障害者手帳を持っていると、運転免許取得や生命保険に加入する際に、デメリットになるイメージを持っていませんか?
障害者手帳を持っていることは、デメリットばかりではなく、メリットもあります。
不安に思っている方は、心配しなくて大丈夫!
障害者手帳を持っていると、生命保険の選択肢が少ないといったデメリットがありますが、運転免許は取得できる場合があります。
障害者手帳を持っていると、様々な支援サービスを受けることができます。
例えば、障害者手帳を持っている方の自動車運転免許取得費を、助成する制度を設けている自治体があります。
この記事では、障害者手帳を持っている方の運転免許の取得、生命保険の加入、住宅ローンの借入について紹介します。
障害者手帳を持っている方、これから障害者手帳を取得する方は必見です!
目次
障害者手帳はデメリット!?運転免許取得の条件を解説
運転免許を取得するにあたって、障害者手帳を持っていることが、デメリットになるのか気になっている方。
障害者手帳を取得することによって、運転免許が取得できないのではと心配している方。
障害者手帳を持っていることは、運転免許取得のデメリットになるとは言えません。
なぜなら運転免許取得は、障害者手帳を持っているか否かで判断されないからです。
障害者手帳が運転免許取得にあたり、デメリットであるとは言えない理由を解説します。
運転免許取得で注意が必要な一定の病気とは?
運転免許は「一定の病気」に該当しなければ、障害者手帳を持っていても取得できます。
- 認知症
- 統合失調症
- てんかん
- 再発性の失神
- 無自覚性の低血糖症
- そううつ病、そう病、うつ病
- 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
- 視野が狭くなった
- 部分的に見えづらくなった
- 運転中ヒヤっとしたことがある
一定の病気に該当すると、運転免許取得を拒否または保留される場合があり、障害者手帳を持っていることは直接関係しません。
障害者手帳は、精神疾患や知的障害をお持ちで社会生活に支障をきたす場面がある方が、サポートを必要とされるために取得されます。
後ほど詳しく解説します。
一定の病気に該当していても、自動車等の運転に支障がなければ、運転免許を取得することができます。
最近は、自動車での痛ましい事故がテレビで報道されることが多く、運転に不安がある方もいらっしゃると思います。
一定の病気等にかかっていることにより、自動車の運転が不安な方は、相談窓口へ行くことをおすすめします。
相談窓口は、お住いの都道府県の警察ホームページより確認ができます。
参考:警視庁 公式サイト
相談する際は、内容によっては2時間くらいかかる場合がありますので、余裕を持って行きましょう。
障害手帳を持っていても、運転に支障がなければ運転免許を取得できますし、相談窓口も用意されています。
障害者手帳を持っていることが、運転免許取得のデメリットであるとは言えないのです。
知っておこう!障害者手帳の種類と支援事業
自動車免許と障害者手帳について紹介しましたが、あなたは障害者手帳がどんなものなのか、知っていますか?
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
症状によって手帳の種類が分かれており、制度の根拠となる法律等は、それぞれ異なります。
どれか一つだけ、障害者手帳を持っている場合でも、障害者総合支援法の対象となり、様々な支援を受けられます。
身体障害者手帳は、身体の機能に一定以上の障害があると、認められた場合に交付される手帳。
身体障害は、肢体不自由、聴覚障害、視覚障害、内部障害など多岐に渡り、それぞれの症状により等級が異なります。
療育手帳は、児童相談所または知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された場合に交付される手帳。
対象者は18歳未満の未成年ですが、大人になってから知的障害の診断を受け、取得するケースもあります。
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するための手帳。
精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から総合的に判断され、等級が1級から3級までに別れます。
障害者手帳を持っていると、マイナスのイメージを持つ方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません!
社会生活をスムーズにおくれるためのありがたい制度は、条件に該当すればだれもがそのサポートを受け取る権利があります。
障害者手帳と運転免許取得について紹介してきましたが、運転免許を取得すると、保険に加入する必要が出てきます。
自動車に関する保険には、加入義務のある自賠責保険と任意保険があります。
自動車に関する保険は、病気に関する条項はなく、特定の病気による加入制限はありません。
障害者手帳を持っていても、運転免許を取得して運転することを許可された方は、加入できます。
保険会社によっては、障害者割引制度を設けている保険もあります。
一方で、生命保険は障害者手帳を持っていることが、デメリットになる場合があります。
障害者手帳のデメリットは生命保険の選択肢が少ない
生命保険は、自動車保険とは異なり持病や障害があると、加入できる保険が少ないのが現状です。
障害者手帳を持っていると、加入できる生命保険が見つかりにくいため、デメリットを感じてしまうようです。
症状にもよりますが、障害者手帳を持っていても、加入できる生命保険があります。
引受基準緩和型保険は加入基準がゆるい
医療保険や損害保険は、障害を持っている人については、補償されない保険が多く見られます。
理由は、事故が起きたり病気が悪化したりするリスクが高いとされているからです。
保険に加入するのが難しい方を救済するために開発された保険が、引受基準緩和型保険です。
引受基準緩和型保険の特徴は主に4つ。
- 一般的な保険商品の加入できる基準よりも、緩和されている
- 一般的な保険商品より、告知事項が少ない
- 基準が緩和されるため、一般的な保険に比べて保険料が高い
- 通常のプランより、支払われる保険金が少ない保険が多い
引受基準緩和型保険は、支払う保険金額などにデメリットがありますが、「保険に入れない」という問題の解決策になります。
引受基準緩和型保険の告知事項の例を紹介します。
- 直近3か月以内に、医師から入院・手術・検査のいずれかを勧められていない
- 過去2年以内に、病気やケガで入院をしたこと、または手術をしたことがない
- 過去5年以内に、癌または上皮内新生物・肝硬変・統合失調症・認知症・アルコール依存症で医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けていない
引受基準緩和型保険の注意点が一つあります。
引受基準緩和型保険でも、精神障害を持つ方を対象から除外している場合があります。
引受基準緩和型保険の加入を検討する際は、告知事項の内容をしっかりチェックしましょう。
障害者扶養共済制度~障害を持つ方を守る~
障害者扶養共済制度は、障害を持つ方を扶養している人が毎月掛け金を払う保険です。
独立行政法人福祉医療機構が管理しており、50年の歴史があります。
障害者扶養共済制度は、別名「しょうがい共済」と呼ばれています。
障害者を扶養している方が亡くなったり、重度障害になったりした後に、障害のある人に対して終身一定額の年金を支給する制度です。
加入条件は、保護者と障害を持つ方で、それぞれ条件が異なります。
- 保護者の住所が都道府県・指定都市内にあること
- 保護者の加入時の年度の4月1日時点の年齢が、65歳未満であること
- 保護者に特別の疾病または障害がなく、生命保険契約の対象となる健康状態であること
- 障害のある方1人に対して、加入できる保護者は1人のみであること
- 知的障害を持つ方
- 身体障害者手帳を所持し、その障害の程度が1級から3級までに該当する方
- 統合失調症、脳性麻痺、進行性筋萎縮症、自閉症、血友病など、その障害の程度が1または2と同程度と認められる方
引受基準緩和型保険では、除外されることが多い精神障害を持つ方でも、しょうがい共済は加入することができます。
- 保護者が死亡したときまたは重度障害になった際に、障害のある方に毎2万円の年金が生涯にわたり支給される
- 付加保険料を徴収しないため、掛金が安い
- 都道府県及び指定都市が条例に基づき実施している制度なので安心
障害者手帳を持っていると、加入できる生命保険が少ないことはデメリットですが、障害者の方を保障する制度はあります。
保険に加入する際に、参考にしてみてはいかがでしょうか。
続いて、保険と同じくお金に関わる問題で、障害者手帳を持っている方が住宅ローンを組む場合について解説します。
障害者手帳のデメリットは住宅ローンを組めない⁉
住宅ローンを組む際は、団体信用生命保険に加入することが推奨されています。
団体信用生命保険は、ローンを組んだ本人が、死亡または所定の高度障害状態になった場合に、返済が保険金で保障される制度です。
団体信用生命保険は、生命保険なので前章で紹介したように、障害を持つ方は加入できないデメリットがあります。
団体信用保険に加入しなくても、住宅ローンを組む方法はあります。
フラット35は団体信用保険なしで借入できる
フラット35は、団体信用保険に加入しなくても、住宅ローンの借入をすることができます。
フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長で35年の全期間固定金利の住宅ローンです。
障害者手帳を持っていて、団体信用生命保険に加入できなかった方に、おすすめの住宅ローンです。
フラット35を検討する際の注意点とデメリットがあります。
- 借入住宅が、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合している住宅であること
- 借入住宅が、住宅金融支援機構が定めた、住宅の床面積の基準を満たしていること
- 団体信用生命保険に加入しない場合は、ローンを組んだ本人が、死亡または所定の高度障害状態になった場合に、返済が保障されない
フラット35は、住宅ローンを組む本人だけではなく、借入住宅にも条件が定められています。
細かい条件は、フラット35の公式ホームページで確認できます。
続いて、借入住宅の技術基準が満たしていないなど、フラット35を利用できない場合に、住宅ローンを組む方法を紹介します。
ワイド団信や配偶者名義でローンを借入
フラット35の他に、障害者手帳を持っている方が、住宅ローンを借入する方法があります。
- ワイド団体信用生命保険に加入する
- 配偶者名義で住宅ローンを借入する
2つの方法の内容と注意点について紹介します。
ワイド団体信用生命保険は、契約者の健康状態を総合的に見て審査をします。
通常の団体信用生命保険と比較して、引受基準が緩いことが特徴で、障害者手帳を持っていても、加入できる場合があります。
ワイド団体信用生命保険を検討する際は、事前に金融機関に詳細を確認することをおすすめします。
障害者手帳を持っていて、健康状態に不安がある方は、配偶者名義で住宅ローンを借入する方法があります。
配偶者の収入が足りない場合には、ペアローンや収入合算にしてローンを借入することもできます。
障害者手帳を持っていても、住宅ローンを借入する方法は、複数あります。
お住まいの地域の金融機関に、相談してみてください。
まとめ
- 障害者手帳を持っていても、一定の病気に該当しなければ、運転免許を取得できる
- 一定の病気に該当しても、自動車等の運転に支障がなければ、運転免許を取得できる
- 障害者手帳を持っていると、加入できる生命保険の選択肢が少ない
- 障害者手帳を持っている方が加入しやすい生命保険は、引受基準緩和型保険や障害者扶養共済制度
- フラット35は団体信用保険に加入しないで住宅ローンを借入できる
- フラット35で住宅ローンが借入できない場合は、ワイド団体信用生命保険や配偶者名義でローンを借入する方法がある
障害者手帳を持っている方でも、運転免許の取得、生命保険の加入、住宅ローンを借入する方法はあります。
障害者手帳を持っていると、条件が厳しくなる等のデメリットがありますが、様々な支援を受けることができることはメリットですよね。
私は障害者手帳を持つことは、メリットの方が大きいと思いました。
障害者手帳を持っている方、これから取得する方は、お住まいの市区町村窓口に相談してみてはいかがでしょうか。