「親知らず」を抜歯したという話は、割とよく耳にしますね。
親知らずは、40代でする抜歯と若い頃にする抜歯とでは、違いがあることを知っていますか?
危険があるのかしら?
親知らずは若い頃に生える方もいますが、40代になってから生えてくるという人もいるのです。
年を重ねてからの親知らずは、抜歯する時に危険がある、と言われることがあります。
本記事では、40代で親知らずを抜歯することは、危険があるのかどうかを解説しますよ!
あなたの親知らずが、抜歯をする必要がある歯なのか判断する「特徴」も紹介します。
目次
40代で親知らずを抜歯するのは危険がある!理由を解説
40代で親知らずを抜歯するのは、危険だと言われることがあります。
また、抜かなくても問題のない親知らずもあるので、抜歯が必要な親知らずとはどんな歯なのか気になりますよね。
この章では、40代で抜歯をするのが危険と言われる理由と、抜歯が必要な親知らずの特徴についてお伝えします!
40代で親知らずを抜歯するのが危険な理由3つ
親知らずは、永久歯が全て生え揃った後に、歯の一番奥に生える永久歯のことです。
引用 日本歯科医師会
名の通り親が生え始めを知らない、思春期から20代の頃に生える方が多いですよ。
40代で生えてくる人もいますし、一生生えてこない人もいます。
- 骨が固くなってしまう
- 全身疾患を持っている人が増える
- 抜歯後の回復に時間がかかる
抜かなければいけない親知らずは、歯茎の中で横に生えていることがあるだけでなく、斜めに生えているケースも多いです。
抜きづらい親知らずの場合は、顎の骨を削ったり歯を割ったりして抜歯をすることになりますよ。
また、40代になると親知らずが顎の血管に近づいていることがあります。
抜歯をする際に顎の血管を傷つけてしまうと、麻痺や大量出血のリスクも高まってしまいます。
40代になると、全身疾患を持つ方も多くなります。
持病を持っていると、治療時や治療後の対処が違ってきますので、必ず歯科医師へ持病を持っていることを伝えてください。
糖尿病などの生活習慣病を患っている方は、お薬などの影響もあり、出血が多く治療しにくい傾向があります。
心臓病・循環器系の病気などは、抜歯後の回復が遅くなったり、感染症に罹患したりするリスクが高くなります。
40代になると、その方自身の健康状態次第で抜歯のリスクが変わるので、どうしても抜歯の危険性が高くなってしまうのです。
親知らずは他の歯と比べてサイズが大きいため、抜歯後の歯肉の損傷が大きくなり、回復に時間がかかります。
40代で親知らずを抜歯すると、抜いた場所の骨が完全に回復せず、骨が下がることや歯周ポケットが残ることがあります。
これまでのことから、40代で親知らずを抜歯をするのは危険であることがわかりましたね。
親知らずを抜歯するなら、体力・回復力・治癒力の高い20代が最適な年齢です。
親知らずに問題があるならば、20代のうちに抜歯してしまうことをおすすめしますよ!
年齢関係なく抜歯した方が良い親知らずの特徴
親知らずは抜歯する方が良いとも、抜歯しない方が良いとも言われています。
親知らずを抜歯する際の判断基準を紹介します!
・生えている方向がおかしい場合や埋まっている場合がある
・噛み合う歯がない
・嚢胞(のうほう)の原因になっている
・痛みや腫れが生じている(一度でもあれば抜歯をおすすめ)
・矯正をする予定がある
・抜歯することで隣の歯にプラスの効果が見込める
・歯磨きがしにくく、プラークが溜まりがちになる
大事な予定や仕事の時、イベントなどが控えている場合は、ストレスや疲れなどで抵抗力が落ち、親知らずの症状が悪化することが多々あります。
抜歯の必要ない親知らずは将来役に立つことも
顎が小さくなってきている現代では、抜歯が必要な親知らずが多いですが、抜かなくても良い親知らずもあります。
引用 日本歯科医師会
・上下の歯が噛み合っている
・清掃状態が良い
・虫歯や歯周病になっていない
・ブリッジの支えになっている
- 矯正治療に利用
- ブリッジの土台に使用
- 歯牙移植に利用
上記のように、歯科治療の幅を広げるのに役立ちます。
親知らずは、絶対に抜かなければいけないわけではないので、主治医と相談してくださいね!
40代では親知らずの費用は?抜歯の処置別に詳しく紹介!
親知らずは、40代になると抜歯しやすいものと、抜歯しにくいものがあるとわかりました。
抜歯に必要な費用は、抜歯の処置によって費用が変わってきます。
この章では、親知らずの抜歯はどのような処置があって、費用はどのくらいなのかをご紹介します!
抜歯の処置は4種類!歯の状態別に費用をご紹介
40代の親知らずに限ったことではないのですが、歯の抜きやすさによって、処置の方法が異なってきます。
上の親知らずがまっすぐに生えている場合 | 約5,000円
(初診料+パノラマX線写真+処置代+薬代) |
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下の親知らずがまっすぐに生えている場合 | 約5,000円〜8,000円
(初診料+パノラマX線写真+処置代+薬代) |
横向きに生えている場合〈水平埋伏(まいふく)〉 | 約6,000円〜12,000円
(初診料+パノラマX線写真+処置代+薬代) |
埋まっている場合〈完全埋伏(まいふく)〉 | 約10,000円〜12,000円
(初診料+パノラマX線写真+処置代+薬代) |
(上記は全て3割負担の場合)
引用 日本歯科医師会
親知らずは、40代になると抜きづらくなるので、抜歯が必要だと判断されたらすぐに処置することをおすすめします。
40代の親知らずでは歯磨きに気をつける!口臭の原因に!
口臭は、年齢・性別に関係なく、人と接する時に気をつけたいマナーの一つです。
40代は、親知らずがあることで、口臭がキツくなることがあります。
この章では、親知らずが生えた後の歯磨きの仕方についてお伝えしますね!
親知らずは磨き方が悪いと歯周病の原因となる
親知らずは一番奥に生えていて、斜めに生えていたり途中まで生えていたりすることが多いので、きれいに歯磨きをすることが難しい歯です。
完全に出ている親知らずであっても、一部だけ顔を出している親知らずであっても、歯ブラシが届きにくく虫歯になりやすいのです。
親知らずが磨きにくいのは、40代であっても若年層であっても同じです。
親知らずは、歯をきれいに磨くことができないため、虫歯ができてしまうだけでなく、歯周病を発症してしまうケースも多く見受けられます。
日本人のおよそ8割が、30代・40代の年齢になると歯周病にかかっていると言われていますね。
歯と歯茎の間にできる歯周ポケットは、歯磨きをしても届かないところに食べかすや歯垢がたまるため、細菌が繁殖しやすくなります。
問題のない親知らずをせっかく残しておいても、磨きにくいために「智歯周囲炎」と呼ばれる親知らずの歯周病になることがあるのです。
その結果、抜歯せざるを得なくなってしまい、歯周病が進行して隣の歯まで抜歯…ということになるケースもあるので気をつけたいですね。
40代の親知らずは歯磨きを重点的に丁寧にする
親知らずを抜歯した後のケアについては、処置をした病院から指示があると思うので、ここでは残した親知らずのケアについて説明します。
親知らずは、大きく口を開けると磨きやすいと思いがちですが、実はかえって磨きにくくなります。
歯ブラシを使ったブラッシングが、基本のケアとなりますが、デンタルフロスとタフトブラシで仕上げをします。
- 歯ブラシは、小刻みに動かしながらブラッシングする
- 親知らずと手前の歯の間は、デンタルフロスで磨く
- タフトブラシで磨き残しの部分を磨く
歯ブラシは、45度くらい斜めの方向から入れます。
大きく動かしてえづいてしまわないように、小刻みにブラッシングします。
歯間は、歯間ブラシではなくデンタルフロスできれいにします。
親知らずと手前の歯の間は、デンタルフロスの糸を歯に擦(す)るようにして、歯の表面をきれいに磨きます。
タフトブラシは、鉛筆を持つようにして磨き残しの部分に当てて軽く小さな動きで磨いてください。
下の親知らずは、鏡で見ることができるので、鏡で確認しながら磨くのもおすすめですよ!
歯肉が親知らずの一部を覆っている場合も、タフトブラシなら歯と歯肉の隙間(すきま)に毛先を入れて、小刻みに動かすことで磨けます♪
まとめ
- 40代で親知らずを抜歯すると危険な理由は①骨が固くなってしまう②全身疾患を持っている人が増える③抜歯後の回復に時間がかかる
- 抜歯の必要がない親知らずは、歯科治療の幅を広げるのに役立つため、処置を行う前に、抜歯が必要なものかどうか判断をする
- 抜歯の処置は親知らずの状態別に4種類あり、処置によって費用が変わってくるが、保険が適用される
- トラブルを避けるために、親知らずを抜歯するのにどれくらいの費用がかかるのか、事前に確認しておく
- 親知らずは虫歯や歯周病になりやすいので、丁寧にケアすることが大切
- 親知らずのケアは、基本は歯ブラシを使ったブラッシングを行い、デンタルフロスとタフトブラシで仕上げをする。
親知らずは、虫歯や炎症・歯周病のリスクが他の歯よりも高いため、より慎重なケアが必要です。
もし親知らずが気になったら、できるだけ早い年齢のうちに、抜歯の処置をした方が良い歯かどうかを確認してください。
もし処置が必要であった場合、40代の親知らずを抜歯するのは危険があるため、できるだけ20代のうちに抜歯することをおすすめしますよ!