「リビング学習」が注目され、LDKなどにスタディコーナーを設けるのが子育て世代に人気の間取りになっています。
我が家も、引っ越しを機にスタディコーナー(スタディスペース)設置を計画中です。

「子供が全然集中しない」「結局だれも使わず物置き状態」なんて失敗談もチラホラ…
インスタやブログを見てイメージを膨らませるものの、具体的に何から計画したらいいのかピンと来ないですよね。
そこで、「失敗しないスタディコーナー計画」と称して、失敗しやすいポイントを事前にチェックできるように総まとめしました!
スタディコーナーを作る予定の方が、この記事を見ながら計画を練ることができるようになっています。
おすすめ商品の紹介も盛り込んでいますので、最後まで必見ですよ!
目次
スタディコーナーで失敗しない!間取り・デスク計画編
スタディコーナーとは、勉強や仕事をするためのスペースのことです。
子供部屋や書斎に勉強スペースを設けるのとは違い、リビングやダイニングの一角にデスクを設置することが多くなっています。

スタディコーナーの失敗例としてよく紹介されるものには、以下のケースがあります。
結局だれも使わない |

ものが放置されて、生活感が出る |

子供が成長すると使用せず、持て余す |

実は失敗事例の多くは、事前にしっかりイメージを固めて計画することで、回避できる可能性が高いです。
せっかく作るなら、家族に長く愛される空間になるよう、これから一緒に考えていきましょう!
→今回解説するチェック項目をまとめた「スタディコーナー計画シート」まで一気にジャンプ
【はじめに】まずはイメージを膨らまそう!
スタディコーナーを計画する前に、まずは家族の情報や完成後の生活イメージを整理しましょう。
例えば、以下のような項目について書き出してみてください。
イメージしてみよう!
- 使う人数
- 誰が使うのか
- 何に使うのか
(作業内容も具体的に考えると◎) - どれくらいの期間使うのか
ここでしっかりと〈求めるスタディコーナー像〉をイメージすることで、完成後に「失敗した!」と思う確率をぐっと減らすことができます。
1.どこに作る?間取りを考えよう!
スタディコーナーを設ける場所として、一般的な候補は以下の通りです。
どこにつくる?
- ダイニング
- リビング
- スキップフロア(中二階、小上がり)
スタディコーナーを設置する場所は、以下の点を考えて決定しましょう!

どこにあったら使いやすいですか?
スタディスペースの定番イメージは、親がキッチンで家事をしながら、子供の勉強を見ることができるスタイルかもしれません。
まずは、定番の間取りがあなたの家庭のライフスタイルに合っているか、具体的にイメージしてみる必要があります。
例えば、共働き夫婦なら、帰宅後は15分程度でサッと作り置きの食材を調理する可能性もありますよね。

子供の勉強を見るのは、家事が終わったあと、リビングで過ごす時間だとしたら、スタディコーナーはリビングにある方が使いやすいですね。
あなたの家族が過ごす日常の流れや動線を考えてみると、使いやすい配置が見えてきます!
集中して物事に取組むには、快適な環境づくりが不可欠です。
例えば、仕事や勉強に向いている気温は25度という研究結果があります。
スタディコーナーを設置する環境が、適切な温度を保てる環境なのか確認をしましょう。
クーラーの風が直接あたったり、逆に空調が効きにくかったりする場所だと、暑すぎ・寒すぎて集中しにくい環境になってしまいます。
空調と同様に、明るさの確保も大切です。
暗い環境で机に向かうと、目にも悪いですし、集中力にも影響が出ます。
スタディコーナーをつくる場所は、照明がある、もしくは昼間なら自然光が入るなど、明るい空間にしましょう!
なお、明るい空間でも、手元が影になる場合には、卓上照明などで明るく照らす必要があります。
→卓上照明の項目へジャンプ
また、空間全体を照らすライトの電球の色にも、違いがあることをご存じですか?
左に行くほどオレンジがかったリラックス効果のある色、右に行くと青みのある光で勉強や仕事に向いているとされる色です。
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電球色 | 温白色 | 昼白色 | 昼光色 |
スタディスペースを作る場合は、空間全体の電球の色を切り替えられるシーリングライトなどをおすすめします。

このように、せっかくスタディコーナーをつくるなら、明るさや照明にも気を配りたいですね。
集中できる環境を整えるために、人の出入りの頻度も考えてみましょう。
例えば、ドアの近くやオープン階段の下にスタディコーナーを設置すると、家族がドアや階段を行き来するたびに気になってしまうでしょう。
人はある程度の雑音があった方が、学習効果が高まるという話もありますが、あまりにうるさいのはNGです。
2.デスクを置く向きや位置は?
スタディコーナーをどの部屋につくるか決まったら、より細かい内容を決めていきましょう!
実は、机を壁向きに設置しても、目の前がオープンになるように設置しても、どちらもメリット・デメリットがあるんです。
同じ場所でも、机の向きで大きく雰囲気が変わりますので、使う人の性格や好みを考慮して決めていきましょう!
《デメリット》背後で監視されている感
《デメリット》気が散りやすい
悩む場合は、デスク自体は壁向きに設置し、子供が質問したいときはダイニングテーブルを使うといった柔軟な対応もできると思います。

スタディコーナーを置く位置として、窓の近くもありです。
ただし、窓の高さによっては集中力の妨げになる可能性もあります。
例えば、机の正面に窓があると、日中は自然光が入るので、手元も明るく気持ちよく学習ができます。
しかし、座った位置から窓の外がよく見えてしまうと、外の様子に気が散ってしまうこともあります。
自然光を取り込みたいのであれば、座った子供の目線より少し高い位置に窓がある配置が理想です。
また、窓の近くに机を置くのであれば、直射日光を遮るカーテンやシェードは必須ですよ。
3.デスクのサイズを考えよう
結論からお伝えすると、スタディコーナーの理想の机サイズはこんな感じです。
〈幅〉 200cm
〈奥行き〉60cm
※子供も大人も使用。パソコン作業あり。同時に最大2人並ぶことを想定する場合。
各項目について、理想のサイズの考え方を解説していきます!
一般社団法人 日本オフィス家具協会(JOIFA)の公式ホームページに、適切なデスクの高さを求める計算式が公表されています。
例えば、身長160cmの人の適切なデスクの高さを計算してみます。
①座面の高さの目安:
【160cm×1/4=40cm】
②差尺(座面とデスクの高さの差):
【16cm×1/6=約27cm】
③デスクの高さの目安:
【40cm(①)+27cm(②)=67cm】
ただし、子供も大人も使用するスタディコーナーは、使用する人の身長の差が大きいです。
大人の身長に合わせて70cmほどのものを用意し、子供の身長が低いうちはイスの高さで身長差をカバーするのがベターでしょう。
先程の計算②で算出した「差尺」を確保できれば、快適に作業ができます!
デスクの高さ70cmの場合の、適切な座面の高さは以下の通りです。
〈身長160cm〉差尺 差尺を保てる座面高 |
【160cm×1/6=約27cm】 【70cm-27cm=43cm】 |
〈身長120cm〉差尺 差尺を保てる座面高 |
【120cm×1/6=20cm】 【70cm-20cm=50cm】 |
デスクの幅は、同時に何人まで使用するのか考えて決めましょう!
パソコンや学習などで必要なスペースの幅は、1人で約100cmと言われています。
2人同時に作業をするなら、180~200cmくらいの幅は確保したいところです。
デスクの奥行きは、スタディコーナーでどんな作業をするかによって必要なサイズが変わってきます。
例えば、パソコンを使った作業をする場合、一般社団法人 日本オフィス家具協会によると奥行き60cm~70cmのデスクが主流です。
ノートなどを広げて学習する場合は、テキストやノート(A4サイズ)の縦が約30cmなので少し余裕を持って、奥行き45cm以上が理想です。
スタディコーナーの椅子や照明は?周辺環境編
スタディスペースのベースとなる、デスクが決まりましたね。
次は、快適なスペースになるように、環境を整えていきましょう!
あなたが持っているイメージに合わせて、以下のポイントを検討していきます。
4.どんな椅子を選べばいい?
先程の「デスクの高さ」でお伝えしたように、デスクと椅子には最適な高さがあります。
上図の「差尺」は、身長×1/6で求められますので、デスクから差尺を引いた数値が、適切な椅子の座面の高さと考えられます。
例:デスクの高さが70cmの場合
〈身長160cm〉差尺 差尺を保てる座面高 |
【160cm×1/6=約27cm】 【70cm-27cm=43cm】 |

スタディコーナーは、リビングやダイニングなどの人目につく空間に設置することが多いので、以下の2点を意識して選ぶと良いでしょう。
- インテリアに馴染むおしゃれな椅子
- 長時間座っても疲れにくいと◎
今回は、おしゃれ&疲れにくい椅子を2点ご紹介します!
【インスタでもお馴染み】シューメーカーチェア |
デンマークのブランド・ワーナー製、3本脚でグラつきにくいスツールです。
大きな特徴は、座面がお尻の形に削られていること!
私はお店で座ってみたことがあるのですが、何とも言えないフィット感で落ち着きます。
上記のリンクは、「NO.42」という座面39cmのものです。
座面の高さは、39cm、46cm、56cm、66cmの4種類ありますよ。
【正しい姿勢が身につく】バランスイージー |
人間工学に基づいて設計された椅子で、体に負担をかけずに正しい姿勢で座ることができます。
子供から大人まで使えるのも嬉しいですね♪
私は子供の頃、この椅子を学習椅子として使っていました!
座り心地はもちろんですが、見た目が変わった形なので、好奇心をくすぐられ楽しんで机に向かうことができたのを覚えています。
5.卓上照明をつけよう
多くの場合、リビングやダイニングにデスクを設置することが多いスタディコーナー。
リビングやダイニングの照明だけでは、勉強に必要な明るさが確保できないことが多く、視力の低下や姿勢の悪化を招くことも。
スタディコーナーには卓上照明を置いて、手元を明るく照らすようにしましょう!
ペンを持つ手で影にならないように、利き手の反対側から照らすのがポイントです。
【シンプル多機能】LEDデスクライト Rica-W |
引用 ニトリ公式ホームページ
スタディコーナーの机上には、インテリアの邪魔にならないシンプルなデザインのライトがおすすめです。
こちらのニトリのライトは、シンプルながらスマホの充電機能も付いているので、机上のコードのごちゃつきを防げる優れもの。
USBポートも付いているので、電子機器が手放せない方と相性抜群です!
6.収納はあったほうがいい?
リビングやダイニングに設置するなら、できるだけシンプルにしたいというのが本音ですが、デスク周りに収納は必須です!
見た目のスッキリ感を追求しすぎて収納をなくすと、デスク上にごちゃごちゃ物が放置されて、逆効果になってしまうことも…
特に子供が使う場合には、近くに勉強道具を収納できるようにしてあげると、片付けの習慣をつけることもできるでしょう。
とは言っても、子供の学習机のようにぎっちり本棚をつけたりする必要はありません。
あくまでデスク上の目に入る位置は、何も置かずにシンプルにすることを心掛けて、気が散らないようにしておきましょう!
例えば、スタディコーナー周りの便利な収納は、以下の3パターンがあります。
デスク下に1段薄い棚をつくる |
→一旦、デスクの上を空けたいときの一時収納にも便利!
デスク下にラックを数段つくる |
→テキストや、よく使う文房具などを日常的に保管するスペースに。
背後やすぐ近くにラックを設置 |
→ランドセルなど大きな荷物を収納できるスペースにすると、スタディコーナー周辺で支度が完結!
まだ子供部屋がない低学年の子に、特におすすめです。
ガチガチに収納を作るのは抵抗がある場合でも、デスク下にちょっとした収納スペースを作るだけでも、散らかり防止に役に立つでしょう。
収納スペースに目隠しができると、生活感を隠せてなお良しです◎
7.意外と重要!コンセント問題
最近は、子供の学習でもタブレットを使用する機会が増えています。
電子機器を使用しない予定だとしても、少なくとも卓上照明の電源は必要ですので、コンセントの確保をしておきましょう!
同時に複数人でデスクを使用する予定なら、コンセントを取り合うことがないように、人数分コンセントがあるとより快適です。
後付けの場合は、コンセントがあるタイプのデスクを選ぶと便利ですし、延長コードで対応することもできますよ。
8.スタディコーナーをより快適にするアイテム
ここでは、完成したスタディコーナーがさらに快適になるグッズを紹介します!
引用 ニトリ公式ホームページ
完成したスタディコーナーのデスクの上に、デスクマットを敷くご家庭も多いです。
ペンの書き心地が向上するのはもちろんなのですが、最大の目的はデスクのキズ・汚れ防止。
特に造り付けのカウンターだと、お子さんが傷や落書きをしてしまったときカウンター自体を交換することは難しいですよね。
長く綺麗に使いたいと思いますので、デスクマットはおすすめです。
【消しカスが散らからない】リビガク テーブルマット |
このフチ付きのマット上で勉強すれば、消しゴムのカスが飛び散らないので、お片付けが簡単です♪
A4サイズのテキストを見開いても、少し余裕があるくらいの大きさでgood!
スタディスペースを作らず、ダイニングテーブルでお勉強する方も使えるアイテムです。
【楽しくお掃除】and cute 電池式卓上クリーナー |
引用 カインズ公式ホームページ
机の上の小さなゴミを吸い取ってくれる優れものです。
吸い取るのが楽しくて、お子さん自身が進んでお掃除してくれるとの声もありました!
最近は、100円ショップなどにもあるようですので是非探してみてください♪
【保存版】スタディコーナー計画シート
ここまで、スタディコーナーを作る際のチェックポイントについて解説してきました。

そこで、これまでの内容をチェックシートにまとめてみました♪
実際にあなたの家族の状況について、表に沿って整理してみましょう!
スタディコーナーをリビングなどに設けるメリット

家族の理想を詰め込んだ、スタディコーナーの計画は立てられたでしょうか?
記事の最後に、今回計画したスタディコーナーのメリットを「学習面」と「住環境面」にわけてご紹介します♪
スタディコーナーを作るか悩んでいるあなたも、是非参考にしてみてくださいね。
学習面でのメリット3選
リビングなどにあるスタディコーナーで勉強をする効果について、以下の3点を取り上げます。
- 親の目が行き届く
- 家族間のコミュニケーション向上
- 集中力アップ
人間は、物事に集中できる時間が限られています。
特に未就学児~小学校低学年の子供は、「年齢+1分」ほど、小学校高学年~中学生でも「15分」ほどと言われています。
まだ集中力が持続しない子供を、子供部屋で1人で学習させると、途中で他のことに気持ちが向いてしまって学習が進まないケースが多いです。
長時間集中できない子供に有効な学習方法として、5~10分ほどでできる分量の学習を2~3セットに小分けして行うというものがあります。
お子さん自身が、自分で学習のペースを管理できるようになるまでは、親が近くでサポートしてあげられるスタディコーナー形式が理想ですね。
リビングなどのオープンな空間で学習すると、コミュニケーションの面で以下の効果があります。
- わからないことをすぐ聞ける
- 家族と時間を共にした温かい記憶が残る
まず、近くにすぐ質問できる人がいることで、「わからないことをそのままにしない」習慣ができると言われています。
もちろん、ある程度成長すれば、自分で調べる習慣も大切になってきます。
しかし、小さい子供は、「わからないことを、どう解決したらいいのかわからない」状態です。
親が近くでサポートして解決に導いてあげることで、子供のやる気向上にもつながります。
また、家族と同じ空間でコミュニケーションを取りながら過ごすことで、家族と共に時間を過ごした経験が、心の成長も助けます。

適度な環境音がある空間の方が、脳がよく動くという研究結果もあります。
最適な音の大きさは70dB(デシベル)ほどと言われており、雨音やセミの声くらいをイメージすると良いでしょう。

シーンとした空間よりも、適度な環境音が発生する場所で勉強した方が、脳が音をシャットアウトしようとして、より集中できるようです。
但し、テレビの音は、言葉が余計な情報として耳に入ってきてしまうのでNGです。
勉強中は、テレビや歌詞がわかる音楽は消しておきましょう。
住環境としてのメリット2選
リビングなどにスタディースペースを作る「住環境上のメリット」として、以下の2点をご紹介します。
- 低コスト&小さいスペースで作ることができる
- ダイニングテーブルが散らからない
スタディコーナーは、最低限1人分の机が置けるスペースがあれば設置できます。
書斎や子供部屋を作るよりも、低コストかつ小さいスペースで作ることができるのでハードルは高くないでしょう。
学習だけに限らず、日中子供がいない時間に家事に利用したり、飾り棚にしたり用途も幅広いのでコスパが良い設備と言えます。
また、個人的には、造り付けではなく、後付けでカウンターテーブルを置いてスタディコーナーを作るほうが失敗が少ないと思っています。
よりコストも抑えられますし、長い目で見ると、模様替えしたくなったら配置を変えたり、撤去することも簡単だからです。
同じリビング・ダイニングでも、ダイニングテーブルで作業をすると、机の汚れや散らかりが気になります。
お食事をする場所と作業をする場所は、分けておいた方が、衛生的にも効率的にも良いでしょう。
脳の仕組み的にも、「リラックスする場所」と「勉強や仕事をする場所」はわけた方が、気持ちの切り替えがうまくいくと言われています。
まとめ
- リビングやダイニングにスタディコーナーを設ける間取りが、最近人気である。
- 学習環境として適切なのかよく考えて設置しないと、後悔することがある。
- 具体的に使用時のことをイメージしながら、設置場所や机のサイズを決定する。
- より快適な空間にするには、イスや照明などの周辺設備も整える必要がある。
- スタディコーナーを設けることで、学習面でも住環境面でも多くのメリットがある。
この記事では、スタディコーナーを計画するとき事前に確認するべきポイントについてご紹介してきました!
具体的に計画は立てられたでしょうか?
あなたのお家のスタディコーナーが、素敵な空間になりますように。