春菊の持つクセのある味が好きな方も多いのではないでしょうか?
春菊は「食べる風邪薬」と呼ばれるくらい栄養が豊富な野菜ですが、食べ過ぎるとどうなるか知っていますか?
春菊を食べ過ぎると、アレルギーや下痢、結石など体に良くない症状を引き起こす可能性があります。
しかし、春菊は摂取量を守れば体に悪いことはなく、健康に良い野菜です。
春菊は、βカロテン・カルシウム・食物繊維・ビタミンK・ビタミンCなどを含みます。
この記事では、春菊を食べ過ぎると起こしてしまう体に悪い反応や、春菊の栄養、レシピを紹介します。
この記事を読んで、あなたも春菊マスターになりましょう♪
目次
春菊を食べ過ぎることで起こす体に悪い反応
少しクセのある味が特徴の春菊をついつい食べ過ぎてしまう人はいるのではないでしょうか?
適量では豊富な栄養を摂取できますが、食べ過ぎるとアレルギーの症状や下痢などを引き起こす可能性があります。
この章では、春菊を食べ過ぎると出てきてしまう体に悪い反応をまとめました。
【反応①】アレルギーの症状
春菊を食べ過ぎると、稀にアレルギー反応を起こしたときと同じ症状を引き起こす可能性があります。
口や口の周りがかゆくなったり、湿疹が出たり、目のかゆみや充血、腹痛や吐き気の症状が出たりします。
ひどい場合は、蕁麻疹や呼吸困難に陥る可能性もあるので、体に合わない場合は注意が必要です。
こういった場合は、食べる量に関係なく春菊の持つアレルゲンに反応しているため、食べるのをやめて病院に行きましょう。
ただし、本来はあまり春菊アレルギーを持つ方はいらっしゃらないので、過度に心配しないで大丈夫です!
【反応②】下痢
春菊に含まれる食物繊維により、下痢の症状を引き起こす可能性があります。
https://twitter.com/chisato_121220/status/1539026033055506434
引用 Twitter
春菊は便秘や下痢に効く食べ物ですが、食べ過ぎると体に悪い反応を起こしてしまうのですね。
春菊に含まれる他の栄養についてはこちらの「春菊は栄養が豊富!【βカロテン・カルシウムなど】」をご覧ください。
【反応③】結石
春菊に含まれるシュウ酸とカルシウムが結びつくことにより、結石を招く恐れがあります。
春菊と比較されやすいほうれん草よりシュウ酸の量は少ないですが、食べ過ぎると危険には変わりありません。
シュウ酸は生の春菊の方が加熱した状態よりも含有量が多くなります。
結石が気になる方は、生で食べるのを控えたり、食べ合わせに注意したりして予防しましょう。
【反応④】ワーファリン剤の効果の低減
ワーファリン剤という、血液をサラサラにする薬を服用している方は、春菊との相性があまりよくありません。
血管が詰まる原因となる血栓の生成を抑制するワーファリンですが、春菊は血液を凝固させる働きを持つビタミンKを含みます。
ワーファリン剤の天敵とも言えるビタミンKを含むので、服用している方は注意しましょう。
春菊は栄養が豊富!【βカロテン・カルシウムなど】
食べ過ぎると体に悪い反応を起こす可能性がある春菊ですが、栄養がとっても豊富な野菜です。
この章では、春菊に含まれる物質とその役割について見ていきます。
春菊100gに含まれる栄養
春菊、ほうれん草、白菜の100g(可食部)に含まれる栄養を、以下の表にまとめました。
春菊 (生) |
春菊 (ゆで) |
ほうれん草 (生) |
白菜 (生) |
|
---|---|---|---|---|
βカロテン | 4,500μg | 5,300μg | 4,200μg | 1,900μg |
カルシウム | 120mg | 120mg | 49mg | 140mg |
食物繊維 | 3.2g | 3.7g | 2.8g | 2.2g |
ビタミンK | 250μg | 460μg | 270μg | 130μg |
ビタミンC | 19mg | 5mg | 35mg | 88mg |
春菊の100gとは、一般的にスーパーなどで売られている束の半分(1/2束)強で、1日の摂取量の目安とされています。
春菊・ほうれん草・白菜はいずれもゆでるとβカロテンの量が増えます。
生で比べたとき、ほうれん草はカルシウムがやや少なく、白菜は食物繊維、ビタミンKがやや少ないです。
春菊はほうれん草・白菜と比べてビタミンCがやや低い数値となっています。
続いて、今回あげたβカロテン・カルシウム・食物繊維・ビタミンK・ビタミンCの役割や特徴について詳しく見ていきます。
【栄養①】βカロテン
βカロテンは人が体内に摂取することで、必要な量だけビタミンAに変換されます。
ビタミンAに変換することで、目や皮膚、粘膜の健康を維持する役割を果たします。
一方で、βカロテンは強い抗酸化作用を持っていることが特徴です。
抗酸化作用とは、体内に発生した活性酵素を除去してくれる効果を持つことをいいます。
多すぎる活性酵素は、老化の進行や動脈硬化につながる可能性があるので、βカロテンが調節してくれます。
βカロテンは、春菊の他に、にんじん・かぼちゃ・パセリ・ほうれん草などの野菜に多く含まれますよ。
【栄養②】カルシウム
カルシウムは、人体に最も多く含まれるミネラル(無機質)で、歯や骨を形成します。
牛乳の100gに入っているカルシウムは、100〜140mgなので、春菊とほとんど同じ量なんです。
カルシウムは、細胞分裂や筋肉の収縮、神経の興奮を抑制する効果、血液の凝固を促進する作用を持ちます。
ただし、カルシウムの摂取量が十分だとしても、ビタミンDと一緒に摂取しないとうまく吸収できないことがあります。
【栄養③】食物繊維
食物繊維は、便秘の予防として親しまれています。
食物繊維を多く含む野菜は、春菊の他に、キャベツ・ごぼう・しいたけ・柑橘類が挙げられます。
便秘の予防以外にも、血糖値の上昇を抑えたり、血液中のコレステロールの濃度を低下させたりと多くの生理機能を調整します。
【栄養④】ビタミンK
ビタミンKは、血液の凝固を補助するような役割を持ちます。
一方で、ビタミンKは血液をサラサラにするワーファリン剤を服用している方とは相性が悪いので注意が必要です。
ビタミンKは、血液凝固に作用するだけでなく、丈夫な骨づくりにも貢献する役割を果たします。
【栄養⑤】ビタミンC
ビタミンCは、細胞と細胞の間を結ぶタンパク質であるコラーゲンの生成に必須です。
皮膚のメラニン色素の生成を抑えて、日焼け予防の効果があります。
ビタミンCはほかにも、ストレスや風邪に対しても抵抗力を発揮したり、鉄の吸収の補助をしたりする特徴があります。
春菊のレシピを公開!生で食べるサラダから鍋物まで
春菊の豊富な栄養がわかったところで、美味しい春菊料理が食べたくなってきたのではないでしょうか?
最後の章では、春菊を使ったおすすめレシピを紹介していきます。
①春菊のチョレギサラダ
生の春菊を使った、韓国風サラダであるチョレギサラダのレシピです。
春菊は、加熱することで苦味が増すので、生のままにして苦味を抑える方が食べやすい方もいらっしゃいます。
ごま油と海苔を合わせているので、食欲のそそられるサラダですよ。
材料/2人分 | ||
春菊 | 1/2束(100g弱) | |
焼き海苔 | 1枚 | |
A | ごま油 | 小さじ2 |
いり胡麻 | 小さじ1 | |
醤油 | 小さじ1/2 | |
ニンニク | 小さじ1/4 | |
塩 | 少々 |
- 春菊の葉を2等分に切り、軸を斜め切りにする
- ボウルにAを入れて混ぜ合わせてタレを作る
- 完成したタレと春菊を和えて、焼き海苔をちぎりながら加えて混ぜる
- 塩を少々振りかけて味を整えたら完成
②春菊のナムル
続いては、アレンジ無限大の春菊のナムルのレシピです。
材料/2人分 | ||
春菊 | 100g | |
下茹で | 水 | 1,000mL |
塩 | 10g | |
冷水 | 適量 | |
A | ごま油 | 小さじ2 |
鶏ガラスープの素 | 小さじ1/2 | |
白いり胡麻 | 小さじ1 |
- 鍋にお湯を沸かして、塩を入れる
- 春菊の茎の方を入れて30秒、葉の方を入れて30秒茹でる
- 春菊を冷水につけて冷ましたら、水気を切って一口大に切る
- ボウルにAを入れて混ぜ合わせてタレを作る
- 一口大に切った春菊とタレを混ぜて完成
③春菊のおひたし
鍋物に入っている春菊が苦手な方でもパクパク食べられる、春菊のおひたしのレシピを紹介します。
材料/2人分 | ||
春菊 | 1束 | |
下茹で | 水 | 1,000mL |
塩 | 少々 | |
冷水 | 適量 | |
みりん | 小さじ2 | |
A | 水 | 50cc |
醤油 | 小さじ2 | |
和風だしの素 | 小さじ1/4 | |
カツオ節 | 適量 |
- みりんを電子レンジで30秒ほど加熱し、アルコールを飛ばした煮切りみりんを作る
- 煮切りみりんとAを混ぜ合わせてタレを作る
- 鍋にお湯を沸かして、塩入れる
- 春菊の茎の方を入れて30秒、葉の方を入れて30秒茹でる
- 春菊を冷水につけて冷ましたら、水気を切って5cm幅に切る
- 春菊の水気を切って、タレを混ぜ合わせる
- 最後にカツオ節を振りかけて完成
④春菊のパスタ
春菊で作る、メイン料理を知りたい!という方におすすめなのは、こちらのクリームパスタ。
お好みで胡麻やチーズを振ったり、ベーコンやソーセージを入れてみてもGOOD!
材料/2人分 | ||
乾パスタ | 200g | |
春菊 | 1束 | |
A | ニンニク | 1片 |
無調製豆乳 | 200cc | |
味噌 | 大さじ1/2 | |
塩 | 小さじ1/2 | |
ブラックペッパー | 少々 | |
オリーブオイル | 大さじ1 |
- パスタを表示の時間よりも1分短い時間で茹でる
- ニンニクをみじん切りに、春菊は粗みじん切りに切っておく
- フライパンにオリーブオイルとみじん切りしたニンニクを入れて火にかける
- 香りが立ったら、春菊を加えて炒める
- 味噌をといたAをフライパンに入れる
- 茹で上がったパスタを入れて絡め、塩で味を整えたら完成
⑤春菊の豚しゃぶ
春菊はすき焼きに入って、クタクタになっているイメージが強いですよね。
そこでさっと茹でて美味しいしゃぶしゃぶのレシピを紹介します。
材料/2〜3人分 | |
春菊 | 1束 |
豚しゃぶしゃぶ肉 | 200〜300g |
豆腐 | 1丁 |
だし昆布 | 1枚 |
ポン酢や醤油など | 適量 |
- 春菊を葉と茎に分ける
- 鍋に水と昆布を入れて火にかける
- ふつふつと鍋が沸いてきたら、豆腐を入れて弱めの中火にする
- 豚しゃぶ肉と春菊の茎を取り、15〜20秒ほどしゃぶしゃぶする
- 春菊の葉は、10秒ほどしゃぶしゃぶして食べるのがおすすめ
- ポン酢や醤油などにつけて食べましょう
春菊の美味しさを最大限に引き出すためには、葉と茎を分けるときに手で摘み取るのが良いです。
茎が長すぎる場合は折ってしまえば大丈夫です。
実際にしゃぶしゃぶするときは、豚しゃぶ肉1枚と春菊の茎4〜5本のセットがおすすめです。
火が通るタイミングがほとんど一緒なので、セットにするとわかりやすいですし、豚しゃぶと春菊を一度に堪能できますよ。
まとめ
- 春菊を食べ過ぎるとアレルギーの症状や下痢、結石など体に悪い症状を引き起こす可能性がある
- ワーファリン剤という血液をサラサラにする薬を服用している方は、春菊との相性がよくないので注意が必要
- 春菊は食べる風邪薬と呼ばれるくらい豊富な栄養を持つ野菜で、1日の摂取量の目安は100g程度である
- 春菊にはβカロテン・カルシウム・食物繊維・ビタミンK・ビタミンCなどの物質が含まれている
- 春菊をサラダなどの生で食べても良いが、残留農薬や虫が残っていることがあるので調理の際にしっかり洗い流す
- 春菊を使った代表的な料理であるすき焼きのほかに、パスタや豚しゃぶなどのレシピがある
春菊を食べ過ぎることで出てきてしまう体に悪い反応を聞くと、少し怖いですよね。
しかし、豊富な栄養を持つ春菊なのでバランスに気をつけて食べると良いですよ。
今回紹介した春菊のレシピを使って、美味しく健康になりましょう♪