子どもの頃、鼻がつまって苦しいとき、ヴェポラップを胸や背中に塗ってもらった経験はありませんか?
ヴェポラップは「塗る風邪薬」として、長年販売されています。
わが子にも、ヴェポラップを塗ってあげようと調べていると、ネット上に「危険性」の文字が…。
調べた結果、ヴェポラップに危険性はなく、特に小さなお子さんにおすすめの安全な製品であることが分かりました。
ヴェポラップを安心して使える理由や使い方、使用上の注意点について解説していきます。
SNSで話題になっている、ヴェポラップを足裏に塗ることについて、メーカーの見解も調査しました!
ぜひ、最後まで読んでヴェポラップの正しい使い方を知ってくださいね。
目次
ヴェポラップの危険性は?全成分と安心して使える理由
ヴェポラップに危険性はあるのか、ヴェポラップの成分を詳しく調べてみました。
その結果、ヴェポラップには危険性があるとはいえず、むしろ小さなお子さんにおすすめであることがわかりました。
ヴェポラップを安心して使用できる理由を解説します。
ヴェポラップの成分は安全性が認められている
まず、ヴェポラップの成分に危険性のあるものは含まれているのか、見てみましょう。
ヴェポラップは塗るタイプの鼻づまり改善薬で、6種類の有効成分が含まれています。
有効成分とは?体に直接、有効な効果をもたらす成分のことで、厚生労働省が安全性を認めたもの
成分名 | 製品100g中の含有量 | 抽出元 |
---|---|---|
dl-カンフル | 5.26g | クスノキの精油 |
テレビン油 | 4.68g | マツ科の樹木 |
l-メントール | 2.82g | シソ科二ホンハッカや ペパーミント |
ユーカリ油 | 1.33g | ユーカリの葉 |
ニクズク油 | 0.69g | ナツメグの種子 |
杉葉油 | 0.44g | 杉の枝葉 |
添加物:チモール | 記載なし | タチジャコウソウ(タイム)などの植物 |
添加物:ワセリン | 記載なし | 石油 |
dl-カンフル・テレビン油・l-メントール・ユーカリ油・ニクズク油・杉葉油の6種類がヴェポラップの有効成分です。
表をご覧いただくと分かるように、全ての有効成分が自然界に存在する植物から抽出されています。
抽出された成分は、肌へ安全に使用できるように不純物を取り除き加工されており、危険性はありません。
添加物であるチモールは、防腐剤の役割をしており、タチジャコウソウ(タイム)などの植物から抽出されています。
石油から抽出されたワセリンは、軟膏のもとになっており、保湿剤としてもよく知られていますよね。
ヴェポラップに含まれる全ての成分に、危険性は認められませんでした。
ただし、内服したり、定められた用量を超えて多量に使用したりすると体に害を与えます。
使用上の注意をしっかり確認して使用しましょう!
具体的な使用量については「ヴェポラップの正しい使い方と注意点」で解説しています。
特に小さなお子さんの誤飲には要注意なので、お子さんの手が届かない所にヴェポラップを保管しましょう。
医師も認める子どもに安心して使える理由
ヴェポラップについて調べていると、小児科医がヴェポラップをおすすめしている記事をいくつか見つけました。
特に小さなお子さんにおすすめの理由が3つあります。
ヴェポラップは医薬部外品のため、医薬品よりも体へ緩やかに作用します。
【医薬品と医薬部外品の違い】
医薬品 | 医薬部外品 |
---|---|
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医薬品ほど改善効果は高くありませんが、副作用も強くないので安心して使用できます。
お子さんには出来るだけ、刺激の少ないものを使用したいですよね。
お子さんが鼻づまりで辛そうなとき、まずはヴェポラップを試してみるのは良いですね。
小さなお子さんだと、薬を飲むことが難しかったり、嫌がったりすることがありますよね。
ヴェポラップは塗るタイプの風邪薬なので、薬が飲めないときに役立ちます。
また別の治療で飲んでいる薬があるときにも、併用できるというメリットがあります。
親御さんがヴェポラップをお子さんの体に塗ることで、お子さんに安心感を与えられます。
手で肌や体に触れると痛みが和らいだり、心が穏やかになったりすることは、科学的にも解明されています。
大好きなママやパパから、ヴェポラップを塗ってもらったお子さんは安心して眠りにつけるでしょう。
寝苦しいときのお守りとして、ヴェポラップを持っておくと安心ですね。
ヴェポラップの効果と使い方を解説!注意点も!
ヴェポラップに危険性がないことがわかったところで、ヴェポラップにどのような効果があるのか見ていきましょう。
ヴェポラップの正しい使い方と注意点もお伝えします。
ヴェポラップは2つの作用で風邪症状に効く!
ヴェポラップは、胸・のど・背中に塗ることで、鼻づまりやくしゃみなどの風邪に伴う症状を緩和します。
ヴェポラップは、熱を下げることなどを目的として使用するものではありません。
ヴェポラップは、2つの作用で風邪の症状を和らげる効果があります。
引用 大正製薬公式
1つ目の作用は「吸入作用」です。
ヴェポラップの有効成分が、体温で温められて蒸気となり、鼻や口から吸入することで呼吸を楽にしてくれます。
2つ目の作用は「湿布作用」です。
ヴェポラップの有効成分が、塗布した部分の血行を良くし体を温め、風邪の症状を緩和します。
ヴェポラップの正しい使い方と注意点
ヴェポラップは、生後6か月の赤ちゃんから大人まで使用できます。
定められた用量を胸・のど・背中に塗布することで効果が得られます。
年齢 | 1回量 | 使用回数 |
---|---|---|
6か月未満 | 使用不可 | |
6か月~2才 | 3g | 1日3回 |
3~5才 | 4g | |
6~11才 | 5g | |
12才以上 | 6~10g |
塗るときのポイント
- 塗ったときにヒヤッとするのを防ぐため、あらかじめ手のひらで温めてから塗ると良い
- 塗ったあとのべたつきが気になる場合は、ガーゼなどの布をあてると良い
使用にあたっては、下記の3点に注意しましょう。
【ヴェポラップ使用上の注意】
- 6ヶ月未満の赤ちゃんには使用しない
- 目の周囲や粘膜(口腔・鼻腔・傷口など)には使用しない
- 使用後に、皮膚の発疹やかゆみがあらわれた場合は使用を中止する
※7日間使用しても症状が良くならない場合には、病院を受診しましょう。
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ヴェポラップを足裏に塗る!?本当に有効な咳どめ法は?
「ヴェポラップを足裏に塗ると咳がとまる」という噂を聞いたことはありますか?
SNSで話題になっているこの方法ですが、本当に効果があるのでしょうか。
ヴェポラップを足裏に塗ることについて、メーカーに電話して聞いてみた結果をお伝えします!
また、科学的な裏付けのある咳どめ法もご紹介します。
ヴェポラップを足裏に塗ると咳がとまる!?
https://twitter.com/yururik1/status/1646132783671279617
引用 Twitter
「ヴェポラップを足裏に塗り、靴下を履くと咳がとまる」という噂をSNSでよく目にします。
本当に効果はあるのでしょうか?
とても気になった私は、大正製薬のお客様119番室に電話して聞いてみました。
結論としては「足裏にヴェポラップを塗ることはおすすめできない」ということでした。
【メーカーの回答】
- ヴェポラップは、胸・のど・背中に適正量を塗って効果が得られるものなので、正しく使用してください
- 他にも「鼻の下に塗る」という使い方をする人もいるようですが、こちらもおすすめできません
そもそも、おすすめしない使い方ですので、足裏へ塗った場合の効果に関する回答はありませんでした。
調べてみましたが、足裏に塗ることで咳がとまるという効果について、科学的に裏付けられた情報はありません。
ヴェポラップのイレギュラーな使い方はせず、正しく使用しましょう。
科学的に有効な咳をとめる方法を5つ紹介
お子さんの咳が酷い(ひどい)ときは、見ているこちらも辛くなってしまうものです。
何とかして楽にしてあげたいですよね…。
まず、咳があまりにも激しいときは、なるべく早く病院を受診しましょう!
その上で、科学的な裏付けのある、咳をとめる効果が期待できる方法を5つご紹介します。
咳をとめる効果が期待できる方法
- 常温や温かい飲み物で水分を十分に摂る
- はちみつを摂る(1才以上)
- 加湿器を使う・湯船につかる
- のど飴やスプレーを使う
- 咳どめ薬を使う
①常温や温かい飲み物で水分を十分に摂る
のどの乾燥が咳を引き起こしていることがあるので、水分を十分に摂り、のどの乾燥を防ぎましょう。
冷たい飲み物はのどに負担がかかってしまうため、常温や温かい飲み物をこまめに飲み、のどを潤しましょう。
お子さんの場合は、白湯や温かい麦茶などがおすすめです。
②はちみつを摂る(1才以上)
はちみつには抗炎症作用があり、咳を緩和する効果があります。
はちみつを温かい飲み物に加えたり、スプーンでそのまま摂ったりすることで、咳をやわらげます。
はちみつは、加熱処理がされていない「純粋はちみつ」を選ぶことでより効果が得られます。
※中毒症状を起こす可能性があるため、1才未満の赤ちゃんには与えないこと!
③加湿器を使う・湯船につかる
加湿器を使うことで空気中の湿度を上げ、のどの乾燥を防ぎます。
また、湯船につかって湯気を吸いこむことでのどが潤い、呼吸が楽になることもあります。
④のど飴やスプレーを使う
のど飴やスプレーにはのどを潤す成分が含まれているため、乾燥を防ぎ、咳を緩和してくれます。
⑤咳どめ薬を使う
医師の指示に従って、咳どめ薬を使用します。
長期間使用することは避け、用量を守って使用しましょう。
まとめ
- ヴェポラップに危険性のある成分は入っておらず、全ての成分が安全性を認められたものである
- ヴェポラップは体への作用が緩やかで、塗るタイプのため、薬が飲めない子どもに使いやすい
- ヴェポラップを胸や背中に塗ると「吸入作用」と「湿布作用」が働き、風邪による鼻づまりやくしゃみを緩和する
- ヴェポラップは6か月未満の赤ちゃんには使用できず、目の周囲や粘膜には使用しないなどの注意点がある
- ヴェポラップを足裏に塗ると咳がとまる効果は証明されておらず、メーカーとしてはおすすめしていない
- 咳をとめるには水分摂取など、のどを潤すための科学的に有効な方法を試してみると良い
ヴェポラップに危険性はなく、医師もおすすめの子どもに安心して使える製品だということが分かりました。
あなたがお子さんを思う気持ちは、ヴェポラップを通して伝わります!
風邪で辛いとき、ヴェポラップを正しく使ってもらったお子さんが、少しでも楽になれることを願っています。