーパミン関連物質が活性化され、それらがAβ凝集を抑制するという、新たなメカニズムを見出しました。
アルツハイマー病は2021年8月時点で、根本的な治療薬がないため、とても希望の光が見える発見ですよね。
ロスマリン酸は他にも、うつの軽減、糖尿病予防などに効果が期待できます。
うつは「心の病」と言われていますが、実は脳の機能障害も大きく関係しています。
糖尿病は生活習慣病。
効果が期待できるという明確な摂取量はありませんが、毎日少量でもいいので、継続的に食べることがポイントです。
もともとロスマリン酸は、抗酸化作用や抗炎症化作用があり、アレルギー反応を抑える働きがあることが知られています。
私の鼻炎が収まってきたのも、ロスマリン酸のおかげかもしれません。
【特徴的な成分】ペリルアルデヒドで食欲増進
最後は、ペリルアルデヒドという成分。
ペリルアルデヒドは大葉の香り成分です。
大葉の香り成分は大半がペリルアルデヒドで、独特な香りが特徴。
「食欲増進」の効果は、ペリルアルデヒドが嗅覚の神経を刺激し、胃液の分泌が促されることで起こります。
私はそうめんや冷奴に大葉をのせるのが好きなんですが、夏でもさっぱりと食べられるのは、ペリルアルデヒドのおかげだったんですね!
大葉が「食中毒予防」に効果が期待できるのは、ペリルアルデヒドのおかげ!
食欲がないなという時や、夏で食中毒が怖いなと思う人は、ぜひ大葉を活用してみてくださいね♪
まとめ
- 大葉の摂取量は何gまでという上限はなく、食べ過ぎても問題ない
- 健康への効果を期待するなら、7枚~20枚程度食べた方が良い
- 大葉は抗酸化作用が強く、酸化ストレスを防ぐ効果がある
- 大葉は老化予防の効果が期待できる
- βカロテンは、野菜の中で大葉に最も多く含まれている
- ロスマリン酸は、認知症予防に効果が期待できることが分かった
大葉は栄養素が豊富で、中国で昔から薬草として使われているということも納得ですね。
薬味として使われることが多いですが、栄養素によっては油と一緒に取ることで吸収率が良くなります。
あなたが欲しい効果に合った摂取量を試してみてくださいね♪