「プロレスリングノア」は、2000年8月にプロレスラーの故・三沢光晴氏が立ち上げたプロレス団体です。
インターネットで「プロレスリングノア」と調べると、選手や試合の情報とともに「ひどい」と候補が出てきます。
一般の人には、ノアに対して良くないイメージを持っている人が多いと見受けられます。
「ひどい」などネガティブな印象がついてしまったのは、何か理由があるのでしょうか。
本記事では、プロレスリングの団体であるノアが「ひどい」と言われる理由と、現在の状況をお伝えします。
目次
プロレスリングノアがひどいと言われる主な理由は4つ
プロレスリングノアが「ひどい」と言われる主な理由は4つありました。
この章では、プロレスリングノアが「ひどい」と言われる理由を1つずつ紹介します。
理由①旗揚げ当時に比べて観客動員数が減少
1つ目の理由としては、黄金期に比べると観客数が減少していることです。
ノアにとって2000年代は正に黄金期であり、年5~6回の日本武道館大会は常に満席状態でした。
2004年と2005年には東京ドーム大会を連続開催するなど、プロレスリング業界のトップ団体として君臨していたのです。
勢いに陰りが出たきっかけは、2009年に三沢氏が亡くなったことでした。
観客動員数が減少したことで、日本武道館の使用を取りやめます。
代わりに、有明コロシアムを中心に試合が開催されるようになりました。
2017年からは、キャパシティが更に少ない横浜武道館に会場を移しています。
旗揚げ時は日本武道館からスタートしましたが、観客減少にともない小さな会場を使用するようになっています。
【各会場のキャパシティ】 | |||
---|---|---|---|
2000年代使用 | 2010年代から使用 | ||
日本武道館 | 約17,000人 | 有明コロシアム | 約10,000人 |
東京ドーム | 約55,000人 | 横浜武道館 | 約3,000人 |
理由②視聴率の低下でテレビ中継が打ち切り
日本テレビのノア中継は、創立直後の2001年から開始されました。
黄金期には、地上波に加えてスカパーやCS放送でも放送されています。
2009年にノアのテレビ中継が打ち切りになった理由は、スター選手の病気欠場や故障による視聴率の低下でした。
打ち切りによってどんな影響があったの?
テレビ放送の終了により、大きな収入源であった放映料が入らないことで、ノアの経営は更に苦しくなっていきます。
それだけでは済まないよね…。
他には起きた問題は何?
テレビでの露出が大きく減り、新たなファンを獲得しづらくなってしまったことも痛手でした。
その後新日本プロレスや全日本プロレスなどのライバル団体は、ネット配信を開始しました。
一方でノアは試合を放送できない状況が続き、他団体と比べ経営と露出度でも厳しい状況におちいりました。
理由③主要選手の大量退団から観客離れが加速
3つ目の理由になるのが、2012年にスター選手が次々にノアを退団したことです。
ネットニュースや各誌では「プロレスリングノアが存続の危機に直面した」「解体のピンチ」「沈没寸前」などと報道されました。
退団したのは以下の選手です。
【2012年退団の6名】
- 小橋建太
- 秋山準
- 潮﨑豪
- 金丸義信
- 鈴木鼓太郎
- 青木篤志
主力の6選手がいなくなったことで、観客離れがさらに進むことになりました。
理由④金銭スキャンダルでのマイナスイメージ
4つ目の金銭スキャンダルも「ノアはひどい」という、マイナスイメージを強化してしまった大きな原因です。
2012年、別冊宝島『プロレス黒い霧』や写真週刊誌のスクープが、大きな話題を呼びました。
各誌は「ノアの役員が反社会的勢力と交際し、金銭の貸付を受けていた」と指摘したのです。
メディアのスクープを受け、ノアは発表当時、社員の反社会的勢力との関わりや金銭関係を完全に否定する発表を行いました。
さらに、過去に暴力団と関わりのあった社員の降格処分を行っています。
適切な対応を取ったものの、大々的な報道に影響され、一旦広まったネガティブなイメージを消し去ることはできませんでした。
【内側から見たノアの崩壊】
引用 Amazon
ここまで見てきたように、経営不振に主力選手の脱退やスキャンダルが重なり、2010年代のノアは暗黒期とも言える「ひどい」状況でした。
この時代にノアへのネガティブなイメージが広がり、今でも一部の人にマイナスの印象を持たれ続けている状況です。
プロレスリングノアの現在は?大箱での試合と中継再開
ノアは、2010年代の経営不振や観客離れ・スキャンダルが重なり、解散の危機にまで追い込まれました。
この章では、プロレスリングノアの現在をお伝えします。
大規模会場で再開!武道館でノアの試合を観戦
2010年代頃から小さな会場での試合が続いていましたが、近年大型会場での開催を再開しています。
その元年となった2022年には、日本武道館や両国国技館・大田区総合体育館・有明アリーナで試合が行われました。
ノアは、2024年6月にも横浜BUNTAI(旧・横浜文化体育館)、7月に日本武道館でのビッグマッチを開催すると発表しています。
再び日本武道館でノアの試合を見られるようになったのは、嬉しい限りですね。
【会場とそれぞれのキャパシティ】
- 日本武道館 約17,000人
- 有明アリーナ 約15,000人
- 両国国技館 約12,000人
- 横浜BUNTAI 約5,000人
- 大田区総合体育館 約4,000人
ネット配信番組で放送!ABEMAでファンを獲得
ノアは、2020年にサイバーエージェントグループに移り、同グループに所属するDDTプロレスリングを含む2社と経営統合しました。
「株式会社CyberFight(サイバーファイト)」として始動し、現在も同社が運営しています。
サイバーエージェントグループ入りによって、同社が手がけるABEMAでノアの試合中継が始まりました。
ABEMAには格闘チャンネルが設けられ、プロレスリング・K-1など格闘技の中継や関連番組の配信を行っています。
ネット配信番組の視聴者が増えている中、ABEMAでの放送は新たなファンの獲得に大きな追い風となっています。
サイバーエージェントグループの一員となり、これまで低迷していた業績も現在は安定しています。
DDTプロレスリングと経営統合したことで、対抗戦も開始しました。
プロレスリングノアは面白い!対抗戦や個人発信に注目
現在は、経営も安定し、少しずつ観客数も戻ってきていると分かりました。
今のノアはどんな所が面白いのでしょうか。
【実現】新日本プロレスと試合!当日生中継も
一番のビッグニュースは、2021年から新日本プロレスとの対抗戦を開始したことです。
ABEMAは、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同出資して設立しました。
両社の関係で、テレビ朝日が運営する新日本プロレスとも対抗試合が実現したのです。
キャパシティ13,000人の横浜アリーナ会場チケットは即完売し、当日は生中継も放送されました。
両団体の試合について、注目度の高さがうかがえますね。
【話題】所属選手がYouTubeチャンネルを開設
ABEMAだけでなく、ノアは所属選手自らの発信も注目されています。
拳王選手は自身のYouTube を開設していますよ。
プロレスリングの話題をはじめ「歌ってみた!」などエンタメ系まで、幅広い企画が「面白い!」と話題になっています。
登録者数は70,000人を超え、既存のプロレスリングファンだけでなく、新規のファンを集めている様子がうかがえます。
拳王選手がきっかけでプロレスリングを見てみよう、と興味を持った方もいるのではないでしょうか。
レスラーとして作られたキャラクターがある中で、本来の人格を見せることをいとわない姿が印象的です。
選手のキャラクターと素顔のギャップが見られることも、SNSが盛んな現代ならではの面白い楽しみ方と言えます。
まとめ
- プロレスノアは、2000年代は日本武道館が満席になる人気だったが、2010年代にマイナスのイメージがついてしまった
- ひどいと言われる主な4つの理由は、①観客動員数の減少②テレビ中継の終了③人気選手の離脱④金銭スキャンダルである
- 現在は大型会場での試合開催を再開しており、日本武道館でもノアの試合が見られるようになった
- 経営統合によりABEMAでのネット配信も開始され、業績が安定したことにより状況が改善してきている
- 2021年から新日本プロレスとの対抗戦が開催され、会場チケットの即完売や生中継など大盛況
- 所属選手のYouTube配信などで新たなファンを集めており、SNSが盛んな時代ならではの楽しみ方もある
2010年代にノアについたマイナスのイメージは、様々な原因が重なってついたものでした。
現在のノアは、対戦試合の他にも様々な取り組みを行い、新たなファンの獲得にもつながっています。
今後どのような試合が展開されるのか、これからのプロレスリングノアに期待していきたいですね。