フルタイムで毎日働いているので、時間があるときに野菜の下ごしらえをして、冷凍保存をしています。
以前に、玉ねぎを薄切りにしてラップで包み冷凍保存していたものを、ボールに取り出して、自然解凍したときのこと。
な、なんと、びちゃびちゃになってしまいました。
ざるにあけて、水洗いをしたら、今度は玉ねぎの香りがなくなって。
試しに、口に入れて味を確かめたら、まずいんです。
そこで一念発起。
ネットで玉ねぎの冷凍保存方法を調べ、書いてある通りにしたら、美味しく食べられるようになりました。
この記事に書かれている方法で、玉ねぎを冷凍すれば、あなたは「玉ねぎの冷凍がまずい!」なんて失敗をせずに済みます。
今回は、冷凍保存方法に合わせた簡単レシピも紹介します♪
目次
「玉ねぎの冷凍がまずい」を回避するコツ
よく切れる包丁なら冷凍玉ねぎの臭いが軽減する
玉ねぎを解凍して失敗したときに、「臭い」と思ったのは玉ねぎの成分である「硫化アリル」が原因でした。
玉ねぎを切ることで、玉ねぎの細胞が壊れ、「硫化アリル」が気化して空気中を漂い臭います。
「硫化アリル」の臭いをなるべく出ないようにするためには、よく切れる包丁を使うことがポイントです。
切れない包丁を使うと、細胞をつぶすことになり、余計に「硫化アリル」が放出されることになるからです。
よく切れる包丁で切ったら、なるべく早く冷凍しましょう。時間がたてばたつほど、酸化も進み臭います。
金属トレーを使えば緩慢凍結の欠点を補える
切った玉ねぎを、ラップで包むなり、密閉保存袋に入れてなるべく薄く平たくして、金属トレーに載せて冷凍します。
すると、金属トレーに載せないときよりも早く冷凍できます。
業務用の冷凍庫はー30℃~ー40℃で、一気に「急速凍結」できます。
それに対して、家庭用の冷凍庫は-18℃でゆっくりと「緩慢凍結」となっています。
なので、どうしても家庭用の冷凍庫の場合、冷凍が完了するまでに時間がかかります。
「急速凍結」だと、水分の粒子が小さいうちに凍るので、より玉ねぎの繊維の状態が生に近いと言えます。
「緩慢凍結」は水分の粒子が大きい状態で凍るので、細胞を壊してしまい繊維間の空洞が大きくなり、融けた時にスジっぽくなる原因になります。
引用 日本冷凍食品協会
「玉ねぎの冷凍がまずい」という状況を生み出さないために、あると便利なアイテムを紹介しますね。
「冷凍玉ねぎはまずい」を防ぐアイテム3選
あなたは、玉ねぎを冷凍するときに、何を使いますか?
ラップ?ビニール袋?タッパー?
私は、ビニール袋に詰めて、なるべく空気を抜いて結んで平らにもせず、そのまま冷凍庫に入れていました。
冷凍保存するために使うラップの種類や、保存袋の形などもこだわると、「玉ねぎの冷凍がまずい」を回避できます。
ラップ
一般的に売られているラップは大きく分けると2種類あります。
材質が「ポリ塩化ビニリデン」か「ポリエチレン」の違いです。
ラップのパッケージの裏にある、製品表示欄を見ると確認できます。
冷凍におすすめは、「ポリ塩化ビニリデン」のラップです。
《ポリ塩化ビニリデン》耐冷性・耐熱性・密着性が高くて冷凍向き
- 隙間ができにくくしっかり密着する
- 水分を保つ力が高い
- 酸素ガスを通さないので食材の酸化を防ぐ
- ニオイを通さない力が高いので、他の食材にニオイ移りしない
冷凍用密閉袋(ジップロックなど)
冷凍用密閉袋は、形が「フラットタイプ」と「マチ付き」があります。
また、袋の閉じ口も「ジッパータイプ」と「スライド式ジッパータイプ」があります。
密閉度が高く何にでも使え、冷凍に向いているのは「形がフラットタイプで閉じ口がジッパータイプ」。
S、M、Lとサイズは大抵あるので、冷凍したい玉ねぎの量に合わせて選びましょう。
100円ショップなどでも扱っているもので十分ですが、なるべく厚みがあるものを選んでください。
《フラット型ジッパータイプの冷凍用密閉袋》
- 食材を平たく袋いっぱいに広げられるので、素早く冷凍できる
- ジッパータイプの閉じ口は、空気が抜きやすいのでしっかり密閉できる
- 液体でも比較的漏れにくい
引用 AsahiKASEI公式
金属製トレー
金属製のトレーは、熱伝導率が高いので早く冷凍できます。
切った玉ねぎを入れたラップや冷凍用密閉袋を、トレーに密着するように載せます。
引用 HouseE-mag
また、トレーがなくても、少量だったら代用にアルミホイルを使うこともできます。
こんなふうに、平たくしてラップを2重にしてからアルミホイルに包みます。
アルミホイルも熱伝導率が高いので、金属トレーと同じような役目をします。
トレーが手元になく、使い残しの少量の玉ねぎを冷凍する急場凌ぎには良いですが、大量に冷凍するときはやはり金属トレーが便利です。
解凍せずに炒めたり煮たりする
薄切りの玉ねぎを冷凍して自然解凍したときに、「まずい!」と思い捨ててしまった、私の失敗談をお話しました。
ある実験をしてみました。
まず、よく切れる包丁で薄切りにした玉ねぎを、「塩化ビニリデン」のラップとアルミホイルを使い包みました。
それを冷凍し、自然解凍をしてみました。写真はそのときの、玉ねぎの状態です。
しんなりとして、水分が溜まっています。以前と同じ状態です。
しかし、今回は「正しい冷凍方法」でしたためか、ニオイが臭くありませんでした。
味を見てみると、辛味が軽減して食べやすくなっていたのです。
これはこれで、ざるにあけて洗わずに、そのまま軽く絞ればポテトサラダなどに入れたら美味しく食べられそうです。
酢の物や酢漬けにして食べてもいいと思います。お口に合えばこれもいい箸休めの一品になります。
この実験を通して、もしうっかり、自然解凍してしまったとしても、捨てなくてもいいということがわかりました。
ですが、炒めたりするには水分が出過ぎていて、向いていない状態です。
炒める・煮るなど火を通す調理をするときは、冷凍のまま使うことをおすすめします。
玉ねぎを冷凍保存する方法は3通りある
玉ねぎを冷凍すると、生の玉ねぎとは違うメリットがあります。
- 火の通りがよくなる
- 味が染みやすくなる
- 甘味が増して、コクがでる
玉ねぎを切らずに丸ごと冷凍保存
●冷凍方法
- 玉ねぎの皮をむき、根の部分と頭の部分を5mmほど切り落とす
- 根の方を下にしてまな板の上に置き、頭の方に2cmぐらい十文字に切り込みを入れる
- その玉ねぎをラップで隙間がないようにぴったりとラップを巻く
- ラップした玉ねぎを密閉保存袋に入れ、空気をなるべく抜いて閉じて冷凍庫へ
この方法で、約1ヶ月は美味しく食べられます。
冷凍のまま煮込み料理にしたり、おろし器でおろして料理に加えたり、とても重宝します。
使いやすい大きさに切って冷凍保存
あらかじめ、切って冷凍しておけば玉ねぎを切る手間が省けて、時間の短縮になりますね。
♦くし切り
引用 kikkoman
カレーやシチュー、肉じゃがなどには、くし形の玉ねぎが合います。
♦薄切り
引用 kikkoman
薄切りには「繊維にそって薄切り」と「繊維に直角に薄切り」とがあります。
炒め物や煮込み料理には「繊維にそって薄切り」したものを使います。
「繊維に直角に薄切り」だと、繊維を断ち切るので、火を通すと水分が出てしまいます。
サラダに生の玉ねぎを入れるときは、「繊維に直角に薄切り」したものを使うといいでしょう。
♦みじん切り
根元の方を向こう側にしてまな板の上に置き、根元を切らないように切り目を入れる。
包丁を写真のようにねかせて横に2~3本切れ目を、やはり根元を切らないように入れる。
端から切っていくとみじん切りになる。
引用 kikkoman
麻婆豆腐や肉豆腐などに冷凍のまま使えます。
この冷凍したみじん切りの玉ねぎで、「飴色玉ねぎ」を作ると、生の玉ねぎを使って作るときよりも、早く出来上がります。
フードプロセッサーがあれば、さらに時短になりますね。
炒めて飴色玉ねぎにして冷凍保存
フランスで「リヨネーズ」と呼ぶそうです。
少量では作りにくいので、時間があるときに多めに仕込んで、1回分ずつラップに包んで冷凍保存するといいですよ。
プロが教える飴色玉ねぎの作り方
《材料 作りやすい分量》
- 大きめの玉ねぎ(皮をむいたもの) 2個
- オリーブオイル 大さじ2~3
- 玉ねぎをみじん切りにする
- 最初は中火で6分ほど炒める
- しなっとしてきたら、フライ返しや木べらを使いながら、強火にして20~30分炒める
- 弱火にして、玉ねぎの量の見た目が初めより半分ぐらいになるまで25分ぐらい炒める
- 色目も濃いめのきつね色になったら出来上がり
バットや大きい皿に広げて冷まし、1回分ずつ分けて空気が入らないようにラップで包み、密閉保存袋にて冷凍保存しましょう。
ハンバーグなどには、解凍せずにそのまま使えます。
この「飴色玉ねぎ」を作るときに、冷凍したみじん切りや薄切りの玉ねぎを使うと、さらに時短できます。
玉ねぎの冷凍方法別にレシピを紹介♪
冷凍玉ねぎを解凍する手間がないレシピばかりです。
レシピ通りの材料や分量でなくても、好みに合わせてアレンジして、是非、冷凍玉ねぎの美味しさを堪能してくださいね。
丸ごと冷凍玉ねぎでコンソメスープ他
丸ごと玉ねぎ入りコソメスープ
●材料(1人分)
- 冷凍した丸ごと玉ねぎ 1個
- コンソメ顆粒 小さじ1/2(水の量によって変わる)
- ベーコン 1枚
- 水 100cc(鍋の大きさによって量は変わる)
- 塩 適宜
- 好みのハーブ(あれば)
●作り方
- 鍋に冷凍玉ねぎを入れ、玉ねぎが隠れるぐらいの水を入れる
- コンソメを水分量に合わせて入れる。目安は100ccに対して小さじ1/2
- 火にかけ、沸騰するまでは強火で、沸騰後は弱めの中火でコトコト煮ていく
- 串を刺して、スーッと通るようになった時点で、ベーコンを5mmほどに切って入れる
- ベーコンを入れてから、5分ぐらいで味をみて、塩を適宜入れて味を調えて出来上がり
そのまま召し上がってもいいですし、冷めるまで自然に放置して、味が染みてから、また温め直して召し上がってもいいです。
※ 好みで粗びき黒コショーやハーブを使ってもいいでしょう
丸ごと冷凍玉ねぎすりおろし
料理の過程で野菜など食材を煮込む時点で「丸ごと冷凍玉ねぎ」を、おろし器でおろして入れる方法。
●料理例
- カレー
- シチュー
- ミートソース
- チリコンカン など
甘味とコクがプラスされます。
くし切り冷凍玉ねぎで親子丼
親子丼
●材料(1人分)
- 鶏もも肉 100g
- 卵 2個
- 冷凍くし切り玉ねぎ 適宜
- だしの素 小さじ1/3
- 酒 大さじ1/2
- 砂糖 大さじ1/2
- 水 80cc
※ 好みで糸三つ葉
●作り方
- 鍋に調味料と水と冷凍くし切り玉ねぎを入れる
- 沸騰してきたら、一口大に切った鶏もも肉を加える
- 中火で3~5分煮て、鶏もも肉に串を刺してみて、火が通っているようでしたら、溶き卵の2/3を上から回し入れる
- 蓋をして30秒ほど中火で煮る
- 蓋を開けて残りの溶き卵を加え、中火のまま半熟になるころ、火を止める(糸三つ葉を入れるならこの時点で)
- どんぶりによそったご飯の上に5.を載せて、出来上がり
冷凍飴色玉ねぎでトマト煮込みハンバーグ
トマト煮込みハンバーグ
●材料(1人分)
- 合い挽き肉 100g
- 冷凍飴色玉ねぎ 適宜
- 溶き卵 1/4個分
- 食パン 1/4枚
- 牛乳 大さじ1弱
- すりおろしにんにく 小さじ1/3
- トマト缶 1/4缶(生のトマトが安く手に入る時期でしたら、生トマトを使うとトマト缶とはまた違った美味しさが楽しめる)
- 水100cc
- ケチャプ 大さじ1/2
- バター 適宜
- コンソメ 少々
- 塩
- オリーブオイル 適宜
●作り方
- 牛乳に食パンを浸しておく
- 合い挽き肉をボールにあけて、手でグルグルと粘りが出るまで練る
- 冷凍飴色玉ねぎを好みの量入れて、さらにこね合わせる
- さらに溶き卵、牛乳に浸した食パン、すりおろしにんにくを混ぜ合わせる
- 塩をひとつまみ、黒コショーを好みの量いれてこね合わせる
- 5を丸めて平たくして、真ん中に窪みを作ったものを、熱してオリーブオイルをひいてあるフライパンに載せ、中火で裏表に軽く焦げ目がつく程度焼く
- そこに、トマト缶と水とコンソメ、ケチャップ、バターを入れていく
- 弱めの中火で蓋を少しずらして載せ、10分程度煮込む
- 串を肉に刺してくっついてこないようでしたら、塩・黒コショーなどで味を調えて出来上がり
※ パセリやイタリアンパセリなどがあれば見た目にもキレイ
玉ねぎに特化している本は、なかなかない中、素敵な本をみつけたので、ここで玉ねぎ料理のレシピ本を一冊紹介します。
この本を読んだら、「玉ねぎのファンになること間違いなし!」と勝手に思っています。
まとめ
- 玉ねぎの冷凍がまずいのは、冷凍方法を間違えていたから
- 玉ねぎの冷凍を美味しくするには、切れる包丁と金属トレーがあるといい
- 玉ねぎの冷凍には、「塩化ビニリデン」のラップを使うといい
- 解凍してしまったびちゃびちゃの玉ねぎは、絞って酢漬けやポテトサラダに使える
- 玉ねぎは冷凍すると甘くなって火の通りが早くなる
- 冷凍玉ねぎが冷凍庫にあれば、忙しいときの時短料理に役立つ
玉ねぎを冷凍すると、まずいし臭いと思っていたあなた!
いかがでしたでしょうか?
冷凍した玉ねぎが、生の玉ねぎにないメリットでいっぱいだったなんて!
私も、正しい玉ねぎの冷凍方法や、使い方を知らなかったために失敗しました。
この失敗をきっかけに調べていなかったら、「玉ねぎの冷凍はまずい」と勘違いしたままだったと思います。
節約にもなってお料理上手にもなる、一石二鳥な玉ねぎの冷凍術を、是非、使いこなしてみてくださいね!